タテヤマリンドウは、2008年に尾瀬ヶ原で見ているので、厳密には
「2010年に出会ったお初の花」ではないのですが、白花品を見ること
ができたのは初めてだったので、このシリーズに入れることにしました。
白花のタテヤマリンドウはシロバナタテヤマリンドウとして別扱いさ
れることもありますが、ここでは特に分けないこととしました。
立山でタテヤマリンドウを見ることができて、感激です。
なぜかこの場所では白花品しか目にしませんでした。 立山の
「室堂」という所です。 開けた日当たりのよい草原に、こんな
風に咲いていました。 地面はやや湿気た感じです。 場所はこの
ページの一番下にある「関連ページ」をクリックして移動する
ページに、もう少し詳しく述べられています。
とても清楚で、かわいいリンドウだと思いました。
手前の花は雌性期に入っていて、花粉を出し終えた
雄しべは外側に倒れ花柱から離れた状態になってい
ます。 雌しべは十分に成熟しているようです。
Pureな白色が浮き立つようです。 でもよく見ると、花冠の
縁付近に、かすかに薄い紫色が入っているようにも見えます。
写真の花は、まだ雄性期で、雄しべは中心部にまとまって直立
しています。 この時期の雌しべは未成熟で小さいので、雄し
べに隠れて見えない状態です。 喉部の斑点は母種のハルリン
ドウより濃い紫色に見え、黒に近い感じです。
この花が本当の初対面のタテヤマリンドウです。
2008年の尾瀬ヶ原でした。 木道脇にもたくさん
咲いていました。
こちらは2009年に栂池で見ることができた
タテヤマリンドウです。 多少の色の違いこそ
あれ、青紫系統の色の花だと思ってしまって
いたので、立山で白花の群れを見たときは、
少し驚いてしまいました。
タテヤマリンドウ
亜高山帯〜高山帯の湿地に生える1〜越年草。 花冠は長さ1〜2cmで、萼片の2倍以上 根生葉は長さ5〜10mmで、茎葉より大きい。 北海道の石狩地方と、本州の中部地方以北の日本海側と三重県に分布。 花期は5〜7月。 母種は低山帯に生えるハルリンドウ。 (山渓「高山に咲く花」)
〜 よく似た花 ミヤマリンドウ 〜
花は閉じてしまっていますが、茎葉の様子がわかるのでこの
写真を選びました。 タテヤマリンドウの茎葉はあまり開か
ず茎を抱くようになっていますが、ミヤマリンドウの茎葉は
このようにほぼ水平になるほど大きく開きます。
ミヤマリンドウの花はタテヤマリンドウと似ていますが、5裂した花冠の間の副花冠(副片)が細長く、その先が不規則に細く裂けます(あまり裂けない個体もいます)。 またタテヤマリンドウは喉部(花の中央付近)に暗紫色の斑点が多数ある「ソバカス美人」ですが、ミヤマリンドウには斑点はありません。
2011.02.22 掲載
2011.02.22 参考としてミヤマリンドウの写真を追加、文を加筆。