ミスズラン

 

三焉蘭 ラン科 ミスズラン属

Androcorys pusillus (Ohwi et Fukuy.) Masam.

絶滅危惧lA類 (Critically Endangered)

ミスズラン 2012.07.08 長野県
 2012.07.08 長野県

 

 小さい! 小さいことは予習していたので知っていましたが、こんなに小さなランだとは。 数百メートル手前で静岡県の花友のMさんに出会って詳細な情報をお聞きしていなかったら、見逃してしまったことでしょう。

 

 深山の針葉樹林下に稀に生える多年草です。 茎は直立し、高さは8〜15cmほど。 葉は根元付近に1個つけ、花茎に鱗片葉はありません。 この状態で開花しています。 花が見えますか? 写真をクリックして大きくしても、このサイズだと細かな部分は見えませんね!

 

ミスズラン 2012.07.08 長野県
 2012.07.08 長野県

 

 少し寄ってみます。 この個体では7個の花をつけていました。

一番上の花はまだ開花していないようです。 花柄子房がねじれ

ている様子もわかります。 他の多くのラン科の花と同じように、

花柄子房が180°ねじれて唇弁が下側につく「標準タイプ」です。

 

ミスズラン 2012.07.08 長野県
 2012.07.08 長野県

 

 カメラを「ちっこい花用」に替え、リングライトを装着して限界まで近づきます。 それでもこんなに小さい。 小さいランといえば、ヨウラクラン。 並べて比較することはできませんが、もし花1個の大きさを比較したら、ヨウラクランの方が少し小さいかな?

 

 図鑑によると「背萼片は基部が花弁と合着する。 側花弁は開出し、萼片とともにかぶとを作る。 唇弁は舌状、やや鈍頭で、基部は側萼片の基部と合着する」とあります。 こんなに小さく作るには、いろいろな器官を合着しなければならなかったのかも知れません。

 

 数が非常に少なく、見ることがとても困難なランです。 環境省は「近い将来における絶滅の危険性が極めて高い、危機的絶滅危惧」の種であると指定しています。 こんな小さな植物でも、日本の自然の大切な一員です。 彼らが生き延びることができる環境が、ずっと残ってほしいものです。

 

2012.07.12 掲載

 

 

コメント: 3 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    BOGGY (金曜日, 13 7月 2012 20:17)

    今晩は。
    ほんとに見つけにくいランですね。
    日本には300幾つの野生ランがあるそうですが、私が直接見たランを数えたら20にもなりませんでした。
    こうしてみなさんが苦労して探されたランを拝見するしかないかもしれませんね。
    貴重なランをありがとうございました。

  • #2

    hanasanpo (金曜日, 13 7月 2012 23:21)

    BOGGYさん、今晩は!
    ミスズランは非常に小さいのに加えて全体が緑色なので、たとえ視界に入っても木の芽か何かと思ってしまうと思います。私たちも詳細な情報を頂いていたのに、一度通り過ぎてしまい、戻って探してやっと見つかりました。

    BOGGYさんのホームページも拝見しています。すごいですね、あんなおいしそうな料理をご自分で作ってしまうなんて! ピザは大好物です。見ているうちに腹が鳴り出しました! カネロニも大好きなのですが、なかなか食べさせてくれる店がありません。BOGGYさんも作られるのですか?(リクエストしているみたい)

  • #3

    BOGGY (日曜日, 15 7月 2012 20:05)

    ブログご覧頂いているのですね。
    カネロニも作りますよ。野草の所で料理の話もナニですので、ミニメールしますね。