この美しく鮮やかな紅紫色の花色は、一度見たら忘れられ
ないものです。 緑の湿原の中でとても映えます。
トキソウと生える場所も時期も同じで大きさも似ています
が、まったく色合いが異なるので、見間違えることはありま
せん。 またトキソウのように背萼片を上に立てることはあ
りません。
ミズゴケのある湿原に生えます。 高さは20〜30cm。
アサヒランの別名があります。 花は横向きでうつむき
加減に咲き、あまり開きません。
私たちは群馬県と栃木県の2ヶ所の湿原でしか見ること
ができていません。 比較的簡単に見ることができるトキ
ソウと比べると、圧倒的に数が少ない印象です。
他の大型の植物に埋もれてしまいそうになりながら咲いていました。
木道の近くにいてくれるとは限らず、なかなかよい写真が撮れません。
萼片と側花弁は倒披針形で先端は尖ります。 長さ
2.0〜2.5cm。 萼片の先端はやや淡黄色になります。
唇弁の縁は波打ち、写真ではわかりにくいですが、
先端が3裂しています。 中裂片には、白く不規則な
形をした縦の隆起線があります。
花柄子房にねじれは認められません。 サワランは、花柄子房が
ねじれず唇弁を下側につける「ストレート・唇弁下側タイプ」です。
蕾のときから鮮やかな色合です。
苞は三角形で長さ2〜3mm(矢印部)。
トキソウと競演、というほど数がありませんが、一緒に咲いていました。 この湿原では他にキンコウカ、ツルコケモモ、モウセンゴケ、ウラジロヨウラクなどを見ることができました。
栃木県の那須方面の湿原でも見ることができましたが、数は
少ないものでした。 全国的に湿原はどんどん減少しているの
で、この花の生きられる場所も少なくなってきていると思いま
す。 絶滅危惧種に指定されるようなことにはならないよう、
願わずにはいられません。
2012.11.26 掲載
ピョン子 (木曜日, 29 6月 2017 21:47)
北海道ではサワラン有りますよ!葉がもう少し大きく、色鮮やかで素敵です。エビネランも直に見ると素朴な可愛い花ですよ!
Ken (木曜日, 29 6月 2017)
北海道にはランが多いそうですね。例えばこちらではなかなか見ることができないサルメンエビネも、道端の草であると聞きました。エビネラン?エビネのことでしょうか?
ピョン子 (水曜日, 05 7月 2017 15:35)
エビネだと思います!ただそうそう道端に生えているのでは無く山のごく一部だそうです。友達が山男なので色々と教えてくれます!私は写真を撮るだけです。
Ken (水曜日, 05 7月 2017 22:27)
山男のご友人の案内で、これからもたくさんの花に出逢えるといいですね!