クゲヌマランは、80年前の1936年に、植物学者の前川文夫氏により学名
Cephalanthera Shizuoi F. Maekawa として発表されました。 発見地は神奈川県藤沢市の鵠沼地区で、これが和名の由来です。 この地で療養生活中だった植物生化学者の服部静夫氏が発見し、前川氏に研究を依頼したそうです。 種小名の Shizuoi は発見者を記念したものです(*12)。
本種は、著者が所有する図鑑で最も古い、1961年発行の「牧野 新日本植物圖鑑」(*3)から、2015年発行の「日本のラン ハンドブック」(*1)まで、多くの文献に記載がありました。 しかしその学名は、年代を追うとともに変遷しています。 また近年各地で新たに自生が確認され、分布域が拡大しているようです(*1、*9、*10)。
環境省のレッドリストにおいては、2000年には絶滅危惧1A類(CR)に指定されていました。 山渓の「レッドデータプランツ」(*4、2003年発行の旧版)にも1A類として紹介されています。 しかし、2007年のレッドリスト改訂版においては、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に「格下げ」されています(*10)。 これは近年(2005年頃から)造成地や都市公園などで急速に分布を広げている(*1、*9)ことを受けての格下げであると思われます。 2012年の見直し版レッドリスト(*13)においても、Ⅱ類の指定でした。
本ページは、私たちが2015年に初めて見ることができたこの花を、少しだけ詳しく調べてみる目的で作成したものですが、実際には、数年前よりクゲヌマランではないか? と思われる花を関東・甲信越地方の花散策で見ていました。 しかしそれらはギンランと思って撮影しており、後で写真をよく見て、ギンランとは少し様相が違うと思っていたものでした。
2015年4月に東京の自宅近くで相方が発見し、改めて観察することができました。 やはりクゲヌマランではないか、との思いが強くなったため、このページを作るに至りました。 発見時の経緯はこちら>> Dairy-Hiroダス 2015年4月23日 母さんネギ買いに
さて、分布域は後述するとして、それ以外のクゲヌマランの特徴を列挙してみました。 様々な観点から本種の特徴に迫るため、複数の文献から引用させていただき、併記しました。 そして、その特徴が今回見ることができたものとどれほど一致するかを調べました。
<全体>
①開花時の植物体のざらつき(乳頭状突起)やしわが少ない。(*1)
②全体強壮、ときに2〜3本束生する。(*3)
葉にざらつきはありました。 しかしそれが少ないのか多いのかは判断できませんでした。 全体強壮? これも主観が入り何とも言えませんが、少なくとも弱々しい印象はありませんでした。 ここでは1本から4本がまとまって咲いており、「ときに2〜3本束生する」には合致します。 しかし、ギンランも3〜4本束生したものを見たことがあるので、クゲヌマランだけの特徴とは言えないと思いました。
<茎>
①開花時の茎の高さは60cmまで。(*1)
②茎の稜が目立たない。(*1)
③茎は高さ40cm前後。(*3、*4)
今回見ることができた個体は高さ30〜40cmでしたので、高さの特徴は合致します。 全体的に明らかにギンランより大型である、という印象でした。 茎の稜は目立ちませんでしたが、ギンランと比べてどうかと問われると、明確にはわかりませんでした。
<葉>
①葉は長さ8〜18cm、幅2〜4cm、4〜14枚つく。(*1)
②葉脈が目立たない。(*1)
③葉状はギンランに近いが、それにくらべて壮大、葉数は多い。(*3)
④ギンランより葉が厚く、光沢があるようである。(*4)
⑤4個前後の葉が互生する。(*4)
⑥葉は長楕円形で長さ約7cm,基部は茎を抱かない。(*4)
⑦花序の下部の花の苞葉は、子房より長いことが多い。(*4)
⑧苞はやや太くて短い(*9)
⑨茎葉の葉身の基部は茎を抱いているが,両側の葉縁基部のなす角度がより広い。
(*9)
⑩葉縁はギンランは滑らかなのに,クゲヌマランは透明な微突起が並んでいる。
(*9)
⑪葉はギンランのそれと比べると細長く形態的にはササバギンランに近いが、
ササバギンランの葉は薄く軟質であるのに対し、クゲヌマランの葉はやや
皮質で鈍い光沢がある、などの点で区別できる。(*10)
①③⑤は合致しているように思いました(ギンランとくらべて「壮大」はちょっと大袈裟な表現と感じます)。 ②については、エビネのように葉脈は目立ちませんが、かと言って目を凝らして見ないとわからない、というほど目立たない訳でもありません。
困ったのが⑥です。 葉の基部は茎を抱いていたからです。 しかし⑨で救われました。 要するに葉の基部は茎を抱いてはいるが、開き気味であるということだと思います。 とは言え、観察した個体はしっかり茎を抱いているように見えます。 これはどう判断したらよいのか。 葉の厚さや光沢などのギンラン・ササバギンランとの相違は、並べて確認しないと、私のような素人には判別困難です。 両種をもっと数多く観察すれば、相違点がわかるようになりそうです。
<花序>
①花序あたりの花の数は20個まで。(*1)
②茎の先にややまばらに10個前後の花をつける。(*4)
観察した個体は15〜16個の花をつけていたので、上の特徴に合致すると思います。蕾は密につきますが、開花時にはややまばらな感じになります。
<花>
①萼片は長さ12〜18mm、側花弁は長さ8〜9mm、唇弁は長さ7〜10mm。(*1)
②ギンランに似るが距が極めて短い。(*1)
③古い花は変色する。(*1)
④唇弁の基部の距が浅くて、突出することがない。(*2)
⑤唇弁の距は明確に突出することがない点で区別される。(*3)
⑥花はギンランより大きく、唇弁の距は明確に突出することがない点で区別
される。(*3)
⑦ギンランに比べ距が短く、ほとんど目立たない点が大きな特徴。(*4)
⑧花は白色、長さ1cm前後。(*4)
⑨花はあまり開かないのでわかりにくいが、唇弁は上唇と下唇に分かれている。
上唇には縦の隆起線が3本ある。(*4)
⑩ギンランと比べ花は一回り大きく距がない 唇弁はより太く丸っぽい。(*9)
⑪ギンランに見られる明瞭な距がない。(*10)
⑫下唇中央部が鮮やかな黄橙色を呈する個体がクゲヌマランには多いように
思われる。(*10)
⑬ギンランにも距が発達しない個体も発見されている。 距の有無のみで
ギンランとクゲヌマランとを区別できないので、葉の形状など複数箇所の
形態的特徴から同定を行うべきである。(*10)
⑭クゲヌマランはギンランによく似ているが、唇弁の距は側萼片の合わせ目から
その先端をかすかにのぞかせるだけで、ギンランのようにはっきり突き出るこ
とはない。(*12)
クゲヌマランの最も顕著な特徴は、距が発達せず非常に短いことです。 そしてこの特徴は私のような初心者にもわかりやすいことが幸いし、今回クゲヌマランであろうと言えるに至りました。 ⑬にあるように「距の無いギンラン」も報告されているので、距の有無だけで判断するのは危険と思われます。 これはその通りと思います。 しかし距の無いギンランは距の痕跡すらないと言われる(責任者が明確な文献は見ていません)のに対し、今回観察した個体はごくわずかながら突出し、色もかすかに濃く、距の痕跡は認められるのでクゲヌマランと言えると考えます。
<共生菌など>
・菌根菌はイボタケ科、ロウタケ科など。(*1)
・クゲヌマランは樹木に菌根を形成し共生するイボタケ科から養分を得て生育
することが知られており (Abadie etal. 2006)、発見された自生地では周囲に
生育するヤマヤナギの菌根菌と共生していると考えられた。(*10)
共生菌については、素人はまったく手を出せません。 周辺の植物相の観察はできますが発見当時言われたクロマツの林下以外にも見つかっており、想像の域を出ることができません。
ギンランがほぼ横向きに花を咲かせるのに対して、クゲヌマランはやや上向きに花を咲かせます。 あまり開きませんが、ギンランよりは半開している花が多いように思いました。 花の長さは約1cmで、ギンランより大きく見えます。 距の突起は、正面から見ると無いように見えますが、わずかに色が濃く見えます(ごく薄い肌色のような)。
上の写真は花が上向きであるのに、距が見たいので正面から撮影したものです。 このため唇弁は下から見上げる形になり、よく見えません。 蕊柱は図示していませんが、唇弁の奥にわずかに頭をのぞかせています。 #9に、もう少し唇弁が見える写真を掲載しました。
クゲヌマラン・ギンラン・ササバギンラン・ユウシュンランの見分け方
最も注目したい距は、花を横から観察するとよくわかります。 以下に、クゲヌマランとともに同じキンラン属で白い花をつけるギンラン、ササバギンラン、そしてユウシュンランの写真を並べ、比較してみました。
花を側面から見ると、距が非常に短い様子がよくわかります。 距はほとんど無いようにも見えますが、よく観察するとごくわずかな突起があり、その部分は花被片の他の部分より若干色が濃く見えます。
ギンランの距は明確に突き出て、目立ちます。 距は円錐形で、とがる感じです。 ササバギンランと見誤る可能性があっても、クゲヌマランと見誤ることはなさそうです。
ササバギンランの距も明確に突出します。 ギンランよりはやや短く、唇弁の先端方向から基部に向けて緩やかな台形になっているので、ギンランのように鋭く突き出しているという印象はありません。 蛇足ですが、ササバギンランは上部の苞が花序より上に伸びることが特徴ですが、中には苞が花序よりも低い個体があります。
ユウシュンランは、かつてはギンランの変種とされていましたが、葉・花も形状がまったく異なり、現在では別種とされるのが普通です。 花の形状は上の3種とかなり異なり、非常に大きな距を持ちます。 その他の特徴も併せ、上の3種との識別に迷うことは無いでしょう。
花の特徴の ⑨唇弁は上唇と下唇に分かれている。 上唇には縦の隆起線が3本ある
については、それが明確にわかる写真を撮れませんでした。 しかし ⑫下唇中央部が鮮やかな黄橙色を呈する個体がクゲヌマランには多い については、唇弁内面が黄色を帯びていることをなんとか確認できました。 ピンボケ写真なので、撮り直したいですね。
唇弁の詳細も含め、今年再度観察してみたいと思います。 なにせ歩いて行けるほど近い場所なので。
次に、分布域について文献を調べました。
<分布域> (この項目は文献が古い順で記載し、発表年も併記します)
・相模湾沿岸から千葉県にかけての海岸砂丘松林の中に自生する。(*3 1961)
・分布は太平洋側に限られていて、本州(宮城県〜和歌山県)・四国(小豆島)
の海岸の砂質のクロマツ林下に生える。(*2 1982)
・インターネットで検索すると1997年の藤沢市の他に、北海道の札幌市、石狩市、
岩見沢市、礼文島、羅臼岳、茨城県(河川敷)、東京都、静岡県、八王子市、
青森県(日本海側)などでも2000~ 2005年に見られている。(*9 2005)
・クゲヌマランの分布はかつて青森、岩手、宮城、福島、神奈川、静岡、香川と
され(野生生物調査協会 &EnVision 環境保全事務所 2006)、ほとんどが
太平洋側に面した地域であった。しかし近年、著者は北海道(礼文島)、新潟県
でも分布が確認されたという情報を得ており、日本海側の地域にも分布すると
考えられる。(*10 2012)
・ユーラシア大陸からの温帯域〜アフリカ北部まで広く分布。亜寒帯〜温暖帯の
主に落葉広葉樹林やクロマツ林の林床に生育する。 近年、造成地や都市公園
などで急速に分布を広げている。(*1 2015)
発見時は狭い範囲の海岸沿いであったのが、年を追う毎に拡大しているらしいことがわかります。 自分でも、上記にはない東京都や長野県で見ているので、実際には全国規模で分布が広がっているのかも知れません。 また上記にはない、九州ではどうなのか、興味が湧きます。 いずれ、発見の報告があるかも知れませんね。
以下は、以前撮影した、クゲヌマランと思われる植物の写真です。
2004年ですから、これがクゲヌマランとの初対面であったかも知れません。 トトロの森を思わせるような緑地公園にいました。 標高は約120m。 園内には遊歩道が整備されています。 周辺は住宅地です。 当時はギンランと思って撮影したと思います。 前後には本当のギンランも撮影しているので、混生していたと思います。 クゲヌマランではないかと疑いを持ったのは、だいぶ後になってからでした。
<追記1 2017.05.14>
#10 については、ラン科の植物にも非常にお詳しい、植物研究者の末次健司先生より、「クゲヌマランではなく、ギンランのペロリアではないか? 唇弁が側弁化しているので、距がないように見える」とご教示いただきました。 ペロリア(peloria)とは、左右相称花をつけるラン科植物が、放射相称の花をつける変異のことのようです(*15)。そう指摘されてみると、唇弁の形状が側弁のようです。 よって#10はクゲヌマランではなく、ギンランのペロリアとします。
長野県上田市で見たこの個体も、ギンランと思って撮影したと思います。 標高は1300mを少し超えた場所です。 周辺はスキー場やキャベツ畑が広がり、この場所も植栽されたドイツトウヒの森の中でした。
<追記2 2017.05.14>
#11についても、#10と同様なご指摘を受けました。 クゲヌマランではなく、ギンランのペロリアのようです。
こちらは長野県伊那市、標高約900m。 山沿いの道路脇の斜面にいました。 すぐ後ろは広い駐車場で、さらに後ろには川が流れており、重機が治水工事をしていました。
2015年、2回めのクゲヌマラン発見! と思ったのですが...。 場所はある城址公園で、キンラン、ササバギンランは多数、ギンランも見ることができる場所です。 この時はすでにクゲヌマランのことを認識していました。 花はもう終わり、茶色っぽく変色し始めていました。
クゲヌマランの花の特徴の一つである、③古い花は変色する を覚えていたので、クゲヌマランに違いないと思い、撮影しました。 ここではキンラン、ササバギンラン、ギンランは遊歩道からやや奥まった林内に多いのですが、この植物は遊歩道のすぐ脇の、踏んでしまいそうな場所にいました。 今回、改めて写真を観察すると、ちょっと変わったことに気づきました。 次の写真をご覧ください。
今まで述べてきたように、クゲヌマランの距は非常に短く目立ちませんが、距が全く無い訳ではありません。 しかしこの植物は距がまったく見えないのです。 撮影の方向が悪く、上の写真では距がこちらを向いている花は矢印で示した3個です。
パソコンで拡大して見ても、距の痕跡が認められないのです。
もしかすると、これが花の特徴⑬にある「距の無いギンラン」なのか? 距のないギンランの発生率は知らないのですが、おそらく低いものであろうと勝手に思っていました。 しかしこのように簡単に見つかるということは、意外と発生率が高いのかも知れません。 いずれにしても、今年(2016年)、開花時期に合わせて観察できたらよいなと思います。
<追記3 2017.05.14>
#14についても、末次先生から#10・#11 と同様なご指摘を受けました。 クゲヌマランではなく、ギンランのペロリアのようです。 ギンランのペロリアは意外と多く分布しているようです。 従って、本文内にも記載しましたが、「距がない=クゲヌマラン」とは限らないので、ギンランのペロリアも疑ってみる必要があるということです。
その他、ギンランのペロリアは、クゲヌマランと比較し、以下の特徴があることもご教示いただきました。
・花がクゲヌマランより長く見える。
・クゲヌマランより葉が丸く、薄く、光沢も少ない。
学名について。 最初に述べた通り、1936年に新種として発表されたときは
Cephalanthera Shizuoi F. Maekawa であったのですが、その後ギンランの変種とされ、環境省の2000年のレッドリストでも Cephalanthera erecta var. shizuoi となっていました(var. はvariantの略で変種の意)。 いつギンランの変種とされたかわかる資料は、見つけることができませんでした。 その後、独立種として
Cephalanthera longifolia (L.) Fritschに変更されます。 レッドリストも2007年の第3次改定版から変更されています。 この詳しい経緯の資料も見つけ出せませんでしたが、その学名が妥当であるとする資料はいくつか見つかりました。(*6, *7, *8)
これらの学名の他にも、多くの異名が存在するようです。 資料*7中にある「環境省 RDBにおけるラン科植物絶滅危倶種名修正の必要性について」では、実に29種類もの異名が記載されています(p.38-39)。 興味がある方はご参照下さい。
花さんぽで出逢えたこの植物(写真#1〜5、#9〜#12)は、どうやら
Cephalanthera longifolia (L.) Fritsch として間違いないように思えます。 しかし、都内2箇所、長野県内2箇所のいずれもが、かつて人の手の入った場所、もしくはその近接地であり、80年前の発見時の「海岸のクロマツ林下」とはまったく異なる環境でした。 近年の急速な自生地の拡大も考慮すると、比較的最近入り込んだ外来植物である疑いも捨て切れません。 発見当初のクゲヌマランと、今各地で再発見されているクゲヌマランは同じ植物ではない可能性もあると思います。 あるいは、古来より北アフリカからユーラシア大陸、そして日本に分布していたが、日本ではクロマツ林の減少により絶滅、もしくは絶滅に近い状態となり、その後大陸の同種が何らかの原因で国内に入り込み分布を広げている可能性もあるのでは。 同種であっても大陸由来のものはクロマツ林以外の場所に適応していたとしても不思議はないと思います。 研究者の方の今後の研究に期待します。
非常に長いページになりました。 最後までお付き合い下った方に感謝します。
< 引用・参考文献、及び外部サイト >
文献・図鑑などの著作物や、個人・法人のWEBサイトにも著作権があることをご理解の上、ご利用下さい。
http://www.bun-ichi.co.jp//tabid/57/pdid/978-4-8299-8117-7/catid/1/Default.aspx
文一総合出版 2015年5月1日 初版第1刷 p.60
http://www.bun-ichi.co.jp/
*2 日本の野生植物 草本 1 単子葉類
平凡社 1982年1月20日 初版第1刷 p.207 ギンラン
http://www.heibonsha.co.jp/
*3 牧野 新日本植物圖鑑
北隆館 1961年6月30日 初版 p.887
*4 レッドデータプランツ
山と溪谷社 2003年12月15日 初版第1刷 p.445
*5 日本の野生ラン
主婦と生活社 1996年2月14日 43刷 p.38
*6 「ラン・ネットワーク JAPAN」 第6号 2008年12月1日 p.16, 23-24
http://www.ran-net.org/index.html http://www.ran-net.org/06.pdf
*7 「ラン・ネットワーク JAPAN」 第8号 2012年8月25日 p.38
http://www.ran-net.org/index.html http://www.ran-net.org/08.pdf
*8 「北海道に分布するクゲヌマラン類似植物」 遊川智久
http://hopposansokai.web.fc2.com/kaishi/no26/26-04.pdf
北方山草会 会誌26号(2009年) p.13-20
http://hopposansokai.web.fc2.com/index.html
*9 クゲヌマラン? 多産する 金子紀子
http://flora-kanagawa2.sakura.ne.jp/fk/fk60.pdf
「FLORA KANAGAWA 神奈川県植物誌調査会ニュース 第60号」
2005年10月10日 p.743-745
*10 鳥取県において新たに分布が確認された 5 種の植物 谷亀高広 坂田成孝 矢田貝繁明
http://site5.tori-info.co.jp/photolib/museum/7126.pdf
鳥取県立博物館研究報告 49: 7-12, March 23, 2012 p.10-11
*11 鵠沼 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/鵠沼
*12 札幌植物雑記帖(4)-クゲヌマランと前川文夫先生- 原松次
http://www.cho.co.jp/natural-h/download/archive/botanica/bota06_03.pdf
北海道植物友の会 発行 菩多尼訶(ボタニカ) 1991年 No.93 p.4-5
http://www.cho.co.jp/natural-h/db_bota.htm
*13 前川文夫 日本の植物学者 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/前川文夫
http://www.biodic.go.jp/rdb/rdb_f.html
このページの「分類群ごとのレッドリスト見直し状況」の項目の表の、
分類群「植物Ⅰ(維管束植物)」の「(別添資料7-8)植物I(維管束植物)の
レッドリスト[PDF 715KB]」から情報をダウンロードできます。
これを当サイトで見易く加工し、五十音順、またはカテゴリ順に並び替えた
リストを、当サイトの絶滅危惧種とは?のページから入手可能です。
*15 唇弁が花弁様化したツレサギソウ属オオバノトンボソウ(ラン科)
早川宗志 伊賀和子 根本週一 山下由美 黒澤高秀
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunrui/16/2/16_01602-15/_article/-char/ja/
日本植物分類学会
(外部リンク先の最終閲覧日は、当ページの掲載日です。 外部リンクは、それぞれの運営者の都合などにより、削除・変更されることがあります)
2016.01.12 掲載
2017.05.14 <追記1>〜<追記3>を追記。*15 を追加。
ラン科属名別1(ア〜サ行) ラン科属名別2(タ〜ワ行)2 絶滅危惧ll類
クゲヌマランの掲載ページ
Dairy-Hiroダス
2017年4月26日-5月1日 ご近所通信 キンランわんさか(複数箇所に画像あり)
2016年4月26日 ご近所通信 春の巻 (1ヶ所目)
2016年4月26日 ご近所通信 春の巻 (2ヶ所目)
他のラン科キンラン属の植物
ゆき (金曜日, 15 1月 2016 00:13)
こんばんは、HIROさん、Kenさん、クゲヌマランのお話し、じっくり読みました、ありがとうございます、クゲヌマラン、ギンラン、ユウシュンランササバギンラン、それぞれの特徴をもった、清楚ならんですね。クゲヌマランの深く探究されていて、すごいです、大陸からの外来種とのお話しも、興味深いです。
HiroKenのKen (金曜日, 15 1月 2016 04:45)
ゆきさん、いらっしゃいませ。
文字が多いページとなりましたが、読んでいただきありがとうございます。
身近な小さなランたちも、じっくり見ると楽しいものですね。
今年は暖冬のようですが、昨年のように花の咲く時期が読みにくいかも知れませんね。
安部幸治 (金曜日, 29 5月 2020 21:17)
はじめまして、北海道豊浦町の花畑にクゲヌマランらしき花が、あちらこちらに咲いています。最初はササバギンランと思っていましたが、クゲヌマランと思います。すごく観察されているのに驚きました。距が全く見えません、今度写真に撮っておこうと思います。
Ken (金曜日, 29 5月 2020 22:29)
安部幸治様、初めまして。コメントをありがとうございます。
大変厚かましいですが、可能であればぜひ写真を撮って見せていただけたらと思います。できれば花のアップ写真もあると幸いです。「ごあいさつ」のページにあるメッセージ送信欄から一言でもよいのでメッセージをお送りいただけましたら、こちらからメールをお送りします。
気になるのは、場所です。 豊浦町から内浦湾を挟んで対岸の北海道駒ヶ岳で1922年に採集された標本が、クゲヌマランに似るがクゲヌマランではなく、もしかすると「新種」であることを国立科学博物館の遊川先生が示唆されています。詳細は本ページ引用文献の*8のリンク「「北海道に分布するクゲヌマラン類似植物」から論文を閲覧可能です。
豊浦町と駒ヶ岳は直線で60kmほど離れていますが、北海道全体から見れば「近い場所」と言えるかも知れません。
もし豊浦町に咲くクゲヌマランが、遊川先生が調べられている植物と同じであれば、研究に大きな進展が期待できます。
いきなり大変なお願いをして申し訳ありません。「可能であれば」お願いいたします(来年以降でも構いません)。
のりすけ (土曜日, 30 5月 2020 20:04)
素人ですみません。ギンランとササバギンランの違いがわからず、インスタに出した写真をクゲヌマランといわれて、その違いを探してこのページにたどり着きました。
最近ネットではヤビツギンランなるものも話題です。
何度も読ませていただくたびに、ここにかかれているギンランのペロリアを含めて、種類を特徴づける明確な差異がないのに名前を分ける必要があるのかと感じます。
よくご存知の方の明快な回答をお待ちしています。
Ken (土曜日, 30 5月 2020)
「ギンランのペロリア=ヤビツギンラン」ではないかと思っています。
>種類を特徴づける明確な差異がないのに名前を分ける必要があるのか
種類を特徴づける明確な差異があるので、名前が分けられています。
別種とするか、亜種や変種とするかは、研究者の判断に依ります。その判断がその研究者自身によって変更されたり、別の研究者が別の考えを示したりもします。最近は遺伝子を調べて系統樹を作る研究が急速に進歩しています。クゲヌマランはギンランの変種とされた時代もありましたが、現在では別種とされています。
花好きhi (月曜日, 31 8月 2020 19:00)
こんばんは。クゲヌマランらしきランが咲いていました。(もちろん春ごろ)ギンランのペロリアの可能性もあるのですが・・・小型なので、ペロリアだとは思うのですが・・・
詳しい写真&レポートありがとうございます。まったく区別できませんでしたが、これを見て来春はしっかり区別できそうです。解説ありがとうございました。ササバギンランとの区別もできると思います。あんなに似てるのに、違うところがあるのですね。
花好きhi (水曜日, 02 9月 2020 19:01)
2回もコメントしてしまいました。前のコメントではかけなかったのですが、外来種と在来種のお話は興味深いですね。ありがとうございます。分析されるとよいですね。
たくさんの写真などの投稿ありがとうございます。詳しく分析されてほしいですね。
Ken (日曜日, 06 9月 2020 11:13)
ご訪問ありがとうございます。本ページの情報が少しでもお役に立てば幸いです。