一生見ることができないかも知れない花、と思って
いましたが、幸運にもある方の情報で見ることが
できました。 場所は八ヶ岳連峰のとある山奥です。
サカネランの基本種とされてます(サカネランが変種)。 サカネランは山渓ハンディ図鑑「山の花」に載っていましたが、エゾサカネランは私たちが持っている図鑑や書籍にはほとんど掲載されていません。 たとえば平凡社の「日本の野生植物(草本)」にはサカネランの解説に「基本種エゾサカネラン」と記載されているのみ。 園芸の本ですが、主婦の友社の「日本の野生ラン」に短い解説があったので、下の解説欄で引用させて頂きました。
ちょっと変わったランですね。 花がもっさりついていますがなんだか愛嬌があります。 写真の花は、盛の時期を少し過ぎた感じですが、花は元々このような薄茶色です。 和名の「逆根蘭」は根が逆さまに見えることに由来すると思いますが... 「逆さまの根」とはどのような状態なのでしょうか?? 「山に咲く花」のサカネランの解説には「根は多肉で、多数束生する」とありますが、これだけではさっぱりイメージが湧きません... 下にあるサカネランの解説である程度イメージが湧きました。
とても暗かったのでピン甘写真の連続ですが、少し
寄ってみました。 花茎、花柄子房に毛は見えない
ので、間違いなくエゾサカネランですね。
背萼片や側萼片に比べて、2裂した唇弁がとても大きいです。
この花、間違いなく絶滅危惧種だと思うのですが、なぜか
環境省のレッドリストに載っていません。
花柄子房には明確な「ねじれ」が観察できました
(円内)。エゾサカネランは花柄子房が180°ねじ
れて唇弁を下側につける、「標準タイプ」のラン
です。
.
菌従属栄養植物なので葉緑素を持ちません。 茎には、
数個の膜質の鞘状葉(しょうじょうよう)があります。
刀のサヤのような形の葉、ということでしょうか。
エゾサカネラン
北海道、本州に分布。 自生環境、草姿はなどはサカネランに酷似しているが、花茎、花序などが無毛の点が異なる。
サカネラン
多数の肉質の根がブラシのように密生し、斜め上方、すなわち逆方向に伸びるように見えるので、逆根蘭の名がある。 北海道から九州までの、落葉樹林内の厚く積もった落葉の中に自生する。 6月頃、高さ30cm程度の茶色い花茎を伸ばし、茶色い枯れかかったような小花を密生して咲かせる。 落ち葉の色と似ていて山では目立たない。
(主婦の友社「日本の野生ラン」より引用させて頂きました)
サカネランのページはこちら
2010.07.11 掲載(写真のみ)
2011.01.30 写真と文を追加