湿原でカキランやミズチドリなどを堪能した後、少し離れたアケボノシュスランがいた森に行くことにしました。 アケボノシュスランの花期は9月から10月なので時期は早過ぎますが、初めて見ることができた時はものすごい群生で、足の踏み場もないほどでした。 この時期はいったいどんな様子なのか?興味が湧きました。
森に入るとすぐ、前回と同じように地面を覆うほどのアケボノシュスランの葉が見えましたが、その合間に、とても小さな白いものが見えます。 何だろう?キノコかな? しゃがんで顔を近づけると... おお!アリドオシランではないですか!! 見たかったけれど見れていない花! 思いもかけず出逢うことができました。 こういうときが、花さんぽをしていて最も嬉しい瞬間の一つです。
落葉樹の生い茂るやや暗い林下で、地面に点々と白い花が
見えます。小さな植物です。 図鑑には草丈5〜10cmとあり
ますが、ここでは5cm前後のものが多かったと思います。
開花前の蕾の状態であるものも多かったので、この後、草丈
も少し伸びるのかも知れません。
花は横向きにつきます。花の長さは1cm程度。 中央から
左下にかけてある葉は、アケボノシュスランの葉です。この
ように多くのランが咲く場所は、土壌にラン菌が多いので
しょうか?
#3の花を正面から。咲き始めの若い花
は、まだ唇弁の先が2裂していません。
花の基部は丸っこいです。「白ずきんちゃん」という感じで、とても可愛らしいのです。 Hiroは「白無垢の綿帽子みたいだ!」と言っていました。 唇弁は基部で筒状になっていて、先端部で2裂します。 人間の両腕を肘から指先までくっつけ、掌の根元から先だけを左右に開いた感じです。 日頃より「小さな花ほど、拡大して見ると造形美が素晴らしい」と思っていますが、この花も、そんな花の一つかなと思いました。
アリドオシラン(蟻通蘭)の名の由来は、アカネ科のツルアリドオシ(蔓蟻通)に似ているからと言われます。 そのツルアリドオシ、花を見たことがなかったのですが、なんとアリドオシランを見る2時間ほど前に、湿原の近くで見ることができていたのでした! なんという偶然かと思いました。
#8はそのツルアリドオシです。 葉の色・形や、やや暗い林下で小さな白い花を咲かせるところなど、確かに雰囲気が似ています。 では、ツルアリドオシの名の由来は? 同じアカネ科の樹木にアリドオシという植物があり、その葉の根元に「蟻をも突き通す」と思われるほどの細く鋭い刺があるので「アリドオシ」になったそうです。 ツルアリドオシはアリドオシに花が似ていて、地面を這う蔓性なので、ツルアリドオシとなったようです。 更にアリドオシランはツルアリドオシに似ているのでその名になったのです。
ややこしいですが、アリドオシランの名の由来の大元は、アリドオシと言えるかも知れません。 ちなみにアリドオシランにもツルアリドオシにも、刺はありません。
アリドオシラン
落葉樹林内に生える多年草。茎の下部は地を這い、上部は斜上し高さ5〜10cmになる。葉は数個互生し、短い柄があり、卵形で長さ約1cm。基部は茎を抱く。表面に粒状の微突起がある。茎頂に1〜2cmの花茎を立て、1〜2個の長さ約1cmの花を横向きに開く。花期は6〜7月。北海道と本州中部地方以北に分布。
2011.08.06 掲載
hanasanpo (日曜日, 01 9月 2013 23:18)
みちほさん
ご要望通り、コメントは削除させていただきました。
アケボノシュスランに出会うことができたとのこと、よかったですね!
今後もよろしくお願いします。
みちほ (火曜日, 03 9月 2013 21:05)
このたびは色々ご迷惑かけました。 お手数をおかけし、申し訳ありませんでした。
アケボノシュスラン、アップしました。 小さな花でしたので技術不足の私には撮影は難しくて、思ような写真ではありませんが・・・
可愛い花ですね! HiroKenさんの写真見るとなんだか花可哀そうかなと思いますが花さがしと写真の腕をみがくことにします。 今後ともよろしくお願いします。
みちほ (火曜日, 03 9月 2013 21:26)
上記の書き方、語弊ありそう・・・私の技術不足でアケボノシュスランが可哀そうということで、HiroKenさんの写真は本当に素晴らしくきれいです。
詳しい説明付きなのでとっても勉強になりありがたいことと思っています。
来年はアリドウシランにぜひ会いたいと思っています。
hanasanpo (水曜日, 04 9月 2013 08:56)
こんにちは!
アケボノシュスランに出会えてよかったですね!
ブログを拝見しました。花たちが生き生きとして、とてもよく撮れていますね。花の奥は、あんなに黄色いのですね。逆光で撮られた写真でよくわかりました。
ブログにコメントを入れさせていただきました。