和名は美濃(岐阜県)産のコバイモの意味。晴れた春の朝。 滅多に見ることができない花を、名の由来である美濃で感激の初対面です。 もちろん花の大先輩のOさんのご案内のお陰です。 畑と杉林の境界になる北側斜面に咲いていました。 ここの株の茎の高さは10〜20cmほどでした。
横向きの姿です。ご覧のように土に石がゴロゴロ
混じっているような場所にいました。
花は斜め下向きにつき、鐘形で紫褐色の斑点のような模様があります。 なかなか渋い花です。 外花被片と内花被片がそれぞれ3枚づつあり、先端はとがっています。 花被片の基部に注目すると、この写真では中央が内花被片で両側の2枚が外花被片です。 反対側の2枚の内花被片の 内側も見えます。
コシノコバイモ(越の小貝母)は内花被片の縁に小さな突起がたくさんありますが、本種にはそれがありません。 この2種の一番わかりやすい識別ポイントです。
ここまで近づくと斑点というより編み目模様に見えます。 花被は途中から折れ曲がったようになり、角が強く張り出します。 カイコバイモ(甲斐小貝母)にはこのような明瞭な張り出しはありません。 コシノコバイモには、似た張り出しがあります。 ところで、これを見て折りたたみ傘を連想しませんか? 見る度に言うのですが、未だに賛同者は現れません。
葉は茎の上部に3枚が輪生し、少し下に2枚が対生します。
長さ3~7cm、幅2~8mmの線形です。 下の2枚の方が
上の3枚より大きいです。
下から覗いてみました。 葯は白色です。
ミノコバイモ
本州(愛知・岐阜・三重県)に分布。 落葉樹林下や土手などに生える多年草。花期は3〜4月の雪解け後。
2010.12.20 掲載