2009年の11月に、花の大先輩のご案内で、初めてこの花を
見ることができた。 場所は伊豆の下田市。 タマガワホトトギス
などは見たことがあったが、頭に修飾語のつかない「ホトトギス」
は初めて見たので感激だった。 今回、房総半島の中央付近で
再会できた。
造りも色も変わっている花。 強烈な印象を残し、一度
見たら忘れられない。 名の由来は花被片の模様が同じ
名前の鳥(杜鵑、と書くそうです)の胸から腹にかけての
模様に似ているから、ホトトギスとなったそうな。
しかしネットで鳥のホトトギスの写真や絵を見ても、似て
いるようには見えないな〜。本当に鳥のホトトギス由来の
名前なのかな〜?(疑問)
山のやや湿った崖にも咲いていた。
ホトトギス
山地の崖などやや湿ったところに生える多年草。 茎は高さ0.4〜1.0mで、上向きの毛が密生する。 葉は互生し長さ8〜18cmで基部は茎を抱く。花は葉腋につき、長さ約2.5cm。北海道西南部、本州、四国、九州に分布。 花期は8〜9月。
花の造りが変わっているので、自分の勉強も
兼ねて各部の名称を写真に入れてみました。
花被片は内花被片3枚と外花被片3枚の6枚で、白地に紅紫色のにじんだような斑点模様が多数ある。 かなり派手で、送粉者であるハナマルバチに「ここにおいしい蜜がありまっせ〜!」と無言で呼びかけているのであろう。 花被片は斜め上に開き、ヤマジノホトトギスのように平開したり、ヤマホトトギスのように反り返ったりしない。 花柱は3裂して放射状に広がり、先端でさらに2裂し垂れ下がる。 3裂した上部には、小さな水滴のように見える腺毛状突起が密生する。 花糸は6本で紫斑があり、花の中心では花柱と密着し、上方に伸びたあと花柱と同様に中心から放射状に広がり、垂れ下がる。
花は4日間咲く。 前半は柱頭はあまり垂れ下がらず、背中に他の株の花粉をつけたハナマルバチが吸蜜に来ても、背中が柱頭に触れないので受粉しない。 これは自家受粉を防ぐ目的だろうか。 この時期を「雄性期」という。
後半は花柱が垂れ下がり、ハナマルバチの吸蜜活動で背中に付着した他の株の花粉が柱頭に接触し他家受粉し易くなる。 この時期を「雌性期」という。 花被片の根元付近に見える黄色い斑点は、ハチに蜜の場所を教える蜜標。
蜜は外花被片の根元にある距にある。 距が見える写真を下に貼ります。
蜜を求めてやって来たマルハナバチ。
ピンボケ写真になってしまった。
2010.10.26 掲載