茨城県のとある河川敷で、初めてヒメアマナを見ることができました。 写真で見るとキバナノアマナに似ているように見えますが、実物は全体が小さく、繊細な感じです。 というより「弱々しい感じ」と言ってしまった方が近いかも知れません。 もしキバナノアマナをご覧になったことがあれば、見誤ることはないと思います。
ただしキバナノアマナよりずっと数が少なく、環境省が絶滅危惧1B類(近い将来における絶滅の危険性が高い種)に指定しています。
上のような様子を見て「こんなにたくさんいるんだね」と思いました。 しかしもしかすると、この小さな自生地にいるヒメアマナが、日本全土のヒメアマナの総数のかなりの割合を占めている?可能性があります。
そう思う根拠は、環境省の調査結果。 2004年〜2006年頃のデータになりますが、『総計約500個体と推定。平均減少率は約30%。この規模の減少が続けば、20年後の個体数は250未満となる可能性がある』とあります。 数えたわけではありませんが、ここには数百個体はいそうに見えたので、逆に他の地域の個体数は相当に少ないのだろうと推測しました。
密生している場所は奥であったので、望遠レンズで撮影しました。 貴重な自生地、無闇に入り込む訳にはいきません。 既にあった踏跡を外さぬよう注意し、三脚の使用も控えました。
図鑑などでは「キバナノアマナより花数が少ない」と説明が
ありますが、あまり花数が多いキバナノアマナは見たことがあ
りません。 私たちには、ヒメアマナの方が花数が多いように
見えました。
大きさのイメージがつかみやすいと思い、手と一緒に
写してみました。軽く触れてみたら、「守ってあげなく
ちゃ!」と思わせる、か弱さを感じました。
図鑑などには『大小2片の葉状包葉が接して出て、その間に3〜4個の花を散形に開く』とありましたが、実物はもっと多くの花をつけていました。 上の写真では、咲いている花は6個で、蕾も3個見えます。
柱頭はわずかに裂けているようですが、拡大しても2裂して
いるのか3裂しているのかはわかりませんでした。 右側に立
っている緑色のものは、ちっこい方の包葉です。
ヒメアマナ
早春に日当たりのよい湿った草地などに生える多年草。 高さは10cm内外。 鱗茎は卵球形、径6mm内外で黒皮を被っている。 根から葉と茎を1本づつ出し、葉は広線形で長さ10〜20cm、径2mm。 内側が凹んだ半筒状で、緑色で柔軟。 茎の上部に大小2片の葉状包葉が接して出て、その間に3〜4個の花を散形に開く。 包葉は針状皮針形で尾状に尖り、葉と同質で、2片のうち外側が大きく、長さ5cm程度。 小包葉は非常に小さい。 花は黄色で直径約1cm、花柄は細く長さは約2cm。 花被6片は線状の楕円形で、先端は鈍形、長さ約8mm。 雄しべは6個で花被片の底部につき、それよりも短い。 キバナノアマナに比べて全体に小形で花数も少なく、また葉が粉白色を帯びることはない。 和名の由来はアマナに似るが小形であるため。
2012.04.09 掲載
ヒメアマナが掲載されたページ
Dairy-Hiroダス
ペン (火曜日, 10 4月 2012 23:56)
花付きのいいヒメアマナですね。今年は行き損なってしまいましたが、来年あたりは行ってみようと思います。今年は花が遅れ気味ですが、いよいよ春本番だと思うと嬉しくなります。
hanasanpo (水曜日, 11 4月 2012 00:23)
やっと春らしい日が多くなって来ましたね!先月後半までは花が少なく寂しい思いでしたが、ようやくシーズン到来の感がありますね。
ヒメアマナは初めて見たので花付きについてはキバナノアマナとの比較しかできなかったのですが、やはり今年は花付きがよかったのですね。
ペンさんのHPとブログのヒメアマナも拝見させていただきました。