薄いクリーム色というか、淡黄白色というか、そんな色の花です。花弁は5個で、先端が浅く裂け、それがアクセントになってかわいい感じです。別名をオトメソウと言いますが、花だけ見ていると納得できる可愛さです。
花弁の長さは10mm程度。葉に比べて小さいと言うべきか、花に比べて葉が大きいと言うべきか。根生葉は本当に大きいのです。
高さ40〜60cmの茎の先端に集散花序をつけ、総状に花を開きます。
大きくなる葉は、根生葉。茎葉はさほど大きくはなく、数個が互生します。
ここまで引いて見ると、根生葉の大きさがわかります。大きな葉の直径は30cmを超えている感じです。全体はほぼ円形で、浅く7〜13裂し、それぞれに更に浅く不規則な鋸歯があります。
近縁種に絶滅危惧種であるワタナベソウがいます。ワタナベソウの葉は、ヤツデを連想させるほど深裂するので、簡単にヤワタソウと区別できるようです。(ワタナベソウは紀伊半島、四国、九州に分布)
やや薄暗い斜面に、地面が見えにくいほど群生していました。
#6 茎の地面付近の様子です。左の太い方は根生葉の長い柄、中央は
花茎です。茎の色は赤褐色で、白い腺毛がたくさん生えています。
#7 花茎の中部付近です。赤褐色は薄くなり薄く緑色
がかっています。毛は下部よりかなり少なくなります。
#8 茎の上部は薄緑色になり、
上にいくほど毛はまばらにです。
葉の先端部分は鋭く尖っているのではなく、やや
黄色味を帯びた、丸っこい突起となっていました。
再び花に戻ります。アップで見てもかわいいですね。花弁には短腺毛が密生しています。このために少し離れて見るとマットな感じなのでしょうか。雄しべは10個、見えます。上からだと、葯が三角っぽく見えました。
今回、 檜原都民の森で、初めてヤワタソウを見ることができました。駐車場から歩いて5分の管理事務所で場所を聞き、さらに3分もかからず自生地に到着。こんなに楽ちんな花さんぽも、久しぶりでした。
同地のギンバイソウはまだ蕾で、開花まで少し間がありそうでした。
ヤワタソウ
本州中部地方以北に分布。山地の谷沿いの陰湿地に生える、高さ40〜60cmの多年草。花期は5〜7月。ワタナベソウとともに日本特産の2種だけのワタナベソウ属となる。
かのん (金曜日, 08 7月 2011 16:25)
ヤワタソウの葉って、大きいですね~
カニコウモリやヤグルマソウの葉みたいですね。
花は可愛いのに、葉が大きいのでちょっと残念かな^^
この花は一属二種ですが、一科一属一種ってどうですか?
シラネアオイとかトガクシショウマがそうだとか。
私はちょっと惹かれます^^
hanasanpo (金曜日, 08 7月 2011 22:17)
そうなんです、ヤワタソウの葉はとても大きく見えました。
私の小顔が2つは入りそうな。(ウソつけ!)
「大きな葉と長く真っ直ぐ伸びた茎、その先に小さな花」であることも、カニコウモリやヤグルマソウを連想させますね!
シラネアオイとトガクシショウマは、一属一種ですが、「一科」は入らなかなったような(^_^?)
おっと、シラネアオイをキンポウゲ科とせずシラネアオイ科とする考え方もあるので、そうすると一科一属一種ですね!
現状当サイト内では、ヤマトグサとレンプクソウが一科一属一種です。
でも、どちらも地味〜!
ということでトガクシショウマの写真を貼ろうと思ったのですが、大きめの写真にしたかったので画像掲示板の方に貼ります。気が向いたときにご覧下さいネ。
かのん (金曜日, 08 7月 2011 23:12)
>ヤマトグサとレンプクソウが一科一属一種です。
そうなんですか~
ほんとどちらも小さいですよね。
今トガクシショウマの写真見てきました。
ほっそりしたシラネアオイみたいですね。
一度見てみたいです^^
Ken (木曜日, 02 5月 2019 01:08)
2019年5月2日現在、ヤマトグサはアカネ科アカネ亜科、レンプクソウはガマズミ科に分類されています。ヤマトグサ科とレンプクソウ科は、なくなりました。