愛知県の山奥で初めてトウノウネコノメに出会うことができました。
長らくコガネネコノメソウと混同されてきたそうですが、1999年に
新品種として認められたそうです。
山地の沢沿いに生える多年草です。 高さは3〜10cm。 茎は紫褐
色で、白っぽい軟毛が生えていました。
花弁はありません。 花弁のように見える4個の萼片の中に
しべが収まっています。
コガネネコノメソウとの一番の識別点は、雄しべが萼片より
長く、明確に突き出すことです。 コガネネコノメソウは雄し
べが萼片の中に収まり、突き出すことはありません(一番下に
写真を掲載しました)。
東濃とは、岐阜県南東部の地域を指し、美濃東部の意味だそうです。
トウノウネコノメの分布は、岐阜県、愛知県と京都府の一部に限られ
ます。この花を見るためには、少し遠出しなければなりませんでした。
尚、京都府のものは萼片の裏に毛が生えるなどの相違点があり、変
種のヤマシロネコノメとして区別されているそうです。
地域や時期、個体により色合いが異なるようです。 ここで見る
ことができた花は、コガネネコノメソウと見間違えることはないと
思われるほど、黄緑色に寄っていました。 包葉に近い色でした。
時期が若干遅かったことも影響しているかも知れません。
たくさん群れていると特にかわいいですね!
花の直径は約3.5mm、4個の萼片は直立し、無毛です。
雄しべは、図鑑では6〜8個とありますが、注目した花は
すべて8個でした。 葯は黄色。
図鑑には「茎葉は対生する」とあったのでわかり易い
写真を探したのですが、うまく撮れた写真がありません
でした。 上の写真でわかるでしょうか...
茎葉が互生しているように見える個体もいました。
コガネネコノメソウの花を上から見ると、ビシッと
四角形ですが、トウノウネコノメは丸みを帯びています。
多くは包葉に目立った毛はありませんでしたが、中
には上のように鋭く尖った毛を有する個体がいました。
ご参考まで、コガネネコノメソウの写真も
掲載します。雄しべは萼片からつき出しません。
トウノウネコノメの情報を提供下さった、岐阜県のOさんに感謝いたします。
204.05.09 掲載