房総半島南部と伊豆諸島に分布する多年草です。 渓流沿いの湿った崖などに生えます。 花期は10〜1月(房総半島では10月上旬〜11月中旬)と、この仲間の中では遅く咲き出します。 茎や葉の毛が多く、花柄にも長い腺毛が生えることが特徴。 ダイモンジソウの変種です。 和名は、伊豆諸島に自生することに因んでいます。
まだ蕾の状態の株も多くありました。 花は盛りはこれから、という
感じでした。 葉は厚く、腎円形で、基部は心形。 縁は浅く裂け、
表面には毛が生えます。
花はダイモンジソウにとても似ています。 純白の5花弁があり、上側に3弁、下側に2弁つきます。 上側3弁は長卵形で、この部分が披針形であるダイモンジソウよりも、丸みを帯びています。 基部には短い爪があります。
下側2弁は線状楕円形で、上側3弁より明確に長くなります。 上側3弁はほぼ均等な大きさですが、下側2弁は左右どちらかが長くなることが多く、不揃いです。
雄しべは10個で、観察した時点の葯は、薄いみかん色。 長さは上側3花弁よりやや短い。 子房上位で、花の中央の黄色の目立つ部分は、花盤です。 その中心から2個の柱頭が突き出しますが、正面からの写真ではよく見えません。
イズノシマダイモンジソウの茎は淡緑色で、やや褐色が入ったり、わずかに紫色が入る色合いが多いように見えましが、そのような中で、とても赤味の強い個体がありました。 赤味が強いというより「紅色の茎」と表現することが正確です。 花茎と花柄は明るい紅色で、葉柄も赤みがかっていました。 花は咲き始めでしたが、多くの花が咲けば、茎の色とのコントラストが美しいに違いないと思いました。
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*1 日本の野生植物 草本 Ⅱ 離弁花類
平凡社 1982年3月31日 初版第3刷 p.172
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2017.05.26 掲載
ゆき (水曜日, 21 6月 2017 16:43)
こんにちは、hiroさん、Kenさん、イズノシマ大文字草の写真ありがとうございます。ふと自生地が、気になって、君津の山奥のやまみち沿いのイズノシマ大文字草を観察に、いってきました、砂岩の壁面に、シダや岩タバコなどと、群生してました、沢蟹も、いて、静かな場所でした。小さなイズノシマ大文字草の葉は、みずみずしく、赤色の綺麗な茎とのバランスが、美しいですね。お話しの中でも、茎の部分も、印象的でした。
Ken (木曜日, 22 6月 2017 01:27)
ゆきさん、こんばんは。いつもご訪問をありがとうございます。 今回ゆきさんが行かれた場所は、きっとすごく近いところのような気がします。 しかし、私たちが観察した場所は、群生しているというほどには、数が多くなかったと思います。 千葉県には、まだまだ多くの自然が残されていて、素晴らしいですね!