ルリソウを初めて見ることができたのは、2010年5月9日、場所は福島県にて。 そのときは花はベストでしたが、果実を見るには、時期が早すぎました。 2016年5月29日、同じ場所でようやく果実を見ることができました。
ルリソウの仲間の植物は似たものが多いのですが、ルリソウはその分果に特徴的な刺があるので、これをぜひとも確認しておきたかったのです。
ルリソウの分果には刺状の突起があり、近縁種との識別ポイントになります。
初めてルリソウに出会えたのは、2010年5月、福島県でした。
それから5年を経て、今回長野県で再会することができました。
標高1000メートルを少し超えた場所。 落ち葉が積もる
斜面に咲いていました。 小雨がちらつく天候で、カメラを
濡らさぬよう、注意が必要でした。
なかなか立ち姿のよい株が揃っていました。
上は、図鑑の「花序は頂生し、2分岐する」という解説にピッタリの株です。 要するに「茎のてっぺんに花序がついて、その根本は二股に別れますよ」ということですが、いくつものの株を見ていると、必ずしもそうはなっていません。 分岐していなかったり、分岐が不明瞭な株も多く見つかります。 花序が2分岐することを、ルリソウと識別する決め手とはしない方がよさそうです。
茎にはまばらに開出毛が生えます。 小花柄や萼には、茎よりも密に毛が生えます。
ルリソウの一番の魅力は、なんといってもこの美しい瑠璃色ですよね。
落ちた花があったので、手に乗せてよ〜く見てみた。
中心部の白い突起は、図鑑では「花弁の付属体」と解説されている部分です。 花弁1個につき2個の小突起があるので、全部で10個の小突起があります。 さらにこれらの小突起をよ〜く見ると、表面が滑らかではなく、微細なブツブツ... つまり「極小突起」の集まりになっているように見えました。
ところでこの「付属体」は、外見からではどう見ても花冠と連続しており、別モノではないように見えます。 やはり付属体ではなく「副花冠」と呼んだ方が相応しい気がするのですが。
それよりも「おっ!」と思ったのは、花弁の基部の、隣の花弁との間にわずかに隙間(?)が空いて、そこに白っぽく非常に微細な毛が密生しているように見えるのです。 本種は合弁花なのですが(だから5弁まとまって花が落ちている)、隣り合う花弁との境界部に不思議な部分があった訳です。
こういう部分は、何と呼ぶのでしょうね? 図鑑には記載が無いようです。 気になる〜! どなたか、顕微鏡で撮影した写真を送ってくれませんでしょうか? あるいは、部位の名称をご教授いただけませんでしょうか?
裏返して見た、花の背面です。 背面は色が薄いですね。
2016.01.26 掲載
ロイコ (水曜日, 22 5月 2019 18:56)
はじめまして。ようやくルリ草の分果を確認して、ルリ草だと確認できました。宮城の県道脇標高100メートル、水の流れ落ちる、明るい日差しの射し込む林の中に沢山咲いていました。
10年前、偶然踏み込んで美しいるり色の花を数株見つけました。盗掘されてもう絶えて無いものと思っていました。感動ものです。ほたるかずらはいつもの場所に咲いていました。今年は雨量少ないせいか、ギンランの成長悪く数も少ないように思います。読み返しては写真を見るのですが、ササバとの区別よくわかりません。獣道に咲くのは日差しが必要だからでしょうか。ヒメギフチョウ卵も孵化して幼虫になりましたが、ウスバサイシンなのかトウゴクなのか?のままです。
HiroKen (水曜日, 22 5月 2019 21:00)
ロイコさん、初めまして。コメントをありがとうございます。
ルリソウが咲く林が目に浮かぶようです。きっと気持ちの良い林なのでしょうね!
残って咲いていてくれて、よかったですね。分果の情報がお役に立ってよかったです。 今年は冬場に雨が極端に少なかったのと、つい先日まで寒い日が多かったので、多くの植物が例年とは違う時期に花を咲かせていますし、数を減らしたりしているようですね。
ギンランとササバギンランは、よく苞の長さで識別すると言われますが、識別しにくい個体も少なからずあります。しかし花の形状を観察すると、距の形状でほぼ確実に識別できます。当サイトのクゲヌマランのページの比較写真が一番わかり易いと思うので、覗いてみて下さい。
ウスバサイシンとトウゴクサイシンは似ているので識別しにくいですね。しかしウスバサイシンは本州中西部、トウゴクサイシンは関東北部と東北一円に分布するとされていますので、分布域からある程度推測できるかも知れませんね。