9月23日に初めてこの場所を訪れたときは、ツメレンゲの数の多さに大変驚きました。 なかなか見ることができない植物なのに、市街地でも条件が良いと、こんなにもたくさん増えるのですね〜。 やはり同じ属のイワレンゲに似ています。
しかしその時は、花を観察するには時期が早過ぎました。 気の早い花がわずか数個だけ開花している状態でした。 ぜひ見頃の時期に再訪したい!と思いましたが、それはいつ頃になるのか? 自宅から近いと言える距離ではないので、気軽に何度も訪問する訳にもいかず... 次に訪れるときも賭けだな、と思ったのです。
私たちがまだ蕾の状態のツメレンゲを撮影していると、通りがかったご夫婦が声をかけてくれました。 後で知りましたが、すぐ近所にお住まいのHさんご夫妻でした。 ツメレンゲはあまりにも身近な植物なので、特段気にはされてはいなかったそうです。 私たちはこの植物を見るために東京からやって来たことや、これほど多くが市街地にまとまって生えているのは非常に珍しく、貴重であることなどをお話ししました。 そして初対面なのに、厚かましくも、花が咲いたら連絡を下さいとお願いしたのです。
こういったことは忘れ去られてしまうことも多いですが、Hさんはしっかり覚えていて下さり、約1ヶ月後に、花が咲いて見頃になったことをメールで知らせてくれたのです。 地元の方のホットな情報以上に信頼性が高く、ありがたいものはありません。 週末にさっそく出かけ、今回の姿を見ることができました。わがままな要求に応えて下さったHさんご夫妻の善意に、心より感謝します。
ツメレンゲには、いろいろな昆虫が集まっていました。
少しだけ紹介します。 まずは、クロツバメシジミ。
シジミチョウの仲間で、ツメレンゲを食草とする蝶です。
ツメレンゲ
山地や海岸の岩の上や、屋根瓦の間などに生える多年草。葉はロゼット状につき、赤みを帯びたり粉白を帯びることが多く、多肉質。形状は披針形で、先端は針状にとがる。和名はこれを動物の爪にたとえたものといわれる。
ロゼット状の葉の中心から花茎が伸び、白い小さな花を密につける。花は花茎の下から上に開花する。花弁は5個、雄しべは10本、雌しべは5本で、花粉を出す前の葯は紅色。花弁の先端はとがる。花が咲くと、その株は枯れるが、根元付近に新しい株ができていることが多い。本州の関東地方以西、四国、九州に分布するが、瓦屋根の家屋の減少などで生育地は減っている。花期は10〜11月。
2011.10.27 掲載
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