深山の木陰の湿った場所を好む多年草です。 茎は1本で枝を出さず、高さは10〜25cm。 特徴的な草姿のため、見分けることは容易です(#1)。 とても繊細で上品な印象の花です。
根生葉は2-3回3出羽状複葉で、小葉は深く切れ込みます(#2,#3)。
花序の下に茎葉を1個、つけます。 普通は単羽状
複葉で、羽片は細い線形で全縁です(#4)。
写真#5,#6のように、茎葉が線形とならず、
根生葉に似た羽状複葉になることもあります。
茎の頂部に複散形花序を1つ、つけます。 散形花序のようにも見えますが、糸のように細い花柄の先に、ごく小さな小散形花序が1〜3個、普通2個の花をつけるので、複散形花序です。
写真#7は写真#1と同じ個体ですが、いろいろな角度から見て数えた結果、花柄は22本見えたので、花は44個ほどつけていることになります。 ただし、小散形花序の頂点の2個の花が同じように咲いている例は少なく、開花している花の横の花はまだつぼみか、あるいは終わってしまった状態でした。 このことから2個の花は少し時間差をおいて開花するものと思われます。
花は5〜6月に咲きます。 花も小さいですが萼片も非常に小さく、#8でもほとんど見えないほどです。 花弁は5個あり、卵形で白色です。 花はセントウソウに似ていますが、属のレベルで異なる植物です。
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日本の野生植物 草本2 離弁花類 平凡社 1982年3月31日 初版第3刷 p.282
山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花 山と渓谷社 2013年3月30日 初版第1刷 p.466
Plants Index Japan(捕れたてトットコム) イワセントウソウ
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2018.03.16 掲載
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