丸っこい形の花と葉が可愛らしいスミレです。 青森県から
屋久島まで分布。 太平洋側の内陸部に多い。 ここでは半日
陰の崩れやすそうな斜面に咲いていました。
以前は毛が多いものをケマルバスミレ、毛が少ないものをそ
の変種としてマルバスミレとしていたようですが、ほとんど毛
があるので現在は区別せず「マルバスミレ=ケマルバスミレ」
となっているそうです。
高さは5〜10cmほど。 葉は「丸葉」という名が
つけられるほどには丸くないな、と思いました。
花は純白で、清楚な感じ。 各花弁の基部はわずかに
黄緑色がかっていました。 長さ10〜14mm。 唇弁と
側弁の中央から基部にかけて、細い濃紫色の条が入りま
す。 側弁の基部に毛が生えているものはヒゲケマルバ
スミレと呼ばれるそうです。 名前に「髭」だの「毛」
だのつきますが、特に「毛深い植物」という印象はなく、
むしろ毛が少ないと感じました。
★上の写真はマウスでポインターを重ねると拡大写真に
切り替わります。 ヒゲケマルバスミレと呼んでよい個
体であるとわかります。
距は上に反り上がるようになり、淡紫色の斑点が入ります。
萼片は中央部に筋状に毛が生えていました。 萼片の付属体
には欠刻があり、こちらは縁に毛が生えていました。
表裏が一度に見える、観察に都合がよい葉が見つかりま
した。 左が表面、右が裏面です。 卵円形で、花の時期
は縦、横とも2〜4cmほど。 夏には7〜8cmと大きくなる
そうです。 基部は心形。表面は緑色で、わずかに毛があ
りました。 裏面は淡緑色で、脈上に毛が生えていました。
葉柄にもたくさん毛があります。
たくさん咲いているほど、見栄えがしますね。
2013.05.21 掲載