一目見て「なんですか、この花は〜? 変な顔!」と思って
しまいました(小諸市のみなさん、ゴメンナサイ!)。 とて
も奇妙に感じたのは、スミレの花は左右相称(そうしょう)
花、つまり左右対称なのに、八重咲きであったからです。
キク科などの放射相称花(花の作りの相称面が3個以上ある
花)の花の八重咲き・多重咲きは、特段珍しくはありません。
たとえばキンポウゲ科のウマノアシガタやセツブンソウ、リ
ンドウ科のアケボノソウなどは、比較的簡単に多重咲きの花
を見つけることができます(本ページの下で紹介)。
八重桜もそうですね。 園芸品種では、八重咲きは花は豪
華に見えるのでもてはやされ、多くの品種が作り出されてい
るようです。 しかしこれらはいずれも放射相称花であって、
左右相称花の八重咲きは、今回初めて見た気がします。
コモロスミレは、「スミレ」の一品種です。 今回は小諸市の
海應院という発見地のお寺で観察しました。 時期が悪かったの
か、個体数は少なかったです。 15株あったかどうかで、「これ
だけ?」と思いました。
スミレの花弁は2個の上弁、2個の側弁、そして1個の唇弁から
成ってわかり易いのですが、コモロスミレの花はどれがどれやら?
よくわからないのです。 本当に不思議なスミレです。
柱頭はカマキリの頭形。 側弁と思える
花弁の基部に毛が生えていました。
柱頭の様子が少し変わっている個体もありました。
萼や距の様子。 距の大きさには個体差がありました。
上の個体は観察した中では距が大きい方です。 白色で、
中央縦に紫色の条が走っていました。
距が小さい個体は... 見えないほど小さいです!
この写真ではまったく距が見えません。
葉はへら形で斜め上に伸びます。
基部は緩い心形で、葉柄には翼があります。
とても変わっている、コモロスミレ。 一度見たら忘れられません。 花の季節に小諸市近辺に行かれたら、ぜひ立ち寄ってご覧になるとよいと思います。
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コモロスミレの開花情報がわかるかも!
ご参考:放射相称花の多重咲きの例
2013.05.20 掲載
2018.04.17 自生地の海應院さんのFacebookへのリンクを追加。
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