アツバスミレはスミレの海岸型変種です。 アナマスミレが日本海側に咲くのに対して、アツバスミレは太平洋側に分布します(千葉県〜鹿児島県、伊豆七島、小笠原諸島)。
海岸型らしく、葉は厚くしっかりしていて、光沢があります。 さじ型〜へら型で鋸歯は浅く、全縁に近い個体もありました。 花の側弁には概ね白い毛が生えていましたが、無毛に近い個体も観察できました。 毛が多い個体は側弁の基部から1/3〜1/2近くまで毛がありました。
まさかこんな場所で撮影することになるとは思っていませんでした。 海岸・砂浜ではまったく見つけることができず、100mほど内陸の住宅地の端、しかもコンクリートの隙間に咲いていました。
アツバスミレは園芸品として流通もしていると聞きます。 今回見ることができたものはそれらが逃げ出したものではないとは断言できませんが、分布域内でもあり、おそらく野生種であろうと感じました。
海岸近くの道路の歩道上のコンクリートとアスファルトの隙間に根を張っていました。 点々と十数株が直線上に並んでいました。 今回は20株以上見ることができましたが、すべて他の植物が生えるのが困難に思える場所にいました。 ライバルが少ないので、このような場所を好むのでしょうか?
2012.04.18 掲載 04.27 写真追加
アツバスミレ
太平洋側の分布する、スミレの海岸型。千葉県〜鹿児島県に分布。伊豆七島や小笠原諸島でも見られる。高さは8〜15cm。葉は厚くて光沢があり、砂浜に生えたものは卵形で鋸歯も少なく全縁に近く、やぶに生えたものの葉はへら型と変化がある。
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