アズマシライトソウ
東白糸草 シュロソウ科 シライトソウ属
Chionographis japonica var. hisauchiana
日本固有種 絶滅危惧ll類(VU : Vulnerable)
ようやくこの花に出会うことができました。 朝のためか
薄暗く、やや湿った林下に、白い不思議な花を咲かせていま
した。 花には失礼ですが、「毛が抜けたブラシみたい...」と
思ってしまいました。 登山道入り口から近い場所で出会う
ことができたのは幸運でした。
根元の葉は長さ4~7cmの長楕円形。 先はややとがり、
ロゼット状に根生します。 葉柄にご注目↓
葉の下半分あたりから葉柄にかけて、縁に細かな波状鋸歯が
あります。 基本種のシライトソウにはないそうです。
↑ゴメンナサイ、これは誤りでした。 2014年に
見ることができたシライトソウの葉柄も、同様に波打っていた
のです。 図鑑にアズマシライトソウの特徴であるかのように
書かれていたので、シライトソウにはないと思ってしまったの
です。(2014.10.04 訂正)
花弁は茎頂部が密で、下ほど疎になります。
花の密度は変わりますが、大きさは上部・
下部であまり変わらないように見えます。
花柱は浅く3裂します。
本当に変わった花ですね。 花柄はなく、花茎から直接
花被片が出ています。 花被片は線状で白色、6個あり、
先端が耳かきのようにやや太くなります。 上側4個は下側
の2個より長く、長さ3.0~5.0mm、幅0.5mm。下側2個
はその1/3ほどの長さです。
正常な雄しべと雌しべを備えた両性花を咲かせる個体と、
雄しべが退化して雌花だけを生ずる個体があるそうです。
正常な雄しべは長さ1.5〜2.0mm。 上の写真の花は6個
の雄しべが2mmほどの長さがあるようなので、両性花だと
思います。
アズマシライトソウ
本州関東地方の限定された地域の林床に生育する多年草。シライトソウの変種として扱われる。基本種のシライトソウは上側の花被片がさらに長く、しばしば10mmを超えるのに対し、本種は3〜5mmしかない。
2012.06.02 掲載
2013.10.08 APG分類体系準拠に伴い、ユリ科からシュロソウ科に変更
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Dairy-Hiroダス