ミズネコノオ

 

水猫の尾 シソ科 ミズネコノオ属

Pogostemon stellatus 準絶滅危惧(NT)

ミズネコノオ (水猫の尾) シソ科 ミズネコノオ属  2011.09.10 東京都葛飾区
ミズネコノオ (水猫の尾) シソ科 ミズネコノオ属  2011.09.10 東京都葛飾区

 

 新しい花に出会えました。 ミズネコノオという名前ですが、子猫のシッポを連想させるようなかわいらしい花でした。 

 

 「◯◯トラノオ(虎の尾)」の名のつく植物はいくつか見たことがあります。アブクマトラノオ、イブキトラノオ、オカトラノオ、ヌマトラノオ、ノジトラノオにハルトラノオ... しかし「ネコノオ(猫の尾)」が名につく植物は初めて見ました。 穂状花序の形から「トラノオ」をつけたいところが、あまりにちっこくてかわいいので「ネコノオ」になったようです。

 


 高知県では水田の雑草になるほどドッサリ生えることがあると知りました(流れ星さんのサイト参照)。 しかし他の地域では、見ることが非常に困難であることも珍しくないようです。 ここ東京都でも、この場所意外の自生の情報は得られませんでした。 近隣の関東圏に範囲を広げても明確な自生地情報は見つけられませんでした。

 

 

 自生と言っても今や手厚く保護されているので、「元自生」と言うべきかも知れませんが。 更に言えば、「手厚く保護」されているようではありますが、私たちが来る2週間前に草刈りで刈られてしまったそうです。 今回見ることができたのは、生き残った株がなんとか花をつけた状態のものだったようです。 管理の方は「草刈りは業者がやるから...」とおっしゃっていましたが「都内で唯一、貴重な自生地!」というのなら、草刈りするときにもう少し工夫できないものかな?と思ってしまいました。

 

 

 1年草であるため生育状態は不安定で、適度な攪乱を加えないと、植生の遷移により消滅してしまうことがあるそうです。 もしかすると草刈りも環境を攪乱させるために、あえて他の植物と共に刈っているのかも知れません。(本当かな?)

 

 

ミズネコノオ

 

本州以西の水田や低湿地に生育する柔らかい1年草。茎は高さ15〜50cmで、途中から多数の枝を出す。葉は無柄、3〜6個が輪生し、線形で鋭頭または鈍頭で鋸歯はない。茎と枝の先に長さ2〜5cm、直径4〜5mmの穂状花序をつける。花序には直径2mmほどで白色または淡紅色の花が密につく。

花期は8〜10月。

 

2011.09.22 掲載