ユキワリイチゲ

 

雪割一華 キンポウゲ科 イチリンソウ属

Anemone keiskeana

日本固有種

ユキワリイチゲ (雪割一華)  2014.03.22 滋賀県甲賀市
 ユキワリイチゲ (雪割一華)  2014.03.22 滋賀県甲賀市

 

 関東地方では見ることができない花。 自生地はやや遠いの

ですが...  一念発起し、1都5県をまたいで会いに行きました!

 

ユキワリイチゲの群生。 こんなにたくさんいました
 ユキワリイチゲの群生。 こんなにたくさんいいました

 

 杉林に囲まれた神社の境内。 裏手の川に面した林の縁に、

見事な群生がありました。 ネットで調べたところ、神社の

宮司さんのお話として経緯が紹介されていました。  10年ほ

ど前に神社の方がササ刈りしたところ、ユキワリイチゲが生

えていることを発見し、毎年林内の管理を続けていたら、今

のような大群生になったとのこと。

  

 植栽されたものではないようですが、人の手が入っている

場所です。 2週間前にここを訪れた岐阜県の花友さんは、

「野性味に欠ける」とおっしゃっていました。 現地に来て

確かにそうだと思いましたが、遠い場所なので、確実に見る

ことができそうな、この場所を選んだのです。

 

ユキワリイチゲ
 すべて閉じてしまっています。 気が早い子はいないんかい?

 

 葉はマットな深い緑色でやや褐色を帯び、白っぽい班があり

ます。 葉は秋に出て冬を越しますが、渋い色合いがいい感じ

です。 根出葉は3全裂し、小葉は無柄で、鋸歯があります。

 

 それにしても、花はみな閉じてしまっています。 この花が

開花した状態を見るためには、お日様の協力が必要なのです。

到着する少し前は空には厚い雲がかかり、小雨もパラつく最悪

の状態。 現地に着いてからは、雲間から時折陽が差すように

なりましたが、まだまだ日照が足りないのでしょう。 しばら

く待つことにしました。

 

 

 3月頃、雑木林や竹林の林縁や林床に生えます。 花茎は

15〜30cmほどで、茎頂部に1つ花をつけます。 茎葉は

3個が輪生し、無柄で欠刻します。 アズマイチゲキクザ

キイチゲ・イチリンソウなど、見覚えのある他のキンポウゲ

科イチリンソウ属の植物とは、まったく違う形や色合いの葉

が印象的でした。

 

ユキワリイチゲ  やっと半開状態になった花が数個見つかりました
 やっと半開状態になった花が数個見つかりました

 

 雲が流れ、時折数分間日が差し込むような天候。 2時間

粘りましたが、大きな変化は見られませんでした。 どうも

今日は元気に開花した状態を見ることはできないようです。

残念ですが、自然が相手なので仕方ない。

 

 それでも、片手で数えられるほどの数の花が半開状態にな

ってくれ、全開状態を想像することができました。

 

ユキワリイチゲ

 

 花弁はなく、花弁に見える部分は萼片です。 淡い紫

色です。 萼片の数は12〜22個。 上の写真の花は22

個でした。 葉の裏側は暗い紅紫色です。

 

ユキワリイチゲ

 

 雄しべは10〜14個あります。 地下茎で増えるので、

一つの群生は同じ遺伝子を持ち、結実しません。 他の

群生の花と交配すれば、楕円形で6mmほどの痩果を結実

します。  初夏には地上部は枯れて姿を消す、スプリング

エフェメラルです。

 

 あ〜全開した大きな花を見たかったナ〜!

 

 

2014.03.30 掲載

 

コメント: 2 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    マツミヤ カツユキ (土曜日, 05 12月 2015 19:04)

    私の家にも、30年経った、ユキワリイチゲ、が1メートル平方の場所に、始め数株を、園芸雑誌の、譲りますで数株を、家の、北側に、植えたものが、数ひゃく株になり、一月には咲き始めます、千葉辺りだと、生き延びている事は、聞きません、大事に育てている、ニリンソウ、共に元気しています。

  • #2

    HiroKen (月曜日, 07 12月 2015 17:26)

    申し訳ありませんが、当ホームページのテーマに「野山に自然に咲く花のページ」と掲げておりますように、私たちは人が植えた花や、園芸は、まったく興味の対象外でして...
    このページの花は、現在保護はされているものの、元々この地に自生していたものと聞いております。