◀ 前ページ  次ページ ▶

ニリンソウ

3. ニリンソウの花

 

#14 ニリンソウの花 2010.03.13 東京都八王子市
#14 ニリンソウの花   2010.03.13 東京都八王子市

 

 ニリンソウの花の直径は、1.5〜2.5cm(*1.*4)。 花弁はなく、白色の花弁に見える部分は、萼片です。 萼片が花弁の役割を担っています。 萼片は倒卵形〜楕円形で、数は普通は5個ですが変化があり、6〜7個のことも珍しくはありません。 萼片の裏面は淡紅紫色を帯びることがあり、まばらに微毛が生えています。

 

 ニリンソウの花は両性花。 中央に雌しべを9個前後、その周囲に多数の雄しべをつけます(*2,*3)。 外周部の葯は裂開し白色の花粉が出ていました。 雌しべの柱頭は淡黄色で、やや膨らみます。

 

 ところで「多数」って、何個だ?と思い、試しに#14の花で雄しべを数えてみたら、ちょうど50個ありました。

 

#15 萼片の裏面が淡紅紫色を帯びることも少なくありません。2007.03.11東京都八王子市
#15 萼片の裏面が淡紅紫色を帯びることも少なくありません
#16 萼片の紅紫色はツボミのときに色が濃いように思います。 萼片裏面の微毛も見えます
#16 萼片の紅紫色はツボミのときに色が濃いように思います。 萼片裏面の微毛も見えます
#17 萼片が4個の花
#17 萼片が4個の花
#18 萼片が6個の花
#18 萼片が6個の花

 

 萼片の数がふつうは5個であることは上で述べましたが、変異もあります。

 

#17:萼片が4個の花です。「花の向こう側に1片隠れて見えないだけでは?」と思われるかも知れませんが、間違いなく4個です。 別角度から撮影した証拠写真もあるのですが、ピンボケなので掲載はやめておきます。 萼片4個の花は、稀な部類に入ると思います。(撮影:2006.04.15 東京都小平市 alt=80m)

 

#18:萼片が6個の花は、ごくふつうに見られます。 少し大きな群生があったら、簡単に見つかる可能性が高いです。(撮影:2005.04.10 栃木県栃木市 alt=90m)

 

#19 萼片が7個の花
#19 萼片が7個の花
#20 萼片が8個の花(中央の花)
#20 萼片が8個の花(中央の花)

 

#19:萼片が7個の花も、稀ではありません。 注意して観察すれば、見つかる可能性は高いと思います。 ここでは周辺の個体も7個の萼片を持つ花が多かったです。(撮影:2011.05.08 茨城県つくば市)

 

#20:萼片が8個の花は、さすがになかなか目にすることがありません。 しかし萼片が多い分、花が大きく見えて目立つので、萼片が4個の花や、ミドリニリンソウよりは見つけやすいかも知れません。(撮影:2010.03.22 東京都八王子市)

 

 ちなみに#14で萼片5個の花の雄しべの数を数えたら50個あったので「もしかすると萼片1個あたり雄しべ10個?」と思い、萼片7個と8個の花の雄しべを数えてみましたが、40〜50個ほどでした。 萼片の数と雄しべの数に相関はなさそうです。

 

 萼片の数になぜ変異があるのか?は、わかりません。 ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示お願いいたします。

 

参考:萼片が10個のニリンソウ 

 

 次のページでは、ニリンソウのある部位が、なぜか図鑑で解説されていない点について述べています。

 

4. なぜ図鑑は解説しない? 次のページ>>

 
         ページ:  1      2      3      4    
 

※ 本ページへのコメントは、最終ページのコメント欄にお願いいたします。