ニリンソウの花の直径は、1.5〜2.5cm(*1.*4)。 花弁はなく、白色の花弁に見える部分は、萼片です。 萼片が花弁の役割を担っています。 萼片は倒卵形〜楕円形で、数は普通は5個ですが変化があり、6〜7個のことも珍しくはありません。 萼片の裏面は淡紅紫色を帯びることがあり、まばらに微毛が生えています。
ニリンソウの花は両性花。 中央に雌しべを9個前後、その周囲に多数の雄しべをつけます(*2,*3)。 外周部の葯は裂開し白色の花粉が出ていました。 雌しべの柱頭は淡黄色で、やや膨らみます。
ところで「多数」って、何個だ?と思い、試しに#14の花で雄しべを数えてみたら、ちょうど50個ありました。
萼片の数がふつうは5個であることは上で述べましたが、変異もあります。
#17:萼片が4個の花です。「花の向こう側に1片隠れて見えないだけでは?」と思われるかも知れませんが、間違いなく4個です。 別角度から撮影した証拠写真もあるのですが、ピンボケなので掲載はやめておきます。 萼片4個の花は、稀な部類に入ると思います。(撮影:2006.04.15 東京都小平市 alt=80m)
#18:萼片が6個の花は、ごくふつうに見られます。 少し大きな群生があったら、簡単に見つかる可能性が高いです。(撮影:2005.04.10 栃木県栃木市 alt=90m)
#19:萼片が7個の花も、稀ではありません。 注意して観察すれば、見つかる可能性は高いと思います。 ここでは周辺の個体も7個の萼片を持つ花が多かったです。(撮影:2011.05.08 茨城県つくば市)
#20:萼片が8個の花は、さすがになかなか目にすることがありません。 しかし萼片が多い分、花が大きく見えて目立つので、萼片が4個の花や、ミドリニリンソウよりは見つけやすいかも知れません。(撮影:2010.03.22 東京都八王子市)
ちなみに#14で萼片5個の花の雄しべの数を数えたら50個あったので「もしかすると萼片1個あたり雄しべ10個?」と思い、萼片7個と8個の花の雄しべを数えてみましたが、40〜50個ほどでした。 萼片の数と雄しべの数に相関はなさそうです。
萼片の数になぜ変異があるのか?は、わかりません。 ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示お願いいたします。
次のページでは、ニリンソウのある部位が、なぜか図鑑で解説されていない点について述べています。
4. なぜ図鑑は解説しない? 次のページ>>
※ 本ページへのコメントは、最終ページのコメント欄にお願いいたします。