数年来、今頃の時期に新潟県に通い、ミスミソウ(オオミスミソウ)は
たっぷり見ましたが、スハマソウと思える花は見たことがありませんでし
た(混じって咲いていた可能性はありますが)。 今回ネットの情報など
を頼りに房総半島を訪れ、運良くスハマちゃんに出会うことができました。
ミスミソウと同様、萼片の形状や数の変異が多い花でした。 上の写真で
はほとんどが6個の萼を持っていますが、中央下の花は8個あります。
図鑑には「花色は太平洋側は白色が多く、日本海側はさま
ざまな花色や大型のものが見られる」とありましたが、その
通りで、ほとんどが白色の花がでした。 数は少ないですが、
淡い赤紫色を帯びた花も見られました(下の写真)。
花散策の人は訪れそうもない場所で、それどころかハイカー
などもいなく、山を独占した感じでした。 そのおかげでとて
も静かな環境で、ゆったり落ち着いて花を観察することができ
ました。 天候にも恵まれ、風もなく暖かい。 極楽花さんぽ
でした。
和名は、葉先が丸く、海辺の州(弧状になった砂浜)の形に似ている
ことに由来するそうです。 また、よく似たミスミソウとの見分け方は、
葉の形にあるようです。 ミスミソウの葉は先端がとがりますが、スハ
マソウはとがらず丸っこいそうです。 上の写真では確かに浅裂した葉
の先端部は丸く、ごく小さな突起のようなものが見えるだけです。 こ
の葉では縁にまばらに白い毛が見えますが、葉の表面には毛がありませ
ん。 毛があるものはケスハマソウとして区別されます。
上は昨年岐阜県で見ることができたミスミソウの葉です。 大きさの
目安がつくよう、指を写し込んでいます。 スハマソウと比べると葉の
先端はずいぶんとがっていますね。 こんなにハッキリしていたら見分
けることは難しくなさそうですが、実際には中間形も多く、判別しにく
いことも少なくないようです。
雄しべ、雌しべは多数です。
この花に花弁はありません。花弁に見える白い
萼片のすぐ下に、萼片に見える暗緑色の茎葉が
3個輪生しています(ややこしいですね)。
茎には白い開出毛が生えています。
スハマソウ (洲浜草)
山地の樹林内に生える常緑の多年草。 花茎は高さ10〜15cm。 葉は根生し、長柄があり葉身は3浅裂する。 基部は唇形、光沢はなく全縁。 花は茎頂に1個つき、直径1.0〜1.5cm、花弁状の萼片は6〜10個で線状披針形〜長楕円形と変化が多い。 花色も白色から淡紅紫色、紅紫色、青紫色など多彩。 茎や葉に長白毛がある。 萼片のすぐ下には萼に見える茎葉が3個つく。
2011.03.09 掲載
2016.02.13 属名をミスミソウ属からスハマソウ属に変更
ゆき (土曜日, 21 3月 2015 22:30)
はじめまして、管理者さま、わかりやすい、ご説明ありがとうございます、千葉県在住で、私も、フィールドワークに、スハマ草を見に行きます♪自然の中で、見る植物良いものです。
hanasanpo (日曜日, 22 3月 2015 00:49)
ゆきさん、初めまして。
花は、自然に咲いている姿が一番美しいですね。
今年もスハマソウを見に行きたかったのですが、残念ながら車の調子が悪く、断念しました。
千葉県には見たい花がたくさんいますので、これからもお邪魔します。
ゆき (木曜日, 26 3月 2015 19:01)
こんばんは.hanasanpoさん、ありがとうございます、ちばのお花を紹介して、くださり、嬉しいです。ひとしれず、咲く、可憐な、お花が、すきです、お写真を拝見して、憧れのお花も、素敵な写真ですね。
hanasanpo (木曜日, 26 3月 2015 21:53)
その通りですね。
人知れず咲く小さな花が、実はよく見ると、とんでもなく美しい花だったりします。
そんな花との出会を楽しみにしています。
千葉県の真ん中あたりのお山や、半島の先端付近や、東の方の湿原など、
今年も訪れたいと思います。
房総いちこ (木曜日, 20 2月 2020 10:08)
こんにちはー
いつも大変お世話になっています。
花の気持ちがよく伝わってくる画像は嬉しいものです。
昨日、2月19日(君津市)にスハマソウを見に行きました。
昨年は3月初旬・・・今年は少し早いかもでしたが!
あちこちに白、ピンクと笑顔をみせてくれました。
もう時期、ショウジョウバカマも千葉県ではシロバナショウジョウバカマ
と言う説もありますが、ツクシショウジョウバカマかなと!
清楚で他県の種ほど派手さはありませんが清楚で大好きです。
HiroKen (金曜日, 21 2月 2020)
房総いちこさん、こんにちは。
スハマソウ、咲き出したのですね。ネットで見ていると、セツブンソウやミスミソウなども、今年は花の開花が早いようですね。
ショウジョウバカマとシロバナショウジョウバカマ(ショウジョウバカマの白花ではなく)は、葉の鋸歯の有無で見分けられるようです。
ツクシショウジョウバカマは九州にのみ分布するとされているので、千葉県で見つかったら、大発見ですね!