2014年春、とうとうこの花を見ることができました! 内心
見ることが叶わない花かもと思っていたので、本当に感激でした。
滋賀県の深山の渓流いに咲いていました。 HiroKen花さんぽ史
上、最西端の地です。
もし自生地の詳細な情報を教えてもらえたとしても、私たちだ
けではたどり着けなかったでしょう。 昨年の台風で登山道が崩
れ、迂回路は私たちには険しく、困難な距離であったからです。
今回、岐阜県の花友のOさんに、私たちでもなんとかついて行
くことができる,特別なルートを案内していただけたという幸運
があり、この花との初対面を果たせたのです。 Oさん、どうも
ありがとうございました!
とても品が良い黄色で、なんとも美しい花です。 時期的にもベス
トな状態でした。 ワッセワッセと歩いて訪れた甲斐がありました。
美しさとともに、その大きさに驚きました。 草丈は20〜50cmほど
あり、シロカネソウ属の中では圧倒的に大きく、大変見応えがありま
した。 背が低くまだ花茎を伸ばしていない若い株も多くありました。
ブナ林もある樹林帯、急峻な渓流沿いの垂直に
近い岩場。苔蒸したような場所に咲いていました。
たくさん咲いていてくれて、本当に嬉しくなりました。 まだ
呼吸も整わない中、しばし撮影も忘れて見入ってしまいました。
図鑑には「茎の中部の茎葉は互生、上部の葉は対生する」と
ありますが、どの葉がどれやら、よくわかりません。 みんな
対生しているように見えました。 茎葉は3全裂し、その裂片
は菱型のような卵形で、不揃いな鈍い鋸歯があります。
花は上向き〜横向きについていました。 花の直径は、図鑑
「平凡社 日本の野生植物」では7〜8mm、「山渓 山に咲く花」
では10mmとありますが、実際に見るともっと大きく、少なく
とも15mmほどはあるように見えました。 見たことのあるシ
ロカネソウ属の中では、特に大きな花を咲かせます。
黄色い花弁に見える部分は実は萼片で5個あり、平開近くまで開い
ていました。 花弁はみかん色の部分で、お椀を扁平に押し潰した
ような形をしています。 雄しべは多数(30個以上)で、花糸は萼片
と近い黄色で線形、葯は白色でした。
オレンジ色の花弁の縁の部分は滑らかではなく、細かい
切れ込みが入っていました。 これは現地で肉眼ではまっ
たく見えず、後で写真を見て気付きました。
花弁の先端は、つぼまるようにやや内側に巻き込んでいました。
花弁の形状がよく見える写真をもう1枚。
萼片の裏側には、紫褐色の条がありました。 いつも参考にさ
せていただいているいがりさんのサイトでは「萼片の裏側には条
はない」と書かれているので、不思議です。 個体差なのか、地
域差なのか?(同じ滋賀県での観察のようですが...)
果実は袋果(たいか)で、まだ若く、2個がくっついて
いました。 花後には平開し「鯖の尾」を連想させる形に
なるのだと思います。
2014年の最も印象に残る花さんぽの
一つになることは、間違いありません。
2014.06.13 掲載
-
#1
キバナサバノオ、素晴らしい!良い花ですね。
-
#2
本当に素晴らしい花だと思います。深山の限られた場所にしか咲かないので、気軽に見ることができないことが残念です。
peko(saga) (月曜日, 16 6月 2014 06:53)
おはようございます。
花弁が開花している様子を、見事にとらえてあり、感激ものです。
今度シロカネソウ属にあったとき、きちんと確認してみることにします。
花丈は、どのくらいあるのでしょうね。
後ほど、検索してみることにします。
hanasanpo (月曜日, 16 6月 2014)
pekoさん、ありがとうございます。
シロガネソウの仲間を観察する時は、ルーペがあるといいですね。
草丈は20〜50cmほどでしたが、花を咲かせている株は30〜40cm程度が多かった気がします。