今年(2013年)に見たい花の一つに、ウスギオウレンが
ありました。 自宅からはやや遠い場所ですが、Hiroの事前
リサーチのお陰で、まったく迷わずに自生地にたどり着くこ
とができました!
まだ所々に残雪が残る杉林の下に咲き出していました。 やや日当たりがよい場所にもいましたが、多くは薄暗い林下の、苔が生えている場所にいました。 そのような場所は雪が溶けたばかりで、かなり湿気っていました。 まだ蕾も多くあり、フレッシュな花を見るにはよい時期でした。
和名のウスギは花色の薄黄色が色が由来のようですが、多くの花は淡黄緑色に見えました。 ざっと見渡した感じでは、9割方が淡黄緑色のように見えました。 残り1割はいろいろな色があり、ほぼ白色のもの、やや赤味がかったもの、そして「薄黄」と言うに相応しい色がありました。(個人の感想です)
この「淡黄緑色」がなんとも魅了される色なのです。
他のオウレン属とはちょっと違うゾ、と思いました。
左下には開花して間もない、若い花たちがいます。
セリバオウレンの変種とされています。 セリバオウレンの
根出葉は2回3出複葉ですが、ウスギオウレンは3回3出複葉です
(コセリバオウレンと同じ)。 ただし、1回と2回の葉も見ら
れるようなので、葉だけでは識別はできません。 根出葉につ
いては後で少し詳しく述べます。
花の様子もセリバオウレンとは違います。 色が違う他に、
ウスギオウレンの萼片は花弁に対して長いのと、ややよじれる
というか、波打つようになるという特徴があります。 比較の
ため下にセリバオウレンの写真を1枚載せました。 上のウス
ギオウレンと見比べると、やはり明確に違いますね。
こちらもご参考に▶セリバオウレン
ウスギオウレンと比べると、セリバオウレンの萼片は
短いですね〜。 蛇足ですが、オウレン属は花弁から蜜
を分泌します。 上のセリバオウレンもおそらく蜜なの
でしょう、花弁が濡れたようになっています。見えにく
かったら、クリックして拡大してみてください。
上の2枚は、ほぼ白色に近い個体です。 苔に覆われた
岩の上にいました。 花色の差は、土壌成分の差に因る
ものなのか? などと思ったりしますが、私のようなシ
ロウトには詳しいことはわかりません。
赤味が強い個体です。後方の淡黄緑色の個体と
比べると、色味の違いがよくわかります。
赤味が強い個体のアップ。
これはこれできれい。
「淡黄色」と言ってもよさそうな個体。
花の横顔です。 紫色が入った葯がきれいです。
葯の色も、個体により差がありました。
花の下に先端が糸のように細く3裂した、苞のよ
うなものが見えるでしょうか? これは退化して
苞状になった茎葉です。 オウレン属では、茎葉は
このように苞状になるか、現れないそうです。
ウスギオウレンの根出葉は、コセリバオウレンと同じく
3回3出複葉です。 小葉は卵形、3出〜3出羽状に中裂し、
裂片には不揃いな鋭い鋸歯か、欠刻状鋸歯があります。
上の右の写真にマウスオーバー(スマホはタップ)して
みて下さい。 「3回3出複葉」をわかり易く説明しよう
としたのですが、あまりわかり易くなりませんでした!
でもせっかく作ったので載せます! 上の方にも書きまし
たが、ウスギオウレンは1〜2回3出複葉もあるようです。
上は2回3出複葉のウスギオウレンの葉です。
比較用に2回3出複葉が普通である、セリバオ
ウレンの根出葉も下に載せます。
2013.03.24 掲載
ウスギオウレンが掲載されたページ
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