トリカブト属は変異が多く、亜種や変種も多く、同定は本当に難しいです。 細部まで観察しても自信が持てないことが常です。 しかしこの花は伊吹山の山頂付近に群れていたので、イブキトリカブトとして問題ないのではと思います...。
(本当かな?) 上の写真では、茎頂部の花は終わり、果実になっています。
草原ではこのように茎が直立します。 林縁などでは斜上し、大型になるそうです。 花は上から咲きます。 この株は茎頂部が咲き始めたところで、茎の中ほどから下部にかけて蕾も見えます。 手前(写真下側)には、茎頂もまだ蕾の状態の株が見えます。
和名の由来は、花が古来の衣装である鳥兜・烏帽子に似ているからとも、鶏の鶏冠(とさか)に似ているからとも言われるそうです。 花弁に見える青紫色の部分は、萼片です。 萼片が上部の兜、側部、下部を作っています。 花弁は兜の中に隠れていて見えません。 写真では雄しべだけが顔を覗かせています。
こんなに美しい色をした花ですが... トリカブトの仲間は、言わずと知れた有毒植物です。 アコニチンなどのアルカロイドが全草に含まれています(特に根)。 猛毒で、山菜と間違えて食べて死亡した例があります。 毒成分は経皮吸収・経粘膜吸収もされるので、触れることも避けたほうがよさそうですね。
イブキトリカブト
ヤマトリカブト群のうち近畿地方の日本海側山地に分布する種。 茎は高さ0.25〜1.8m、斜上または直立する。 葉は5中裂〜浅裂し、長さ・幅とも5〜15cm。 花は長さ3〜4cmで、散房花序または円錐花序につき、上から順に咲く。 花期は8〜11月。(山渓「山に咲く花」)
2011.02.16 掲載
あひる (土曜日, 19 2月 2011 23:15)
お久しぶりです。
トリカブト、きれいですね。
ほんと、伊吹山、それも山頂付近に、
ハクサントリカブトが生えていたら、ややこしくて仕方ないでしょうね^m^
昔、一度だけ、奈良方面の遠足で、トリカブトを見ました。
中学の頃ですが、きれいな紫に、見とれたのを覚えています。
ちょうど、学校から狂言の「附子」を観に行ったあとで、
今で言う、共時性というものかもしれませんね。
次に出会えるのはいつかなぁ。
hanasanpo (日曜日, 20 2月 2011 13:09)
あひるさん、いらっしゃい。
「...ハクサントリカブトが生えていたら、...」はドキッとしました。
トリカブトの同定には本当に悩まされます。同じ地域に2〜3種いることも珍しくないので、このページのイブキトリカブトも100%の自信はありません。
狂言の「附子」を観たあとにトリカブトと出会うなんて、これはもう滅多に起こらない偶然と言えますね!
おっしゃる通り、きっとSynchronicityだったのでしょう。
トリカブトの仲間はけっこう分布が広いので、夏から秋にかけて山を歩けば、きっとご覧になることができると思いますよ。