アズマシロカネソウ

 

東白銀草 キンポウゲ科 シロカネソウ属

Dichocarpum nipponicum

日本固有種

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

 花期は5月〜6月とされていますが、1ヶ月ほど早く開花を見る

ことができたのは、標高が低い場所だったからかも知れません。

本州の秋田県から福井県までの日本海側に分布します。 観察し

たのは新潟県なので、分布域から見ても間違いないと思います。

 

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

 湿り気のある林内や沢の縁に生える、高さ10〜25cmの多年草です。

根生葉については図鑑により解説が異なり、「無い」とするものと

「無いか、あっても1個」とするものがありました。 私たちが観察し

たときは... そこまで注意を払いませんでした(^^;)。

 

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

茎葉は、平面的に展開します。 真横から見るとこのような感じです。

 

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

 茎葉のつき方についても図鑑により解説が異なりました。

「対生する」としたものと、「下部の茎葉はややずれてつき、

上部の茎葉は対生する」としたものがありました。 残念な

がら「ややずれてついた」下部の茎葉の付け根がわかる写真

がありませんでした。

 

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

 上から見ると小葉の形がよくわかりますね。 茎葉は

1回3出複葉で、側裂片は更に分裂します。  小葉は倒卵

形で基部はくさび形、円頭の鈍い鋸歯があります。

 

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

 花は横〜斜め下向きに咲きます。 花弁に見える部分は、実は

萼片です。 淡黄色で5弁あります。 その萼片の外側に紫褐色

の班が入るのが特長で、この花のアクセントにもなっています。

上側の萼片1個のみが先端まで紫褐色で、他の4個は先端までは

色が入りません。

 

 不思議なのは、開花前の蕾の状態では、他の萼片も先端まで着

色しているのです。 しかし、開花した花はいずれも上側1個の

萼片のみが、先端まで着色。 蕾から開花する過程で、班が変化

するのでしょうか?

 

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

 上の写真の下側の花はまだ蕾。 複数の萼片が、先端まで

紫褐色に着色しています。 しかし開花した上側の花は、上

部の萼片のみが先端まで紫褐色。 不思議です。 やはり色

の入り方が変わるのかな〜?

 

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

上から見下すと、花の後ろ側も見えます。

 

アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市
 アズマシロカネソウ  2009.04.11 新潟県長岡市

 

 これで開ききった状態です。 全開はしないようです。

直径は7〜10mm。 花弁は橙色の部分で、変形し蜜弁に

なっているそうです。 5弁あり、舷部は内曲するので先

端は見えません。

 

 写真ではよく見えませんが、柱頭は2個あり、雄しべは

10個以上あります。

 

 

2014.04.10 掲載