昨年(2009年)の今頃、ソナレセンブリを見に下
田市に行った。 イソギクは、その時初めて見る
ことができた。 植物が生育するには厳しい環境と
思われる、海岸の乾燥した岩場などに咲く。
高さ20〜40cm。茎はやや斜めに立ち
上がり、上部まで葉を密につける。
葉は厚く、表面はやや暗い緑色。腺点がある。 裏面には
細かな毛が密生し、白銀色。 この毛が葉の縁まで回り
込んで生えるので、表から見ると葉が白く縁どられている
ように見え、これがとても印象的。 裏面が白いのは、
地面からの照り返しの熱線を吸収せずに、反射するため
ではないだろうか?
葉は倒卵形〜倒披針形で、縁は浅く切れ込む。 頭花は
舌状花がなく、黄色い筒状花のみ。 茎頂部に密集して
多数つき、なかなかかわいい。 もし「キク科の花なのに
何か変わっているな?」という印象を持たれたとしたら、
それは舌状花がないためかも知れません。
若い株の上部の葉には、縁に切れ込みがほとんどなかった。
成長に伴い切れ込みができていくようだ。葉の表面に白く
小さな点が多数見えるが、これが腺点かな?
頭花のアップ。 直径は5〜6mm。
傾斜のある岩場では株状になるが、平坦地
では地下茎によってこのように広がる。
イソギク
千葉県の犬吠埼から静岡県の御前崎の間の海岸、
および伊豆諸島に分布する多年草。
2010.11.11 掲載