山地の樹林化のやや湿った場所に生える、高さ15〜25cmほどの多年草です。
かつては、ウマノスズクサ科ウスバサイシン属のウスバサイシンとされていました。 ウスバサイシン属は新しい系統分類学的研究から、フタバアオイ属などともにカンアオイ属にまとめられることが多くなったそうなので、本サイトもそれに従っています。 属の下の節まで書くと、本種はウスバサイシン節になります。
2007年には、従来4分類群とされていたウスバサイシン節に、本種を含む3新種(イヅモサイシン、トウゴクサイシン、ミクニサイシン)が発表されました。 計7種となりますが、これらはほぼ異所的に分布し、本種は関東北部と東北一円に分布するとされています。
このように本種はこの記事を書いている2015年のわずか8年前に発表された新種なので、所有する図鑑には載ってなく、ネット上の情報を参考にさせていただきました(末尾に記載)。
多くのカンアオイ属カンアオイ節の植物は常緑ですが、ウスバサイシン節の本種は常緑ではなく、秋に落葉します。
地面に接した茎の先から、長い柄がある葉を2個出します。
まるで対生しているように見えますが、対生ではないようです。
葉はハート形で基部は深い心形、先端は尖ります。
葉は薄く、触ると裏面が少しザラつく感じでした。
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萼筒は丸っこい壺形で、直径1.0〜1.5cm程度でした。
やや細長い萼筒の花もありました。
萼裂片は縁が反り返りますが、先端はまるで
つまんだように尖っているのが印象的でした。
萼筒口は大きく、萼裂片も含めた直径の半分以上ありました。 内部中心付近に赤紫色の6個の花柱が見えます。 その周りに12個の雄しべがあります。
参考にさせていただいた外部サイト(2015.08.23最終閲覧)
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日本産カンアオイ属ウスバサイシン節の分類学的研究
(リンク先が削除されてしまいました)
2015.11.15 掲載
2020.05.15 落葉することの記述を追加。