2010年に岐阜県の花友さんにイワザクラを案内していただきました。そのときに奥美濃の山中で見ることができた、トクワカソウです。 目にしたときはイワウチワだと思ってしまいましたが、花友さんからトクワカソウであると教わりました。 少し離れた岩場の上に咲いていて、望遠レンズでの撮影が主体となりました。
こんな感じの、ゴツゴツした岩の上にいました。 岩場の
下は小さな谷のようになっていて、簡単には近づけません。
イワウチワと同様、とても可愛らしい花です。
トクワカソウは広義のイワウチワの一変種です。
分類の仕方には諸説あるようですが、本サイトで
は、平凡社の「日本の野生植物」などに従い、他
の説も参考にして区別することにしました。 イワ
ウチワのページにも載せた変種の識別ポイントの
表をここでも掲載します。
イワウチワ・トクワカソウ・オオイワウチワの相違点
和名 |
種内分類群名 variant |
葉の特徴 | 分布 |
イワウチワ(狭義) (別名コイワウチワ、 カントウイワウチワ) |
kantoensis |
基部は深く心形。 葉の長さより幅が広い。
長さ1.8~3.5、幅2~4cm 葉脈が目立つ。 |
宮城県〜東京都の 太平洋側の山地 |
トクワカソウ |
orbicularis |
直径2.5〜3.0cm。 基部は円形~くさび形、 時にわずかに心形。 |
北陸〜近畿地方 |
uniflora |
直径3〜8cm。 葉の長さと幅はほぼ同長。 基部は心形。 |
秋田県〜新潟県の 日本海側の山地 |
花は他の変種とそっくりです。 花の詳細については、
イワウチワのページをご覧下さい。
変種を見分けるポイントは葉になります。 図鑑には
トクワカソウの葉の基部(葉柄との接続部分)の形状は
「円形〜くさび形、時にわずかに心形」とありますが、
上の写真ではどうでしょう?
見る人により意見が分かれそうですが、私は「わずか
に心形」かなと思いました。 「心形の度合い」はイワ
ウチワより明らかに浅いように見えます。
また、イワウチワの葉は「長さ<幅」(縦長)である
のに対して上のトクワカソウの葉は「長さ>幅」(横長)
です。 下の写真で示した葉の縦横比は、一例であり、
実際にはさまざまな比率が存します。
さらに詳しく葉を見てみます。 下の写真にマウス(
ポインター)を重ねてみて下さい(スマホはタップ)、
葉の特徴が図示されます。
トクワカソウの葉
これは別の個体の葉です。 基部は心形ではなく、
円形か「緩いくさび形」と言った方がよさそうです。
葉には光沢があり、縁に鈍い鋸歯があります。鋸歯
の先端部には赤みがかった、ポチッとした突起があ
ります。鋸歯の様子や数はイワウチワとよく似てい
ます。
葉の縦横比は、この葉では「長さ≒幅」に見えま
す。 葉脈が浮き出てやや目立ちますが、イワウチ
ワのように白っぽく目立つことはありませんでした。
この点はイワウチワと大きく違うと思いました。
葉の先端部がやや扁平になっているのは、イワウチ
ワと同じです。
ここでイワウチワの葉と見比べたいと思われたか
も知れませんね。 そこで下にイワウチワの葉の写
真を持って来ました。 やはりずいぶん様子が違い
ますね。(これもオンマウス/タップして下さい)
イワウチワの葉
イワウチワ、トクワカソウと続いたので、
次はオオイワウチワのページを作って締め
括りたいと思っています。
2013.04.18 掲載
harumi (土曜日, 18 10月 2014 23:08)
fukuikennto sigakenn zakaino akasakayamade tokuwakasouno namaeo
siri hajimetekiku namaede sirabetatokoro kidennno monoga itibannwakariyasuku totemo bennkyouni narimasita arigatougozaimasita
hanasanpo (日曜日, 19 10月 2014 04:41)
harumiさん、コメントをありがとうございます。
お役に立てて幸いです。
ゆき (日曜日, 13 12月 2015 21:20)
こんばんは、HIROさん、kenさん、写真ありがとうございます、イワウチワ、トクワカソウ、オオイワウチワとの相違点も、じっくり拝見しました、トクワカソウ、断崖絶壁に、着生してれる、お花なんですね、優しいピンク色のお花も、魅力的ですね。葉っぱの形状や葉脈の入りかたや自生の住み分けも、あるのですね、とっても、勉強に、なります。ありがとうございます。
HiroKenのKen (月曜日, 14 12月 2015 08:07)
ゆきさん、いつもご覧いただきありがとうございます。
3種はとてもよく似ているのですが、よく見るとそれぞれに特徴があることがわかります。ただ、変異もあるので分布域が重なる地域では、どちらか判別しにくい場合もあるでしょうね。
ゆき (月曜日, 14 12月 2015 19:16)
こんばんは、HIROさん、kenさん、ありがとうございます、細部に、いたるまで、美しい写真で、わかりやすいです、それぞれの株の変異とお花の美しさも、自然の調和ですね、早春の他の植物よりも、いち早く、咲く姿も、いいですね。
HiroKenのKen (火曜日, 15 12月 2015 00:34)
ありがとうございます。この仲間は、花の形がかわいいですよね。そして、色も良い。白や、ごく淡いピンク色が、早春の清らかな空気にもピッタリ合います。