6月19-21日 みちのく花さんぽ (後編)
6/21(月) 福島市の公園、いわき市の山と海岸
− 福島市 川沿いの自然公園 −
葉緑素を持たない腐性ラン。 葉もない(薄い破片のようなものは残っている)。 高さ60~100cm。 ナラタケ菌という菌と共生している。 オニノヤガラが発芽すると、ナラタケ菌は菌糸を伸ばして、オニノヤガラの組織内へ入り込んでくる。 オニノヤガラは菌糸から栄養もらい、根はジャガイモより大きな塊に生長し、そこに蓄えた養分で一気に花茎を伸ばす。
花は黄褐色で、3枚の萼片が合着し、壷状になる。 その中に2枚の側花弁と細かく裂けた唇弁がある。 よく見るとおちょぼ口でなかなか可愛い花である。
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サイハイラン(采配蘭)もたくさん咲いていた。 サイハイラン>を初めて見れたのは2006年の新潟だった。 初めてだったのでとても感激したのを覚えている。 その後は目が慣れたのか、毎年あちこちで目にするようになり、特に珍しいランであるとは思わなくなった。
しかしこの公園の群生は見事だった。 春に訪れた時に多くの葉を確認していたが、これだけたくさん花が咲くとすごい。 下のビデオでは最後の方に黄色いサイハイランの一群も見える。
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で、第一目的の<トケンランは? はやる気持ちを抑え以前教えていただいた場所に行くと... ガ〜ン!花が終わっていた〜! みんな果実になってしまっていた...
公園の管理事務所の方に尋ねると、今年のトケンランは咲き始めが遅かったのに、咲いたらあっと言う間に終わってしまったとのことだ。 ランは花期が長いのできっと見ることができると思っていたのでガッカリだが、仕方がない。 きっと今年の天候不順の影響もあるのだろう。 気を取り直して次の目的地である、いわき市の山に向かうことにした。
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− いわき市の山 −
切り株に生えているキノコを見つけた。
ヤマブシタケという種類だろうか?
最近は東京のスーパーなどでも見かける
ことがあるが食したことはない。
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春には葉だけだった、アオフタバランに花芽が出ていた! この花も咲いている姿は見たことがない。見たいよ〜! しかし気になることがあった。 春には50以上の株を数えたのに、今回は15程度しか確認できなかった。 大雨で流されてしまったのだろうか?
− いわき市の海岸 −
2泊3日の花さんぽも、いよいよ最終ステージへ。 ヒトツボクロの咲く山を一気に下り、いわき市の海岸に来た。 目的は、ハマカキラン。 海岸沿いのクロマツの下に生えるという。 駐車場に車を停めさっそく探索開始!
海岸で出逢った花たち
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ハマカキランを求めて、クロマツの林に入る。 海岸沿いに広大に広がるこのクロマツ林の、いったいどこにいるのだろう... と思っていたら、あっけなくすぐに見つかった。 樹木がやや疎な明るい場所にいた。 しかし...時期が早過ぎた! まだ蕾だった〜!
残念ながら花を見ることはできなかったが、ハマカキランの咲く場所は確認できた。緑色をして形はカキランに似た花だという。 次回どこかで見るのが楽しみだ。
標高1758mの蔵王連峰は刈田岳の頂上から、海抜0メートルのいわき市の海岸へ。 今回は水平方向の移動距離も大きかったが、垂直方向の移動もあった。 ピンポイントで花の咲く場所を求めて文字通り山、川、海と走り回った。 連日の雨の予報にも関わらず花を見ている時にはほとんど雨に降られることはなく、運も味方してくれた。見ることができなかった花もあるが、思わずして出逢えた花もあった。 情報を提供してくれた方たちに感謝! とても楽しい花さんぽでした。