8月17日 檜原都民の森
都民の森入口のストリートビュー。 右上の✕印をクリックすると、地図表示に切り替わります。
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ギンバイソウというまだ見ぬ花が、檜原都民の森に咲いているらしい! という情報をHiroが入手し、奥多摩に向かいました。 檜原都民の森は、奥多摩湖の南側、直線距離で約4km南に位置します。 三頭山の東斜面の森林を利用した、山岳公園です(駐車場・入場 無料)。
朝から天候が怪しかったのですが、案の定、現地に着いたらシトシト雨が降って来ました。 おまけに、やけに蒸し暑い。 しかし、ここまで来て引き返すワケにはいきません。 さっそくトレッキングシューズに履き替え、レインウエアを着込み、撮影用の傘も持って、花探索にレッツゴー!
勇んで歩き出してすぐ、散策路脇で見慣れない花を見つけました。 もしかして、これがギンバイソウ?その通りでした。 しかし残念、時期が遅く、花は終わって蕚片だけになっていました。 あと10日ほどは早く訪れなければならなかったようです。 でも、先端が二つに避けた特徴的な葉は観察できました。
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センニンソウは半木本性の常緑蔓植物です。 花弁に見えるのは、蕚片。 有毒のため「ウマクワズ」というストレートな別名があります。 良く似たボタンヅルは、葉に鋸歯がありますが、本種は全縁なので識別できます。
ダイコンソウの花は、中心部の緑色の部分に多数の雌しべがあります。 受粉すると雌しべが伸び、先端が小さなS字のようになります。 果実が熟すと、S字部の先端が取れ、逆さのJの字のようになり「ひっつき虫」となります。
あっけなく目的のギンバイソウに出逢えたのですが、時期が遅すぎて花が見れず、気持ちが収まりません。 他に何かいないかと、遊歩道を散策することにしました。
シトシト降っていた雨が、だんだん強くなってきました。
気温はさほど高く感じないのに蒸し暑く、なんとHiroのカメラにトラブルが! レンズの内側が結露し、使用不能になってしまいました。 こんなことは初めてです。
う〜ん、どうするか?
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しばし考えて対策を思いつきました。 カメラの電源を入れ、無操作で電源が切れないようにスライドショーのループ再生に設定し、乾いたハンカチでカメラを包んでしばらく放置したのです。 液晶のバックライトや回路を動作させ続けてカメラ内部の温度上昇を促し、結露を消すという作戦です。 これは見事に思惑が当たり、しばらくして結露は消えました。 トラブル発生時は、臨機応変な対応が大事ですね。
レンゲショウマは、日本特産の1属1種の花。 この近辺では御岳山が
有名ですが、ここにも少しいました。 時期は少し遅かったようです。
落ちてしまった花がありました。大人の
指の大きさと比べると、こんなものです。
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オヤマボクチか? ハバヤマボクチか? どちらの可能性
もありますが、下部の葉の形などから本種としました。
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ソバナは珍しい花ではありませんが、山で
出逢うとつい撮影してしまう花の一つです。
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山腹の遊歩道でふと足下を見るとコレがいた。
びっくりして思わず「なんじゃこりゃあぁ!」
と叫びます。 帰って調べたら、本種でした。
花は終わり、果実になっています。 希少種の
ようです。
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管理事務所の方が「変わった植物がいるよ」と教えてくれた場所(施設外)に行ったら、暗い林下に突然コレが現れた。 思わず「なんじゃこりゃあぁ!」と叫びます。 本日2回目です。 なんで森の中にソーセージが!?
ラン科の菌従属栄養植物、ツチアケビの果実でした。 葉緑素がなく光合成を行わず、養分を菌に依存しているそうです。 花も見たことが無いのですが、ユニークな形をしているらしいです。 それにも増してユニークなのが果実です。 こんなものは他に類を見ないのではないでしょうか?
目的の花は時期が遅く、出会えた花の種類も少なく、カメラのトラブルもあったのですが、果実とはいえキバナノショウキランとツチアケビという、希少種を見ることができたので、今日の花さんぽも満足でした!
2015.06.13 掲載
( 当時のレポートを基に作成し直しました )