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 6月7日-8日    初夏の野反湖 その1       1/3

サンカヨウ (山荷葉) メギ科 サンカヨウ属  2008.06.08 群馬県 野反湖
サンカヨウ (山荷葉) メギ科 サンカヨウ属  2008.06.08 群馬県 野反湖

 

 さあ、天空の湖・花の野反湖のハイシーズン到来です! 6月といえば、まずサンカヨウ。 2006年に野反峠休憩舎の中村一雄さんの案内で、初めて見ることができました。 国道からやや大きめの沢に下ってから、背丈ほどもあるササをかき分けながら急傾斜を登ります。 すると小さな沢が現れ、少し開けた場所に出ます。 サンカヨウはそこに群生しています。 国道から近いですが、案内してもらわなければ、見つけるのは難しいでしょう。

 

サンカヨウ  この写真のみ2006.06.10撮影 群馬県 野反湖
サンカヨウ  この写真のみ2006.06.10撮影 群馬県 野反湖

 

 その2006年に撮影した1枚が、上の写真です。 当時この写真を六合村(くにむら)の「宿・くじら屋」さんのご主人にお見せしたところ大変気に入ってくれ、そこから写真展開催の話しが始まりました。 この写真は写真展に出展したのはもちろん、今でもくじら屋さんの大広間に飾られています。 また会社の同じ部の女性のパソコンの壁紙にも使われていて、毎日目にします。 我が家では場所がなく飾っていませんが、とても気に入っている1枚です。

 

 2007年は野反湖にとんでもなく強烈なヒョウが降り、植物たちが大きな被害を受けました。 30分で大粒のヒョウが15cmも積もるような降り方であったそうです。 サンカヨウは花を咲かせる直前、柔らかい葉を大きく展開したときであったので、酷いダメージを受けました(詳しくは、「花さんぽ2007 6月16-17日 初夏の野反湖(その1)」参照)。

 

 そして1年後の今年。 サンカヨウたちは、見事に復活を遂げていました。 2006年の初対面のときより全体的に威勢が良くないのは、昨年のヒョウのダメージのためでしょう。 それでも元気に咲く姿を見せてくれて、本当によかったです。

 

サンカヨウ  2008.06.08 群馬県 野反湖
サンカヨウ  2008.06.08 群馬県 野反湖
サンカヨウ  2008.06.08 群馬県 野反湖
サンカヨウ  2008.06.08 群馬県 野反湖

 

 今回、ぜひ試したいことがありました。 ある本で、まるで磨りガラスのように半透明に透き通った、美しいサンカヨウの花の写真があったのです。 ネットで調べたら、雨に濡れるとそのようになるらしい。 そこで今回は「霧吹き」を持ち込んで、沢の水を吹きかけてみました。 その結果が、上の2枚の写真です。

 

 どう見ても磨りガラスには見えません! それどころか濡れそぼって、しんなりした姿になってしまいました。 なんでだろう? 中村一雄さんいわく、磨りガラスのように見えるのは濡れたからではなく、逆光気味に写すとそう見えることもあるのではないか?と。 それを確かめるという、楽しみな課題ができました。

 

サンカヨウが咲く小さな沢
サンカヨウが咲く小さな沢
葉を展開する前のサンカヨウの幼体。ツボミも見えます
葉を展開する前のサンカヨウの幼体。

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オトメエンゴサク (乙女延胡索) ケシ科 
オトメエンゴサク (乙女延胡索) ケシ科 
オトメエンゴサク
オトメエンゴサク

 

サンカヨウがいた場所の近くの沢では、オトメエンゴサクが咲いていました。(註)

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ヤマトユキザサ (大和雪笹) キジカクシ科(左)とエンレイソウ (延齢草) シュロソウ科(右)
ヤマトユキザサ (大和雪笹) キジカクシ科(左)とエンレイソウ (延齢草) シュロソウ科(右)

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 バンガローサイトにいた、ヤマトユキザサ(左)とエンレイソウ(右)。 バンガローサイトは、よくササ刈りされているせいか、植物の種類が多いのです。 両種とも旧分類体系では、ユリ科に分類されていましたが、APG分類体系では、それぞれキジカクシ科シュロソウ科に分類されています。 見つけた当時はヤマトユキザサではなくヒロハユキザサと思っていましたが、後日ヤマトユキザサと判明しました。

 

ヤマトユキザサはまだツボミ
ヤマトユキザサはまだツボミ
エンレイソウは終わりかけでした
エンレイソウは終わりかけでした

ミネカエデ (峰楓) カエデ科
ミネカエデ (峰楓) カエデ科

 ミネカエデの花も第1キャンプ場で見つけました。初対面です。黄色い小さな、可愛い花をつける落葉低木です。

コヨウラクツツジ (小瓔珞躑躅) ツツジ科
コヨウラクツツジ (小瓔珞躑躅) ツツジ科

 コヨウラクツツジも第1キャンプ場で初対面。とても小さな、可愛い花を咲かせる落葉低木です。 右端の花でわかりますが、外側は濃い紅赤色で、内側は色が薄く黄色っぽい。


 

註)近年の研究により、2009年にエゾエンゴサクの学名が変更されました。 従来のエゾエンゴサク(Corydalis ambigua Cham. et Schltdl.)は国内に分布してなく、北海道に分布するものは Corydalis fumariifolia Maxim. subsp. azurea Lidén et Zetterlund とされました。 本州に分布するものは、従来北海道に分布するものと同じとされていましたが、これも別種であることが判明し、学名は Corydalis fukuharae Lidén となり、オトメエンゴサクの和名が与えられました。

当サイト内のエゾエンゴサクとしていた植物は、すべて本州で撮影したものなので、上記の変更に従い、すべてオトメエンゴサクに名称変更しました。  2018.03.21

 

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