6月21-22日 初夏の野反湖 その2! 1/2
6月13日の金曜日、野反湖休憩舎のNさんからすごいメールが届きました。 Nさんは「野反湖の主」とも言える、野反湖のことなら歴史から植物から登山コースまでなんでも知っている方なのです。 驚いたのは同封されていた写真です。 とんでもない数のイチヨウランが! 私たちにとってはたとえ1株だけでも出会えたら大感激の花なのに、イチヨウランが「林立」しているのです! 発見者のNさんも驚かれたようです。
週末はさっそく野反湖にレッツゴー! ...といきたかったのですが、先に「福島県に初花さんぽ!」の計画を立ててしまっていたのでやむなく延期。 1週間ガマンし翌週末、ワクワクしつつも「まだ咲いているかなあ?」と不安混じりで出かけました。
20日(土)は遅い到着だったので、逸る気持ちを抑え、Nさんといっしょに軽く花観察をしました。
歩き慣れたハイキングコースを散策。 野反湖はいつ来ても気持ちがいい。
黄花のレンゲツツジ。 野反峠にほど近い場所に咲きます。
Nさんによると、野反湖ではこの1株だけだそうです。
休憩舎そばのシガバチソウは、もう花芽を
付けていました。 これはアオジガかな?
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アカモノは大好きな花の一つです。 日当たりのよい高山や深山に生える常緑低木。 和名は赤桃が訛ったものと言われます。 超ベッピンさんですね。 花弁の先がつぼまり、キュっと反り返った姿がたまらない。 癒しのグラデーションです。
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ツマトリソウって、サクラソウ科なんですね。 サクラソウ科も広い。 オカトラノオもサクラソウ科ですからね。 ツマトリソウは少しでも雨に濡れると雄しべがだらんと垂れて、ちょっと情けない姿になってしまいます。
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コケモモは咲き始め。 小さく、かわいい花をつけます。
イワナシは、果実になっていました。
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Nさんが「ランのようにも見える、若い葉を見つけたんだよー、なんだろうコレ?」と案内してくれた植物が、右の写真。 確かに一見、ランっぽい。 しかしその時は、何かわかりませんでした。 どこかで見た気もしますが思い出せません。 みんなで「どんな花が咲くんだろうね〜?」と結論出ず。 でも家に帰り、パソコンの大画面で見ていたら、ピン!と来るものがありました。
以前、群馬・栃木・茨城県の県境にある渡良瀬遊水地で見たシダ植物、トネハナヤスリに似ている! さっそくシダにターゲットを絞って調査。 ほどなく、ハナヤスリ科のヒロハハナヤスリではないか?という結論になりました。 シダはまったくわからないので、詳しい方に写真を送り同定を依頼したところ、ヒロハハナヤスリで間違いなし!とお墨付きをもらいました。
シダの仲間だったとはねえ。 こりゃいくら待っても花は咲かない。 この状態が、もう成長した姿なのです。 野反湖にハナヤスリ科がいるという情報は、少なくともネット上では見つからなかったので、新しい発見であったかも知れません。
ところがこの後、ヒロハハナヤスリ君には、悲しい運命が待っていました。 ハイキングコースのササ刈りでバッサリ、打ち首となってしまったそうです。 ササ刈りの作業員の方は、路肩のジョウシュウオニアザミなど目立つ花は避けて刈ってくれたりするのですが… こんな小さくて目立たない植物は、ササや他の草と区別もつけられず刈られてしまうのは、仕方ないことかも知れません。 ササ刈りしてくれるお陰で、ササの脅威から逃れて咲くことができる花が多いのも事実です。
さて、今日の花さんぽはこの辺でおしまい。 Nさんと分かれ、国道405を下ります。 宿泊は六合村の「宿・くじら屋」さんです。 私たちが野反湖を訪れるときの定宿。 とても家族的で、ゆったりと落ち着ける宿。 親戚の家に遊びに来たような気分です。
お楽しみの夕食は地元の山菜やマイタケなどの新鮮食材を活かし、素朴ながらもとても美味しいものです。 熱いものは熱く、冷たいものは冷たく。 当たり前のようですが、食事の進み具合を見て、ベストなタイミングで提供してくれる心遣いは嬉しいです。 この晩はキャンドル・ナイトで私たちをもてなしてくれました。 人気の宿なのに、幸運にも宿泊客は私たちだけ、貸し切りでした。 お宿を切り回す清水さんご夫妻とも話が弾みました(右の写真は奥様が撮影、左端がご主人の清水さん)。
明日はいよいよイチヨウランを探しに行きます!