7月8日 野反湖 百花繚乱(その1) 1/2
7月の第一週、災難に見舞われました。 ひどい腹痛と下痢。 医者には「食あたり」と診断されました。 そう言えば、数日前に居酒屋で食べたレバサシが怪しい。 テーブルに出されてから1時間もかけて食べたのがいけなかったのかも(その間に有害菌が一気に増殖したのかも?)。
3日も仕事を休んだ翌日の土曜の夜、野反湖の友人で自然観察の師匠でもある中村一雄さんから、たった3行の短いメールが届きました。 見た事がない花が写った写真が2枚、同封してありました。 メールのタイトルは、「お中元」。 師匠から弟子にお中元を贈ることはないので、半分冗談でしょう。 3行のメールには、「見においでよ」などのお誘いの言葉はありません。 しかし「行間」に、『早く見に来ないと枯れちゃうゾ~』と書いてあるのを読み取りました。 見たことがない花を見たい! 病み上がりでしたが待ちきれず、翌日に日帰りで野反湖に行く事にしたのです。
中村さんの案内で初めて見ることができた花は、
ジガバチソウです。 なんとも不思議な形!
唇弁がジガバチに似ているのが和名の由来との
ことですが... 似てる? クモキリソウ属のラン
は皆変わった形をしていますね。
花を横から。 どうしてこんな形になったのかな?
やはり昆虫に似せようと思ったのかな?
ジガバチソウの一品種である、アオジガバチソウもいました。 唇弁の褐色が薄くほとんど緑色です。 通常のジガバチソウと混生している場所もありました。
このジガバチソウたちは、数日前に中村さんが野反湖で見ていない種を見つける目的で山に入り、発見されたものです。 普通そのような目的で野山を歩いても簡単に発見できるものではありませんが、そこはさすが、中村さんです。
以前中村さんから、かつて野反湖の植物を調査した植物学者、増田公平さんの野反湖の植物のリストをいただきました。 数百種類が掲載されていますが、そこにはジガバチソウは載っていませんでした。 ネットで「野反湖 ジガバチソウ」をキーワードにしても、明確に野反湖にジガバチソウがいたと記述するサイトは見当たりません(本サイトを除いて)。 もちろん野反湖でジガバチソウを見た人たちが必ずしもネットに情報を載せる訳ではないですが。
いずれにしても、これだけ情報がないということは、ジガバチソウは野反湖においても希少種と言って間違いないと思います。 そして、中村さんはもっと未発見の植物を見つけそうだなと思いました。 ・・・この予想は当たるのですが、後々のレポートで報告したいと思います。
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このアカモノは、超べっぴんさんです。 形も色も最高。
このうつむき加減のしおらしさと美しいグラデーション。
今年の「矮小低木界のミス・ユニバース」。 次の『野
反湖の花写真展』の出演花にノミネートしました。
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オノエランは今までなかなか時期が合わず、よい状態を
見ることができなかったのですが、今回はベストにと思
われる状態でした。 こんなに立派に開花したのは初め
て見ました。 ややクリーム色がかった唇弁に、オレン
ジ色のWの字が見えます。 とてもおしゃれなランです。
オノエランは野反湖で初めて見ましたが、毎回簡単に観察
することができていたので、特段珍しいランではないと思っ
てしまっていました。 しかしその後、この原稿を書いてい
る2011年年末に至るまで、野反湖以外でオノエランに出会
うことはありませんでした。
調べてみると本州中北部および紀伊半島のみに分布し、
個体数は少なく、奈良県、山梨県、長野県、秋田県でレッド
データブック絶滅危惧l類に指定されている希少植物とわかり
ました。 野反湖においても、数を減らすことがないよう願
うばかりです。
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コケモモは花に興味がない人も名前は
聞いたことがあるかも知れませんね。
花さんぽ 2007-20-1