7月1日 ランを求め、湿原へ 1/4
群馬県の小さな湿原を訪れました。 標高約1300m。 植生の豊かさから尾瀬に例えられ、「小尾瀬」とも呼ばれるようですが、広大な尾瀬ヶ原と比べると猫の額ほどの大きさです。 しかし、そこに私たちが見た事が無い花が咲いているという情報を得たのです。 仕事が忙しい時期でしが、高速のインターからもさほど遠くなく、日帰りで行ける距離と思えたので、さっそく訪れてみました。
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まず出迎えてくれたかわいい花は、ツルコケモモ。 初対面の花です。
草ではなく、高層湿原に生育する矮小低木で、コケモモの近縁種です。
果実は液果で、クランベリーとして食用にされます。
小さな花は、はにかんだように下を向き、花弁は反り
返ります。 薄いピンクのグラデーションが美しい。
見たかった、サワランです! 感激の初対面です。 ここまで色が鮮やかだとは思っていませんでした。 美しく濃い紅紫色の花は、緑の湿原でとても目立ちます。 アサヒランの別名があります。 自生地はかなり限定されるようです。(この下で紹介するトキソウは環境省が準絶滅危惧に指定しているのに対して、サワランは指定されていません。 しかし私たちのこの後数年の花観察でトキソウはあちこちで見ることができましたが、サワランは一度もお目にかかっていません。 私たちの中では、サワランの方が希少種である感じです)
高さは15〜30cmほど。 花は真横かややうつむき加減に咲き、
あまり大きく開かないようです。 トキソウと一緒に咲いてい
ましたが、トキソウのように背萼片を直立させることはありま
せん。 観察は木道の上からに限られるので、なかなかよいア
ングルが得られず、撮影には苦労しました。
花さんぽ 2007-19-1