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 11月3-4日     チャツボミゴケと野反湖      1/2

 

このページに掲載している写真が、テレビ番組で使われ放送されました(2023.05.16)

放送は終わりましたが、こちらの番組のサイトで観ることができます。https://www.fujitv.co.jp/chikyu/

 

 本州最大のチャツボミゴケ自生地が、六合村にありました。バックはチャツボミゴケの拡大写真
 本州最大のチャツボミゴケ自生地が、六合村にありました。バックはチャツボミゴケの拡大写真

 

 2007年11月初旬。 仕事は多忙を極めていましたが、3連休に会社のネットワークがメンテナンスですべてストップするとわかりました。 休日出勤しても仕事はできないので、これ幸いと野反湖にやって来ました。 日頃のストレスで傷ついたハートを癒さなきゃね。

 

 さすがの野反湖もこの時期は開花した花はほとんどいません。 しかし、花は枯れても果実になっても楽しめます。 野反湖の友人・中村一雄さんの案内で、しばし初冬の野反湖を楽しみました。 詳しくは後半に譲るとして、まずは今回初めて訪れた、六合村(*1)のチャツボミゴケの自生地をレポートします。

 

(*1)くにむら。現在は群馬県中之条町六合地区

 


 チャツボミゴケは、強酸性の川の水の飛沫がかかる場所で繁殖する苔です。 場所は、六合村の尻焼温泉から草津温泉に至る林道の途中から元山川を溯った、標高約1200mにある奥草津鋼管休暇村』の一角にあります(上の地図には載っていません)。 奥草津鋼管休暇村は私有地です。 受付で入場料210円を払い、車で1キロほど砂利道を進むと駐車場に着きます。 ここで車を降り、徒歩で川沿いの遊歩道を進みます。

 

 2007.11.04 チャツボミゴケ自生地に至る散策路にて
 2007.11.04 チャツボミゴケ自生地に至る散策路にて

 

河原や川中の石に緑色の苔がついているのが見え

始めます。 上流に向かうほど苔が増えてきます。

 

チャツボミゴケ

 

河原の石にビッシリとチャツボミゴケがついています。 鮮やかな

緑色をした苔で、まるで蛍光色であるかのような印象を受けました。

 

チャツボミゴケ

 

とても美しい苔です。このような風景は初めて見ました。

 

チャツボミゴケ

 

 元山川は硫黄泉で、なんとpH2.8の強酸性です。 水温25度、毎分4500リットル以上の温泉が、渓流のように湧出しているのでした。 チャツボミゴケはこのような環境でないと生きられなそうです。 よく見ると滝の裏側にも生えているのが見えます。 この滝の脇を通り進むと、間もなく最奥部が見えてきます。

 

 湧出口がある最奥部の窪地。「穴地獄」と呼ばれる。
 湧出口がある最奥部の窪地。「穴地獄」と呼ばれる。

 

 駐車場から約500m歩くと、最奥部の窪地に到着です。「穴地獄」と呼ばれています。 湧き出した水がいくつもの沢筋になって流れ、チャツボミゴケが緑のジュウタンのように生えています。 木道が設けられ、窪地を1周することができます。 もっと小じんまりした場所を想像していましたが、予想に反してけっこう広かったです。

 

チャツボミゴケ
チャツボミゴケ

 

鮮やかな緑に、紅葉の赤が映えます。

 

チャツボミゴケ
チャツボミゴケ

 

水中で生きることはできないようです。 水没はしないが、

絶えず水飛沫がかかるような場所が好きなようです。

強酸性の水のせいか、他の植物は見当たりません。

 

チャツボミゴケ

 

チャツボミゴケの自生地としては、本州で最大規模なのだそうです。

 

チャツボミゴケ

 

まるで自ら発光しているかのように見える鮮やかさは、強く印象に残りました

 

チャツボミゴケの拡大
チャツボミゴケの拡大

チャツボミゴケの拡大
チャツボミゴケの拡大

 

 近づいて観察してみました。 わかりにくいですが苔の一つひとつは、直径0.5mmほどで、深い椀型であるような、蕾のような。 あ、チャツボミゴケの名はここから来たのでしょうか? 茶蕾苔? この形状ためヒカリゴケみたいに光を反射して、蛍光色に見えるのでしょうか? (クリックして拡大して下さい)

 

 ところで、左上の写真に点々と薄茶色の物体が見えますが、これは何でしょう? ずっとゴミであると思っていましたが、今回改めて見ると、どうも違うように見えます。 もしかしてクマムシ? 超タフな生物として知られるクマムシなら、こんな環境(強酸性水)でも生きられるのかも。

 

 木道を渡り穴地獄の入口方面を振り返る

「穴地獄」の一番奥からの入口方面を振り返ると、こんな風景です。

 

 木道の上で人が倒れていました! 急病人か!? いえいえ冗談。 Hiroが木道下のチャツボミゴケを撮影中です。 たとえどんなに素晴らしい写真が撮れそうでも、入ってはいけない場所には入らない。 当たり前ですね。

 残念ながら人が立ち入って、足跡の形にチャツボミゴケが枯れてしまっているところがいくつかありました。


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 ユオウゴケ (硫黄苔) ハナゴケ科
 ユオウゴケ (硫黄苔) ハナゴケ科
 ユオウゴケ
 ユオウゴケ

 

 ユオウゴケは名に苔と付きますが、苔ではなく、菌類と藻類の共生体である地衣類の仲間です。 菌類が作った菌糸の構造体の中で、藻類が弱い光合成を行い、その産物で菌が繁殖するそうです。 遊歩道から10cmはみ出したら踏みつぶしてしまいそうなほどたくさんいました。

 

 野反湖の八間山の中腹に、このような種としては大規模と思われる自生地があります。 その場所の写真なども含め、ユオウゴケ専用コーナーを作ってあるので、よろしかったらご覧ください。

 

 時間が前後しますが、以下は前日2007年11月3日の野反湖の様子です。

 

 
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