10月8日 梅田湖近辺の花 (群馬県桐生市)
群馬県は桐生市の奥に、梅田湖という釣りで有名なダム湖があります。 近辺は緑深いの山々に囲まれて、以前より何か花に出会えそうな雰囲気がありました。 山一つ越えた東側には、超希少種のカッコソウが咲く鳴神山があります。
この日は山を登る予定は無く、少し外れた林道をドライブしていました。 例により花センサーが働き、「この辺なんか臭い!」と言いながら車を止めます。何か花が咲いていそうな雰囲気なのです。 ほどなく、コシオガマを見つけました。 今日もラッキー、いきなり初対面の花発見です。 花はたった1つでしたが、これだけでも来た甲斐がありました。
コシオガマは他の植物の根に寄生する半寄生植物です。 「半」寄生なので他の植物から栄養分をもらいつつも、自分でも光合成をしているのでしょう。 ちゃんと緑色の葉を持っています。 その葉は全体に白い腺毛が密生し、触るとベタつきました。 葉は対生し、葉身は三角状卵形で羽状に裂け、裂片はさらに裂けます。 花は美しい薄ピンク色で、なんとなく「赤ずきんちゃん」のずきんを連想しました。
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すぐ近くでもう1種、初対面の植物に出会えました。 キキョウ科のツルニンジン(ジイソブ)です。 もしかしたらバアソブかも? この2種はよく似ていて区別が難しそうです。 ましてや花が終わり果実になりかけているので、同定できませんでした。 図鑑やネットでも調べましたが確信を持てず、結局"?"マーク付きのツルニンジンとしました。
林道脇の崖の上から垂れ下がるようにぶら下がっていました。 果実は2つ。 バアソブに比べ翼が大きいといいますが、バアソブも見た事がないのでわかりません。 ネットで見た花は皆下向きに付いていましたが、この果実は柄が下から支える形で上を向いていました。 受粉後に向きが変わるのでしょうか?
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ヤマハッカも咲いていました。 上唇は4裂して立ち上がり、
濃い青紫色の線状の斑点があるのが特徴です。 下唇は2裂し
て前方へ突き出し、縁は内側に巻くようになります。
この花はまだほとんど蕾でした。 葉の形などからミゾソバに見えたのですが、花が白いのです。 このため長らくミゾソバの白花品であろうとしていましたが、今回調べ直し、ヤマミゾソバではないかと思えて来ました。 もっと細かく撮影しておけばよかったですね。
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撮影以来今までガンクビソウとしていました。 今回掲載するに当たり念のため調べ直したら、どうやらヤブタバコのようです。 花はとても似ていますが、ガンクビソウは花が枝先につくのに対して、ヤブタバコは葉腋につくとのことなので、ヤブタバコで間違いないと思います。 撮影した5年前もそれなりに調べたと思いますが...今より詰めが甘かったようです。 ヤブタバコはお初の花になります。
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その他見ることができた花と果実です。キク科はやや自信なしですがシロヨメナとしました。
No. |
写真 掲載 |
和名 | 漢字表記 | 科名 | 属名 | 初 |
1 | ◯ | コシオガマ |
小塩竈 |
ハマウツボ | コシオガマ | ★ |
2 | ◯ | ジイソブ(果実) |
爺蕎 |
キキョウ | ツルニンジン | ★ |
3 | ◯ | シロヨメナ | 白嫁菜 | キク | シオン | |
4 | ◯ | ヌスビトハギ(果実) | 盗人萩 | マメ | ヌスビトハギ | |
5 | ◯ | マムシグサ(果実) | 蝮草 | サトイモ | テンナンショウ | |
6 | ◯ | ヤクシソウ | 薬師草 | キク | オニタビラコ | |
7 | ◯ | ヤマハッカ | 山薄荷 | シソ | ヤマハッカ | |
8 | ◯ | ヤマミゾソバ | 山溝蕎麦 | タデ | タデ | ★ |
2012.01.31 掲載
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