花さんぽ 2007-29                               ←前へ  次へ→

 

 10月21日       晩秋の野反湖

 多くの花たちで楽しませてくれた野反湖にも、間もなく冬の足音が聞こえて来ます
 多くの花たちで楽しませてくれた野反湖にも、間もなく冬の足音が聞こえて来ます

 

 晩秋の野反湖が見たくてやって来ました。 穏やかな秋晴れに恵まれ、胸いっぱいうまい空気を吸い込みました。 標高1500mを超える天空の湖・野反湖は、この時期になるとあの百花繚乱がウソだったように花が少なくなります。 しかしここを花観察のホームフィールドとする私たちとしては、シーズンの最初から最後まで、すべてを見届けたいのです。

 


 面に氷が残る4月に訪れて以来、今年12回目の訪問です。 2007年は「野反湖Year」でした。 滞在日数は延べ22日を越えました。 ただ環境が素晴らしい、花が多いだけの場所であったら、これほどまでに通ったでしょうか? やはり、地元のみなさんとの交流が、とても大きな意味を占めていたと思います。


 

 花観察をきっかけに知り合い、友人になれた六合村のみなさんと親交が深めることができたからこそ、単なる花見の道楽ではなく、とても厚みと奥行きのあるものになったのだと思います。 仕事も趣味も、一番大切なのは人間なんですね、やっぱり。

 

 

 野反湖の紅葉も素晴らしいのですが... この時期は強風が吹くことが多いので、あっという間に風に持っていかれてしまうのです。 紅葉を楽しめる期間はとても短いように思えます。

 

 ところで上の写真は別々に撮影した3枚の写真を、パノラマ写真を作る自動ソフトで合成したものです。 きっとうまくはできないと期待せずに試したのですが、わずか10秒ほどでキレイにつなげた写真を作ってくれました。 技術の進歩はすごいですね。

 

 エゾリンドウ (蝦夷竜胆)
 エゾリンドウ (蝦夷竜胆)

数は少なくなったものの、エゾリンドウがまだ頑張って咲いていてくれました。来年の秋にも咲き誇ってくれることでしょう。


 

 

 マユミ (真弓) ニシキギ科
 マユミ (真弓) ニシキギ科

マユミは秋を彩る果実の一つ。淡紅色の果実が4つに弾ける中から橙赤色の種子が出てきます。なんだかおいしそうです。

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 コケイランの果実
 コケイランの果実

コケイランの実はこんな形になるんですね。つんと立っているのが葉です。花の写真は花さんぽ2007-18号にあります。


 ヤクシソウ (薬師草)
 ヤクシソウ (薬師草)

ヤクシソウも頑張って咲いていました。シーズンには百花繚乱となる野反湖も、さすがに晩秋には花がいなくなります。


 ニシブタ沢河口

 

 湖の北西部にニシブタ沢の河口があります。 そこにかかる小さな赤い橋、弁天橋からの撮影です。 ここは特に多くの釣人が集まるスポットなのですが... ご覧の通り水位の低下で湖底がむき出しになってしまっています。 通常より少なく見ても2mは水位が低下しているように見えました。 これほど水位が低い野反湖は初めて見ました。

 

 野反湖はダム湖であり、発電所はありませんが下流の水力発電所の水の供給元になっています。 2007年7月16日の新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原発が停止しているので、水力発電所への供給量を増やしているため、低水位となっているとのウワサでした。

 

 

お馴染み?の野反峠の風景。 この時期の野反湖は

人気(ひとけ)が少なく、とても静かです。

 

人間の活動で引き起こされた低水位は、湖畔の

植物にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

 この後、もう一度野反湖を訪れます。 その報告が、いよいよは「花さんぽ 2007」の締め括りになります。 初冬の野反湖と、初めて探索した少し離れた場所にある、興味深いスポットをレポートします。

 

オリジナルレポート表紙
オリジナルレポート表紙

 

2012.02.02 掲載

 
                                           
 

花さんぽ 2007-29