数年前、Google Mapsの航空写真で、伊豆半島のある海岸付近に不思議なものを見つけたのです。 白い砂浜の沖合の海底に、巨大な物体の影が見えるのです。 これはいったい何なのか? 見る度に気になっていました。 まずは下の航空写真をご覧ください。
上の写真にマウスでポインターを重ねていただくと、不思議だと思う箇所が赤い線で囲まれて示されます。 3箇所あり、A、B、Cの記号を付けました。
これらは人工的な構造物ではないかと思いました。 理由は、もちろんその直線的な形状からです。 Aは長方形、BとCは正方形に近い長方形。 一部の辺は多少ギザギザしているものの、全体として辺はほぼ直線に見えます。 辺と辺のなす角もほぼ直角です。 このような物体が自然現象でできるとは考えにくいですよね? このため人工的な構造物ではないかと思えたのです。
(Cの右上にもCとほぼ同じ大きさのものが2つ、接して見えますが、それらの辺はかなりギザギザしており、「ただの岩でしょ」と言われればそれを否定できません。 このためこれらは議論の対象としません)
さて、これらが海底に存在する物体だと思った理由は、周辺の山から続く海底の岩礁部と色が似ているからです。 このあたりはかなり沖合まで、白い砂地の海底が続きます。 その中で周辺の山から続く岩礁部は、海水の中では黒に近い、濃い青色に見えます。 A〜Cも似た色に見えるので、岩石か、岩石のような物(たとえばコンクリート製の構造物)が海底にあるのだと推測しました。
この海は、近くの山から何度も見ています。 遠くの海底はまったく見えませんが、少なくとも何かが海水面に顔を出していたり、浮いている物体が無かったことは確認しています。
3つの中では、Aが一番大きい。 上の写真の左下のスケールと比べると、Aの長辺は約200m、短編が約100mあります。 Bは、およそ120m四方でしょうか。 これらは海底にある構造物としては、「巨大」と言っても差し支えない大きさですよね?
それにしても、辺の長さがやけにキレイな数字です。
以上がわかっていることです。 これ以上情報は得られず、正体がわかりません。あ〜気になる! いったい、何でしょうね?
養殖の生け簀かな? 何十年も前に造られたもので、今はもう使われなくなって朽ち果ててしまったとか... しかし生け簀なら網で造るでしょう。 こんな大きな構造物を作ったのでは、割に合わないのでは?
もしかして古代遺跡?! いえいえ、それならとっくに大きな話題になって、きっと観光の目玉になっていることでしょう。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
*
こんな調子で何年か過ぎたのですが、思わぬところで正体を知ることができたのです。 それはこの海からほど近い民宿に泊まったときのこと。 夕食の席で、宿のご主人や他の宿泊客の方と談笑しているときに、この話をしてみたのです。 始めはなかなかうまく説明できなかったのですが、ノートパソコンを持ってきて画面を見ていただくと、ご主人もその不思議さを理解してくれました。 そしてすぐに、この海について詳しい方に電話して尋ねてくれたのです。
詳しい方の証言で、答えはほどなくわかりました。 巨大人工物の正体は、「藻場」を造るために沈められた、岩石だったのです。 砂地だけの海底には、あまり多くの生物はいないそうです。 特に人間が経済的な活動に利用できる大型の貝類やエビなどは、ほとんどいない。 岩石を大量に投石し海底に人工の岩場を造ると、やがて藻が生えて「藻場」になる。 藻場ができると、アワビやサザエなどの貝類やイセエビなどが集まって棲みつくというのです。
これだけの面積ですから、かなり大量の岩石が運び込まれたに違いありません。 日本人は几帳面ですね、ただ適当に岩を放り込んだのではなく、きちんと測量して、上空から見たらちゃんと四角形に見えるほど、きれいに並べたのです。
いつ岩石が投入されたのか?、岩石の大きさや量はどれほどだったのか?、そして目論見通り藻場ができて、貝類などの収穫が得られたのか? などの付随する情報は得ることはできませんでした。
しかし数年来のナゾが解けて、とーってもスッキリしました! やはり海底のナゾの物体は、人間の仕業であった訳です。 宿のご主人には本当に感謝です。
2014.01.31 掲載