カメムシ科
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ツノアオカメムシ
Pentatoma japonica
角青亀虫 カメムシ科/カメムシ亜科
野反湖で花さんぽし、湖畔で休憩していると、目の前に咲くワレモコウの花に、ツノアオカメムシがいました。 大型で、メタリック・グリーンに輝く、美しいカメムシでした。 濃紅色のワレモコウの花とのコントラストが素晴らしく、しばし見とれていました。
山地型のカメムシで、カエデ類・シラカバ・ミズナラ・ケヤキなどの樹木の汁を吸って生きているそうですが、バラ科のワレモコウの花にいました。 食事中ではなく、休憩中であったのかも知れません。
前胸部の側角が幅広で、尖っているのが特徴です。 尖った部分の先端は斜めに切れ、赤味を帯びています。
ツノアオカメムシという名を知って、アオツノカメムシでもよかったんじゃないか?と一瞬思いましたが、それでは「青い角を持ったカメムシ」と誤解されるかも知れませんね。 「角がある、青いカメムシ」が正しいですから、やはりツノアオカメムシが適切な名前なのだと、思い直しました。
2017.01.12 掲載
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ナガメ
Eurydema rugosa
菜亀虫 カメムシ科/カメムシ亜科
東京都と埼玉県の県境に位置する多摩湖・狭山湖の周辺は、いくらかの緑地帯が残されており、「トトロの森」のモデルになった緑地もあります。 自宅から近いこともあって、よく訪れます。 そんなある日の午後に、ナガメを見ることができました。 体長6〜10mm。 名の由来は、アブラナ科の植物の汁を吸いに来るので、「菜の亀」→「ナガメ」となったそうです。
黒に朱色の条が美しい。 逆さに見ると人の顔のようにも見えるので、見つけたときは「人面カメムシだ!」などと冗談を言ったのを覚えています。
2010.12.31 掲載
2017.01.12 文改訂
クロカメムシ亜科 アカスジカメムシ.
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アカスジカメムシ
Graphosoma rubrolineatum
赤筋亀虫 カメムシ科/クロカメムシ亜科
当ホームページは野山に自然に咲く花を対象としていますが、勉強のために植物園に行くこともあります。 ここ都立薬用植物園もその一つです。 自宅から車で10分足らずという近さもあり、たまに訪れます。 名の通り、薬用植物の研究のための植物園で、ケシが栽培されているなど、普通の植物園とは少し趣が異なります。
さて、その薬用植物園で栽培されているヨロイグサに、交尾中のアカスジカメムシを見つけました。 黒地に赤の縦すじが美しい、カメムシでした。 この配色のために目立ち、鳥などの捕食者に狙われやすいのでは?と思いましたが、警戒色ではないかとのご意見が多いです。 あえて目立たせることにより、捕食者に対して「毒があるよ。 食べるとマズイよ!」とアピールしているのかも知れませんね。
ネットでいろいろ見ていると「イタリアのサッカークラブのACミランのユニホームにそっくり!」との記載がありました。 サッカーはあまり見ないので、ネットでACミランのユニホームを検索してみたら、うん、確かに似ている!
本種は、セリ,ヤブジラミ,シシウドなどのセリ科の植物を食草にしています。 ヨロイグサもセリ科ですが、根に薬用成分であるフロクマリン誘導体が含まれ、鎮痛などの目的で漢方処方されるそうです。 薬用植物園ならではの解説で得られた知識です。