シャクガ科
ヒョウモンエダシャク
Arichanna gaschkevitchii
豹紋枝尺 シャクガ科
高原の散策路を気持ちのよい風に吹かれながらのんびり歩いていたら、キレイな蝶がふわふわ飛んでいる。 やがて少し離れたヨツバヒヨドリにとまり吸蜜し始めました。 別の1頭も訪れ、一緒に吸蜜し始めたのです。
もちろん、名前はわかりません。 キレイだったのと、ちょこちょこ動き回るとはいえ、一つの花の上にいてくれたので、撮影する気になりました。 帰宅後名前を調べるために写真を拡大してみると... あれ? 触覚が棍棒状ではなく、羽毛状じゃん!ということは、蝶ではなく、蛾?
という訳で、蛾であろうという前提でネットで調べ始めたら、すぐにヒョウモンエダシャクという蛾であると判明。 明るく目立つ色だったので蝶に違いないと思ったのですが、やっぱり蛾でした。
触覚が棍棒状であるか羽毛状であるかは一つの目安で、必ずしも蝶と蛾を区別するポイントとはならないそうです。 日本にはチョウ目が3000種以上もいて、その内蝶は250種程度だとか。 ほとんどは夜活動するのですが、昼間に活動するものを蝶と呼ぶのだそうです。
あれ? これは蛾なのに真っ昼間に元気よく飛び回っていました。 翅の模様も色も、蝶のように美しく、目立ちます。 どうしてなんだろう?
この蛾は、幼虫の頃はアセビなどのツツジ科の植物を食草にするようです。 アセビは馬酔木と書き、馬が誤って葉を食べると中毒を起こし酔ったようにフラつくことが名の由来の有毒植物です。 幼虫はアセビを食べて毒を体に溜め込むそうです。 毒で武装しているとも言えましょう。 蛾としてはハデな翅の色は、捕食者である鳥に対して「食ってもマズイぜ!」とPRするためなのかも知れませんね。
ペタ〜ンと平たく翅を広げて葉にとまっている姿は、やはり蛾っぽいです。 鳥を警戒する風でもなく、堂々としているのはやはり体内に溜め込んだ毒で武装しているからかも知れません。
後翅の黄色が目立ちます。 目は赤っぽいですね。
このページを作り始めた時は初めて撮影した蛾と思っていましたが、古い写真を調べていたら、2006年8月に群馬県の野反湖でキャンプをしたときに、朝食のテーブルに遊びに来たヒョウモンエダシャクを撮影していました。 写真にはちゃんと「ヒョウモンエダシャク本土亜種」などと名前をつけており、当時もそれなりに調べたようです。 完全に忘れていました。
2014.08.16 掲載