アカカゴタケ科

 

カニノツメ

Linderia bicolumnata [Lloyd] Cunn.

カニノツメ (蟹の爪) アカカゴタケ科  2004.10.31 東京都立川市
カニノツメ (蟹の爪) アカカゴタケ科  2004.10.31 東京都立川市

 

東京都立川市に大きな国営公園にがあります。 都市型の人工公園ですが、周辺部のわずかな領域に、昔ながらの雑木林の面影が残っている部分があります。 そんな場所をブラブラ歩く目的で遊びに行きました。 人気の少ない歩道を歩いていると、なんと木の下に「蟹の爪」がたくさん捨てられていました。 この公園では休日にはよく家族連れやアベックがビニールシートを敷いてお弁当を食べたりしています。 マナーの悪い不届き者が、蟹の爪を捨てていった! しかもご丁寧にみんな爪が上を向くように立ててある! けしからん! ややムカつきながら近づいて見ると、どうも様子が違います。

 

カニノツメ

 

よーく見ると、「蟹の爪」じゃなかった。 なんじゃこりゃ? キノコ? このベト〜とついたモノは何? ブキミ〜! 帰って調べたら、カニノツメという、そのものズバリの名前のキノコだとわかりました。


 

幼菌は上の写真にたくさんあるように「出しっ放しにして干からびてしまった古いマシュマロ」のようないびつな球形です。 熟すと割れて、中から黄色から淡いみかん色の腕が伸び出す。 腕の色は上部ほど濃いです。

 

 

先端部付近についている暗緑色のドロドロしたものは、グレバという胞子を含んだ粘液で、悪臭をもっているそうです。 これでハエなどを誘引して胞子をばらまくそうな。

昆虫の力を借りて子孫を増やそうなんて、まるで植物のようなキノコです。

幸か不幸か、この時は悪臭は感じませんでした。 風向きのせいか、鼻が詰まっていたのでしょう。 生ゴミが腐敗したような臭さだそうです。 嗅がなくてよかった!

 

2010.12.31 掲載

 

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