HOME  Dairy-Hiroダス  Dairy-Hiroダス2018      ◀ 前へ  下へ▼  次へ ▶

 

. 7月8日(日)    蜘蛛が嫌いなのに・・

 

豪雨によって各地で甚大な被害となり、

心が痛みます。

復興にも時間がかかると思われます。

暑さも重なるのでお体には十分ご注意いただきたいと思います。

 

これ以上日本を苦しめないで・・

 

昨日も天気が曇りなら撮影し直したい花があると相方が言うので、

出かけてみましたが、現地そばまで来たら、

雷に打たれて倒れてしまったのか?、倒木が道を塞いでいて、

前に進めなくなりました。

 

倒木で通せんぼ。 林道入口には何もサインがなかったのでびっくり。 これでは車は通れない!
倒木で通せんぼ。 林道入口には何もサインがなかったのでびっくり。 これでは車は通れない!
折れた部分が真新しい。 昨夜から今朝にかけてのことなのかも知れない
折れた部分が真新しい。 昨夜から今朝にかけてのことなのかも知れない

 

周辺の木々に異常はなかったので、強風ではなく

雷が落ちたためだと思いました。

 

電線に倒れ込み、電柱も傾いていた。 危険なので役場に電話連絡。 やはり事態を把握していなかった
電線に倒れ込み、電柱も傾いていた。 危険なので役場に電話連絡。 やはり事態を把握していなかった

 

ここから歩いて山に向かうことも考えましたが、

予想に反して雨はずっと降り続けているし、雨雲レーダーには

次々と目的地の山の方に流れてくる強い雨雲が映っていた。

これではいい写真なんて撮れないでしょう。

花は逃げませんから、勇気ある撤退ということで、

また来ればいいと帰りました。

 

私は仕事が忙しくなり、休日も少なくなりました。

相方が開花した花がどうしても見たいというので、

花友さんが定点観察している花を見に行きました。

 

Kenの一人花さんぽ&Sさん

Hiroはせっせと働きまっせ~

 

蜘蛛か嫌いなのに、びっしりとくっついたクモランを

見ることが出来たそうです。

何度か見ていますが、開花状態のいいものは、

なかなか見られていなかったのですね。

ラン好きKenさん、長距離をわっせと行ってきました。

 

以下はKenダスになるので、相方に報告していただきましょう。

 

バトンタッチして、ここからは私、Kenのレポートです。

Dairy-Hiroダスに記事を書くのは、本当に久しぶりです。

クモランは、2010年に初めて見ることができましたが、

花は完全に終わり、果実も弾けた状態でした。

以後、いろいろな場所で見ることができたのですが、

いずれも花が終わっているか、まだ咲いていないかのどちらかで、

なかなか開花した状態を見ることができないでいました。

.

そんなときに愛知県の花友のSさんからメールが届き、

添付された写真を開いてのけぞりました。

ものすごい数のクモランが写っていたのです!

Sさんが今年の4月に発見されたのです。

節足動物の蜘蛛は大の苦手なので、もしこんなに群れていたら

失神してしまいそうですが、クモランなら大歓迎、ぜひ見たい!

 

Sさんはご自宅から1時間半もかかる自生地に何度も足を運んで、

様子を知らせてくれました。

七夕の日に「咲き出しましたよ!」との嬉しい連絡をいただきました。

早速翌日、300km先の愛知県に向かいます。

Hiroは仕事で行けないので一人旅ですが、開花したクモランの群生を

見られるとあって、るんるん気分で高速道路を走ります。

 

今回訪れる自生地は2ヶ所あり、1ヶ所めのA地点は単独で観察、

2ヶ所めのB地点でSさんと落ち合い、一緒に観察することになりました。

A地点はもちろん初めての場所ですが、詳細な情報をいただけていたので

迷わずにたどり着けました。 さてクモラン、いるかな?

 

クモランが梅の木にビッシリついていた!
クモランが梅の木にビッシリついていた!
クモラン (蜘蛛蘭) ラン科 クモラン属  2018.07.08 愛知県
クモラン (蜘蛛蘭) ラン科 クモラン属  2018.07.08 愛知県

 

いました〜! うわ〜、なんじゃこりゃあぁ!

実物を見て、またのけぞりました。 スゴイ数です! 

多すぎて、何株いるかを数える気にもなりません。

株が重なり合って、うず高く盛り上がっているところもあります。

驚愕&大感激!

 

これを見て、不気味さを感じてしまう人もいるかも知れない。

それほどの迫力でした。

 

クモランの花も咲いていた! みんな元気そうな株ばかりだ
花も咲いていた! みんな元気そうな株ばかりだ

 

念願の花も咲いていました。 しかし、小さい花だ!

これは撮影が難しそうです。

 

クモランはこの環境がよほど適しているのか、幾重にも積み重なって小山のようになっていた
ここの環境がよほど適しているのか、幾重にも積み重なって小山のようになっていた

 

40分以上、汗だくになってクモランを撮影しました。

何にも邪魔されず、じっくり観察することができました。

不思議なのは、周辺にも似たような梅の老木があるのに、

なぜかこの木にしかついていませんでした。

この木が生えている場所がちょっと特殊なので...

もしかすると、パワースポット?

 

Sさんと待ち合わせるB地点に行く前に、

少しだけ周辺の森を歩いてみました。 すると、、

 

タシロラン (田代蘭) ラン科 トラキチラン属  手前のピンボケ分も含めて11株ほど写っています
タシロラン (田代蘭) ラン科 トラキチラン属  手前のピンボケ分も含めて11株ほど写っています

 

タシロランがにょきにょき生えていました。

タシロランのこともSさんから伺っていましたが、

こんなにたくさんいるとは、嬉しい想定外でした。

 

タシロラン
タシロラン

 

全体的にはピークを過ぎていましたが、

まだまだ見頃の株もありました。

そして、素晴らしい大株も見つかりました。

 

HiroKen花さんぽ史上最大のタシロラン
HiroKen花さんぽ史上最大のタシロラン

 

一人で立っていた株です。

やたらと大きく見えたのでメジャーで高さを測ると、

なんと52cmもありました。

以前神奈川県で見ることができた大株

最大で42cmだったので、10cmも記録更新です!

近くに仲間がいないので、菌根菌を独占して大きくなれたのかな?

花数も多く、25個もついていました。

 

この森をもっと探索したら、まだまだ何かが見つかりそうです。

では、B地点に向かいましょう。

 

B地点がある森に着き、Sさんと約1年ぶりの再会を喜び合いました。

私が待ち合わせ場所を勘違いしてしまったために、

山の中を上ったり下ったり遠回りすることになってしましたが、

そのためこの一帯の大雑把なイメージがつかめたし(一部ですが)、

後で地点Bへの最短ルートも見つかりました。

さて、地点Bで二人でクモランの観察開始です。

 

地点Bのクモラン  クモランは放射状に延ばした根で樹幹に着生する。 葉はない。
地点Bのクモラン  クモランは放射状に延ばした根で樹幹に着生する。 葉はない。

 

地点Bでは、隣り合う2本の木に多くついており、

周辺の木にも数は少ないものの、いくつか見つかりました。

地点Aのような巨大集団こそありませんでしたが、

十分に大きな集団が多数あり、元気に花を咲かせていました。

 

これでも今まで見たことがない大株。 地点Bのクモランは、地点Aよりも根の色が濃いように見えた
これでも今まで見たことがない大株。 地点Bのクモランは、地点Aよりも根の色が濃いように見えた
クモランの花被片の基部は合着し筒状になる。
花被片の基部は合着し筒状になる。 
クモランは長さ1cmもない花茎を1〜5本出し、その先に1〜3個の花をつける。
長さ1cmもない花茎を1〜5本出し、その先に1〜3個の花をつける。

 

花の長さは2mmほど、直径は1mm以下です。

TG-3の深度合成機能を使っても、限界を超えて小さい感じでした。

(Sさんは最新のTG-5をお持ちだった。性能が格段に向上しているようだ!)

 

クモランの唇弁は上側につくと図鑑にあるが、けっこう様々な方向についていた。
唇弁は上側につくと図鑑にあるが、けっこう様々な方向についていた。

 

各花被片の境界部が不明瞭で、始めはどれが唇弁やらもわからない。

それでも多数の写真を見て、なんとかわかるようになりました。

まとまって花をつけていた株の写真で、各部を指し示してみました。

葯や、細く尖って内側を向く唇弁の先端部も見えました。

 

A地点の森は自然度が高かったですが、

このB地点の森もひざの高さの岩にヨウラクランがついているなど、

自然度が高かったです。 気軽に訪れられる距離ではありませんが、

また近くに来た際には、足を延ばしてみたいと思います。

 

クモラン三昧の一日でした。

ずっと見たかった花を、ようやく見ることができました。

花を案内して下さったSさんには、本当に感謝です。

ありがとうございました。