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. 7月2日(日)   お久しぶり、タッシ―

 

なんだか各地で地震も続いていますね・・

その上、大雨の影響も大きいようです。

十分にご注意ください。

 

梅雨時なので天候が不安定なのも仕方のないことですが、

花見人はやっぱり、お天気に左右されてしまうので・・

雨だとがっかりね。

土曜日はマヤちゃんの開花状況を見てきました。

数本だけ開花していましたよ。

9月の秋咲きが、どのような開花状況になるか楽しみです。

 

日曜日は信州に見てないお花を見に行こうと思いましたが、

大雨警報が出ているので予定を変更。

お隣の神奈川県に向かいました。

 

かつてムサシアブミ探しをした森です。

「森に入ったら、すぐにいるといいねえー」と話していたら・・

咲いていましたあ!!

タシロランです~

「お久しぶりねえー、タッシ―!」

 

タシロラン (田代蘭) ラン科 トラキチラン属 2017.07.02 神奈川県 alt=28m
タシロラン (田代蘭) ラン科 トラキチラン属 2017.07.02 神奈川県 alt=28m

 

久しぶりにお花を見ましたあ。

しかも今までタシロランを見ているのは、

全部神奈川県だわ。

自宅近所にも出ることがあるようなんだけど、

それは珍しいことなので、なかなか見るチャンスがありません。

 

ここは相当な数が咲いています。

高さ42センチもある、大株もありました。

まとまって出ているのもあるじゃない。

これはお見事じゃね。

 

タシロランは丘の裾野の、薄暗い林下ににょきにょき出ていました。
丘の裾野の、薄暗い林下ににょきにょき出ていました。
地面は落ち葉が厚く積もり、かなり湿っていました。
地面は落ち葉が厚く積もり、かなり湿っていました。
タシロランは自ら光合成は行わず、100%菌から養分を得る、完全菌従属栄養植物です
自ら光合成は行わず、100%菌から養分を得る、完全菌従属栄養植物です
タシロランはあちこちで、このように群れて咲いていました。
あちこちで、このように群れて咲いていました。
タシロランの茎がビシ!っと直立する姿がいいネ
茎がビシ!っと直立する姿がいいネ

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この日の背高チャンピオンは、高さ約42cmのこの子です
この日の背高チャンピオンは、高さ約42cmのこの子です

 

しっかり観察をしながら撮影ですが・・

私には数十匹のヤブ蚊が、わんわんと襲ってきます~

しまったあー、蚊取り線香持って来るんだったあー

湿り気のある森は蒸し暑いし、

吹き出す汗と痒みに耐え切れなくなった。

 

少し離れた明るい場所のベンチで待機して、

詳細な撮影は相方頼みにさせてもらった。

相方はあまり蚊に刺されないのでね。

しかし血に飢えたヤブ蚊軍団は、おっさんの血でもいいからと、

刺しまくったようですぞー

 

倒木の下から生えてしまったタシロランは、茎を曲げて上部をちゃんと垂直にしていた
倒木の下から生えてしまった株は、茎を曲げて上部をちゃんと垂直にしていた
タシロランの花は下向きに咲きます
タシロランの花は下向きに咲きます
タシロランの花の構造 花の上面より(背萼片、側花弁、側萼片、唇弁、子房、苞)
タシロランの花の構造  花の上面より
タシロランの花の構造 花の側面より(距、子房、花柄、苞)
タシロランの花の構造  花の側面より

 

他に目立った花はないのですが、

タッシ―はごっそり咲いていますので、観察には最適な森です。

地元の方が大切にしている森というのが響いてきます。

タッシ―も環境を守ってくれているからこそ、

花を咲かせられるんですね。

 

種子を飛ばし役割を果たした花。 粉のように小さな粒が、残った種子です

 

全体的にベストな時期で、フレッシュな花ばかりでしたが、

中にはもう結実して、種子を飛ばし終えた花もありました。

グレーの枠の写真は、オンマウスで拡大写真に切り替わります。

(スマホはタップ)

 

種子1個の重さは、なんと1千万分の1g(0.1μg)という超軽量!

タシロランの若い株を応援するように、お日様のスポットライトが照らしていました
若い株を応援するように、お日様のスポットライトが照らしていました

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ムサシアブミの花は終わっているので、

相方に藪に入って様子を撮影してもらいました。

葉はまだ残り、緑色の果実ができていました。

 

ムサシアブミは、大きな葉はまだ残していた
ムサシアブミは、大きな葉はまだ残していた
ムサシアブミの特徴的な仏炎苞はしおれ、緑色の果実ができていた
特徴的な仏炎苞はしおれ、緑色の果実ができていた

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遠くに、名前のわからないセリ科のお花。

→ 読者の方にご指摘いただき、レンプクソウ科のソクズと判明

       →レンプクソウ科はガマズミ科になりました。(2019.05.02追記)

お名前不明のセリ科の植物 ➡ ソクズ (蒴藋) ガマズミ科 ニワトコ属
お名前不明のセリ科の植物 ➡ ソクズ (蒴藋) ガマズミ科 ニワトコ属
ソクズの花には蜜がなく、花序の中にまばらにある、黄色の腺体に蜜をためるそうです
ソクズの花には蜜がなく、花序の中にまばらにある、黄色の腺体に蜜をためるそうです

 

蒸し暑く、時折晴れ間も覗いた一日でした。

タッシ―は白くて上品、虫チックな姿も面白いね。

相方は、一生分のタシロランが見れたようだと喜んでいましたあ。

 

 

ソクズが掲載されたページ

 Dairy-Hiroダス 2020年7月12日 梅雨 明けず

 

コメント: 12 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    なな (火曜日, 04 7月 2017 08:42)

    先日はご面倒をおかけしました。
    名前のわからない花 お写真で黄色のつぼ型の腺体が見えるようなので
    ソクズ(クサニワトコ)ではないでしょうか?
    当方台風前にヤワタソウ・ヒヨクソウ・キヨスミウツボ・キバナショウキランと花見に飛び回っています。体は重いのに飛べるんですと言って笑って誤魔化していますが もう少しスリムにならないと棺桶特注品になりそうです。

  • #2

    Ken (火曜日, 04 7月 2017 14:27)

    ななさん、ご指摘をありがとうございます。
    花序の様子からセリ科であると思ってしまいました(葉の様子が変だなとは思っていたのですが...)。レンプクソウ科(スイカズラ科)のソクズには、思いが及びませんでした。詳しい方に見ていただき、よかったです。早速文を修正するとともに、花序の部分の拡大写真を載せたいと思います(トリミングで画質劣化しますが)。
    大変アクティブに花を見て歩いていらっしゃるのですね! 花が忙しい季節なのですが、天候に邪魔されますね。

  • #3

    なな (火曜日, 04 7月 2017 15:37)

    詳しい方は間違いです。私は詳しくないです。
    ですから質問です。タシロランの唇弁に斑点のあるもの 無いもの(真っ白)がありますが同種ですか? 決して混植は在りませんので 地域によって出方が違うのでしょうか? 距がある姿は初めての観察です。参考になりました。ありがとうございました。今度からは正面だけでなく横姿も確認しなくてはいけませんね。やぶ蚊に刺されぼこぼこになる季節ですがきれいな花が咲く季節ですね。

  • #4

    Ken (火曜日, 04 7月 2017)

    いえ。小さな写真だけでソクズと即断されましたし、低山さんも「非常にお詳しい方だった」とおっしゃっていたので、やはりお詳しい方なのだと思います(^^)。
    タシロランの唇弁に斑点がない個体は見たことがありませんが、おそらく同種ではないかと思いますよ。 何か呼び名があるのかも知れませんが、種としては同一で、変種や品種レベルでの区分もされていないのではないかと思います。 ラン科では、そのような変異は珍しくなく、コケイランでは唇弁に斑点がないものは比較的よく見られますし、イチヨウランも斑点の入り方が、地域によりかなり異なります。 とは言え、全身が pure white のタシロランは、ぜひ見てみたいものです。

  • #5

    なな (火曜日, 04 7月 2017 19:28)

    遅くなりました。正確を記す為過去のデーターを調べました。
    2014年は7月7日頃 2015年は6月27日頃 2016年は6月15日頃と咲く時期天候よってにばらつきがありますね。今年は6月20日に覗きましたが全然ありませんでした。。咲きだしは真っ白ですが少し経てば淡く色が変わります。わざわざ遠方から見に来るほどの価値があるとは思いません。
    私は人見知りが激しいので人を案内することはしたことがありません。低山さんとは初対面でほんの少しお話しただけです。多分 私の事を過大評価でしょう(笑)
    此方にわざわざ来るときは地域固有種を楽しみになさった方がよいのではないでしょうか?

  • #6

    Ken (火曜日, 04 7月 2017 19:40)

    了解しました。詳しい開花日を調べていただき、ありがとうございました。

  • #7

    なな (火曜日, 04 7月 2017 22:12)

    いろいろと自分勝手なことを書き込みして申し訳ありませんでした。
    どんな花を求めているのかわかりましたらこちらよりご連絡します。
    ご縁があれば花が引き合わせてくれると思います。
    その時期を楽しみに待っております。何時も勉強になる記事をありがとうございます。とても楽しみです。

  • #8

    ゆき (水曜日, 05 7月 2017 19:31)

    こんばんは、hiroさん、Kenさん、タシロラン、薄暗く腐葉土の厚い場所をこのんで、群れ咲く姿、美しいですね、写真ありがとうございます、フレッシュな咲き始めの雰囲気で、森の妖精のような感じですね、蒸し暑さとヤブカが、嫌ですね、ムサシアブミ、もう、種に、なってましたね。去年の写真で、凄く立派なムサシアブミのことも、思いだしました。

  • #9

    Hiro (水曜日, 05 7月 2017 19:56)

    ゆきさん
    久しぶりにタシロランを見てきました。
    群れて咲いていると見事な美しさがあります。
    思っていたよりも、ここにはたくさん咲いていたので驚きました。
    ムサシアブミ探しも覚えてくださったのですね!
    ありがとうございます。
    この時期になると藪が茂ってしまっているので、
    そばには行けませんでしたが、健在で安心しました。

  • #10

    Ken (水曜日, 05 7月 2017 20:03)

    ゆきさん、こんばんは。いつも暖かいコメントをありがとうございます。
    タシロランは一説によると、地上に現れている期間は、8日間ほどだそうです。その短い期間に、何も無いように見える土の中から、一気に茎を伸ばし、花を咲かせ、種子を作って子孫を残し、一生を終えます。思わず「がんばれ〜!」と声をかけてやりたくなりました。
    ムサシアブミは、写りが悪い写真で申し訳ありませんが、今回果実を見ることができました。これで芽吹き〜花期〜果実期と確認できた訳で、収穫でした。

  • #11

    ゆき (水曜日, 05 7月 2017 20:36)

    こんばんは、hiroさん、Kenさん、タシロラン、そんなにも、開花の期間が、短いのですか、ますます、貴重な写真ありがとうございます。繊細な美しさと野生のたくましさを併せ持つ、雰囲気ですね。ムサシアブミ、健在で、嬉しいです。ムサシアブミの花の後の種、とうもろこし�のようですね。(笑)草むらや藪のまわりなど、苦手な蛇�、怖いです。散策に、いってみたら、ホタルブクロの赤に、近いお花が、ありました、小さな個体でしたので、来年も、見れると嬉しいです。沢蟹も、たくさんいましたね。

  • #12

    Ken (水曜日, 05 7月 2017 22:12)

    ゆきさん、タシロランは、その極軽量の種子が幸いしてか、近年分布域を広げているようですよ。明治神宮の参道にも多数咲くとか。ムサシアブミの種子は、これから赤味を帯びてくると、ますますおいしそうに見えてくるでしょう。でも有毒植物ですから食べちゃダメ! 1〜2粒でも大変なことになります。もし小さなお子さんがいるお宅の庭に咲いたら、要注意です。 ホタルブクロの赤に近い花、見たいです〜まだ見れていないです〜(T_T)... 来年も見られるといいですね!