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. 8月7日~9日(水~金) 遥かな場所への代償(前編)

 

相方の夏休みを迎えました。

ずっと何年も前から見たい花がある。

歩けないよーっと拒否られていたのですが、

もう歩けるチャンスも今のうちだということで・・

今年も尾瀬にチャレンジしました。

 

当HPをご覧いただいている尾瀬の自然ガイドさんからも

情報を頂きまして、山小屋泊でいっちょ行ってみますか!

といっても1泊用の持ち物が入るザックもないので、

Hiroがネットを駆使して求めやすい価格で40Lザックを購入しましたぞ。

(山小屋泊りもそんなにしないのでリーズナブルでいいのだ)

なるべく軽くしようと荷物を詰めるが・・そこそこの重さになりましたあ~

大丈夫かなあ?!  

 

鳩待峠からスタート! 期待と不安が入り交じる(大袈裟?)
鳩待峠からスタート! 期待と不安が入り交じる(大袈裟?)

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へなちょこメタボン夫婦の尾瀬歩きスタートです~

ミズバショウやニッコウキスゲも終わって、

今は閑散期だということです。 う~ん、何よりだあー。

でもそこそこ人出はありますよ。 歩き始めて間もなくカニコウモリ

コイチヨウランの咲き始めと、アリドウシランがありました。

 

開花直前と思われるカニコウモリ。 他にオオカニコウモリも見かけた。
開花直前と思われるカニコウモリ。 他にオオカニコウモリも見かけた。

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コイチヨウラン (小一葉蘭) ラン科 コイチヨウラン属  咲き始め
コイチヨウラン (小一葉蘭) ラン科 コイチヨウラン属  咲き始め

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アリドオシラン (蟻通蘭) ラン科 アリドオシラン属  見頃の状態
アリドオシラン (蟻通蘭) ラン科 アリドオシラン属  見頃の状態

 

山ノ鼻を過ぎ進む。 ほー、これが尾瀬ヶ原なんだね。

本州最大級の自然の湿原ですから、やはり景色が素晴らしいのだね。

至仏山・燧ケ岳のシルエットが美しい。

ミズバショウやキスゲのころは、木道が大渋滞するようですね。

 

振り返れば、至仏山。 去年、あのお山の途中まで登ったんだねえ...
振り返れば、至仏山。 去年、あのお山の途中まで登ったんだねえ...
行く手には、燧ヶ岳。 あのお山の麓まで湿原が続いているんだねえ... 発達中の積乱雲が気になる
行く手には、燧ヶ岳。 あのお山の麓まで湿原が続いているんだねえ... 発達中の積乱雲が気になる

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オゼミズギクが咲いています。

コバギボウシもあちらこちらに。

トキソウの咲き残りもありました。

以下のお花の写真は、実際に見た順番とは異なる場合があります。

 

ところでミズバショウの果実は、熊さんの大好物なんだそうです。

コースの一部では、ハイカーが熊と遭遇しないようにと、

木道脇のミズバショウが刈られていました。

熊さん注意の看板は多く見かけます。

熊さんの生息域に分け入るのだなと感じます。

遭遇はしたくないぞなあー

 

オゼミズギク (尾瀬水菊) キク科 オグルマ属  ミズギクとの違いは、葉の腺点を調べないとわからない
オゼミズギク (尾瀬水菊) キク科 オグルマ属  ミズギクとの違いは、葉の腺点を調べないとわからない
オゼミズギク  この時期尾瀬ヶ原ではよく目にする植物のようです
オゼミズギク  この時期尾瀬ヶ原ではよく目にする植物のようです
オゼミズギクの総苞 普通のミズギクと同じように見える
オゼミズギクの総苞 普通のミズギクと同じように見える

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コバギボウシは、以前野反湖で何十回と見ているので、なかなか真剣に撮影する気になれない
コバギボウシは、以前野反湖で何十回と見ているので、なかなか真剣に撮影する気になれない
コバギボウシの花  それでも、近寄って見ればなかなか美しい花です
コバギボウシの花  それでも、近寄って見ればなかなか美しい花です

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アオヤギソウネジバナサワギキョウ

ミヤマワレモコウなども咲いていましたよ。

キンコウカは湿原の西側では花が終わっていました。

 

アオヤギソウ (青柳草) シュロソウ科 シュロソウ属
アオヤギソウ (青柳草) シュロソウ科 シュロソウ属

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ネジバナ 数は多くはないが、湿原の広い範囲に咲いていた
ネジバナ 数は多くはないが、湿原の広い範囲に咲いていた

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サワギキョウ (沢桔梗) キキョウ科 ミゾカクシ属 木道脇にもたくさんあった
サワギキョウ (沢桔梗) キキョウ科 ミゾカクシ属 木道脇にもたくさんあった

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ミヤマワレモコウ  雄しべが萼片より長く突き出す。 先端の花は終わり、基部はまだ蕾
ミヤマワレモコウ  雄しべが萼片より長く突き出す。 先端の花は終わり、基部はまだ蕾

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キンコウカ 数が多く広範囲に咲き、一番目立っていたかも。 但し花は終わり果実ができていた
キンコウカ 数が多く広範囲に咲き、一番目立っていたかも。 但し花は終わり果実ができていた
キンコウカ (金黄花) キンコウカ科  湿原の東側にはまだフレッシュな花が
キンコウカ (金黄花) キンコウカ科  湿原の東側にはまだフレッシュな花が

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お昼に近くなってきたので、ヒツジグサ

あちらこちらの池塘の中で開花し始めました。

 

美しい池塘がたくさん見らる場所もあった
美しい池塘がたくさん見らる場所もあった
池塘の水面に浮かぶのはヒツジグサの葉  ポツポツと白い花が咲き始めた
池塘の水面に浮かぶのはヒツジグサの葉  ポツポツと白い花が咲き始めた
未の刻(午後2時)頃に花を咲かせることが名の由来らしい
未の刻(午後2時)頃に花を咲かせることが名の由来らしい
ヒツジグサ (未草) スイレン科 スイレン属  直径5cmほどの花は4個の萼片と8〜15個の花弁がある
ヒツジグサ (未草) スイレン科 スイレン属  直径5cmほどの花は4個の萼片と8〜15個の花弁がある

 

湿原は爽やかな風が時折吹きますが、

日差しは強烈~~日陰はありません。

じりじり暑すぎて、サングラスかけてみたら、体感温度が下がりました。

 

尾瀬ヶ原は暑い... 燧ヶ岳が近づいてきた。 山の上の雲がますます多くなっている
尾瀬ヶ原は暑い... 燧ヶ岳が近づいてきた。 山の上の雲がますます多くなっている

 

目的の花だけ目指しているので・・

変化のない感じがちょいとつまらない。

川の流れの中の藻はなんだろな?

 

2種類の水生植物がせめぎ合っていた。在来のクロモ? 外来のコカナダモ?
2種類の水生植物がせめぎ合っていた。在来のクロモ? 外来のコカナダモ?

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川辺にはトモエソウがたくさん咲いていたが、木道からは遠い...
川辺にはトモエソウがたくさん咲いていたが、木道からは遠い...

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コバノトンボソウや、果実となったヒメシャクナゲ

ナツトウダイも見られました。 ナツトウダイは始め

オゼタイゲキかな?と思ったけれど、違いました。

 

コバノトンボソウ (小葉の蜻蛉草) ラン科 ツレサギソウ属
コバノトンボソウ (小葉の蜻蛉草) ラン科 ツレサギソウ属
コバノトンボソウ フレッシュな花は長い距が反り上がるのが特徴
コバノトンボソウ フレッシュな花は長い距が反り上がるのが特徴
コバノトンボソウの花の正面
コバノトンボソウの花の正面

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ヒメシャクナゲの果実
ヒメシャクナゲの果実

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ナツトウダイ (夏灯台) トウダイグサ科 トウダイグサ属
ナツトウダイ (夏灯台) トウダイグサ科 トウダイグサ属

 

炎天下、テラスベンチで休憩するも、水分だけはやけに欲する。

ザックが重い~ 肩に食い込むう~

延々と歩いて、ここにいるよと言われた場所で花を探すも、見つからない。

小さな花だから、簡単に見つかるわけがないと怒りだす相方。

でもラン科らしき様子がないし・・ゴロゴロ雷様も迫ってきているようだ。

時間をかけられないし、もう一つの花の確認がしたいと私は主張するー

その花の地点から山小屋まではさらに歩かなくてはならないし、

明日の帰路でもう一度じっくり探し出そうと提案し、納得してもらった。

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上空はゴロゴロ、雨もぽつぽつと.. ひたすら長い木道を急ぎ足で歩き続ける。

あーなんて遠いんだよーー まだまだ先のようだ。

足の裏がピリピリしてきたあ~ 妙な違和感が起きている。

そしてやっと・・目標としていた地点よりずっと手前で、

念願のオゼノサワトンボが咲いていました

 

オゼノサワトンボ (尾瀬の沢蜻蛉) ラン科 ミズトンボ属
オゼノサワトンボ (尾瀬の沢蜻蛉) ラン科 ミズトンボ属

 

点々と咲いていて、蕾もたくさんあった。

しかし、こんなにも広大な湿原の中で、このポイントだけなんだね。

思っていたよりも小型なトンボさんですね。

オオミズトンボの変種のようだが、こんなに小さいとはー

やんちゃなオゼノサワトンボといった印象だ。

 

オゼノサワトンボの花 やや時期が遅かったせいか、側萼片が後方に反り返る
オゼノサワトンボの花 やや時期が遅かったせいか、側萼片が後方に反り返る

 

ああ、こんなにも遠くまで歩かなくては逢えないお花なんだね。

意を決して来た甲斐があったというもんだ。

撮影タイムとしましたが・・

目の前で稲妻があ~~ ドカーン! バリバリバリ~!

これは命の危険レベルだ!!!

大急ぎで切り上げて、またこの花も明日帰りに再度撮影しようと決めた。

 

疲労困憊の中、大急ぎで山小屋に向かわなくてはならない。

普段はてこてこ歩いてるのに、

信じられないスピードで山小屋に進む。

後ろから子連れの家族が迫って来ていたが、

なぜか抜かされまいと相方が必死になって歩いている。

HiroKen結構歩けるじゃん、と自覚した瞬間でした。

でも私はとっても足の裏が痛いのでした・・

雷雨に襲われる前に山小屋に到着しました。

ひえ~~よう頑張ったねえー

 

私の登山ソックスの選択がいかんかったあー

両足裏に靴ずれで水膨れがあ~ チリチリ痛みがあったのはこのせいだあーー

明日が心配なので、宿の方に絆創膏を頂き、

自分でも持参していたカットバンで凌ぐしかない。

 

静かな尾瀬の自然は、心が休まる。

山小屋の夕飯は、おかずは結構な頑張りようでしたが・・

お米がパサパサ・ボソボソで、どうにも喉を通らない。

相方はほとんど会話もせず、もくもくとおかずを食べている。

食が進まないんだね。 私はお隣のグループの熊さん遭遇話に

お付き合いしました。

相方は生ビールが何より美味かったそうな。

 

実は出発前日まで私は胃の調子が悪く、6日間も食欲も落ちて

うなだれていました。

医者に胃酸過多か逆流性食道炎と診断され、胃カメラを勧められました。

数日前も山梨の低山を登ったのですが、胃が苦しくて炎天下の山を

這いつくばるように、死に物狂いで登ったのであります。

目的の花は一つも見つからず、鹿の糞の臭いが漂う山でしたが・・

 

尾瀬を歩けなくては大変とお薬のお陰で収まり、歩けたわけなんです。

食欲も落ちたままなので、私もパサパサ・ボソボソご飯は受け付けません。

仕方ないよねと思っても、少し辛いものがありました。

 

夜8時にはバタンと寝てしまいました。

近くでホタルが飛ぶと言われましたが・・

こんな長歩き、私たちにとっては、ナンバーワン花さんぽでござんす。

明日の帰路は・・HiroKenどうなるんだろう?