爽やかな晴天。 さんさんと降り注ぐ陽の光の下で、花を
全開させたハルリンドウを見ることができました。 曇ると
すぐに花を閉じてしまうので、好天に感謝しました。
このような株が湿原のあちらこちらにありました。 木道の近くで
も咲いていてくれたので、いろいろな角度から見ることができます。
大きめの根生葉を持つことがフデリンドウとの識別方法
の一つですが、根生葉がよく見える株がなかなかなく、見
つけるのに苦労しました。 越年した根生葉は霜などの影
響で花期には紫褐色を帯びています。
花冠は5裂しますが、裂片の間に副花冠(副辺)があるので、10
裂しているように見えます。 写真の花は、副花冠の方が若干、色
が濃いですね。 喉部には、紫色の斑点があります。
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ハルリンドウは雌雄異熟の両性花で、雄性先熟です。 上の写真の左の花は開花して間もなく、中心に雄しべがまとまっています。 葯が開き花粉を出し始めています。 雌しべはまだ未熟で、雄しべの下に隠れて見えません。 この時期を雄性期といいます。 右の花は雄しべが花粉を出しきり、役目を終えて外側に倒れ込み、雌しべから遠ざかっています。 一方、雌しべは成熟して大きくなり、先端が2つに割れて受粉可能な状態になっています。 この時期を雌性期といいます。 雌雄異熟は自家受粉を避けるためのシステムなのだと思います。
他の花より一段と色が濃い花もいました。 これはこれ
で美しいですね。 写真の花は色が濃いとともに、花冠と
副花冠の長さの差が小さいと感じました。
ハルリンドウ
日当たりのよい、やや湿り気のあるところに生える2年草。 高さは約10cm。 根生葉は長さ2cmほどの卵形で、茎葉より大きく、ロゼット状で地面に接して越年する。花茎は数個立つ。 茎葉は小さく卵状披針形で長さ5〜10mm。 茎頂に青紫色の長さ2〜3cmの漏斗状鐘形の花をつける。 萼片は5裂し、萼裂片は披針形で直立する。北海道〜九州に分布。 花期は3〜5月。 高山帯〜亜高山帯に生えるタテヤマリンドウの母種。 (山渓「山に咲く花」)
〜 よく似た花 フデリンドウ 〜
Gentiana zollingeri
ハルリンドウと咲き方が違うのがわかり易いかと
思い、この写真を選びました。 フデリンドウは
1つの茎にたくさんの花をつけるので、まとまっ
た感じになります。
花の色・形が似ているものにコケリンドウがあり
ますが、こちらは圧倒的に小さいので識別に困る
ことはないと思います。 >>コケリンドウ
花だけ見ると、ハルリンドウとそっくりですね。 フデリンドウは雄性期から両性期へと移行し、雌性期はありません。 写真が小さくわかりにくいかも知れませんが、雌しべが成熟して雄しべより長くなり、先端が2つに割れる状態になってもまだ雄しべは中心部に直立しています。 ハルリンドウの雌性期とは明らかに様子が違います。
2011.02.20 掲載
ゆき (金曜日, 27 3月 2015 10:40)
こんにちは、hanasanpoさん、先日、自然観察に、いきました、ハルリンドウをはじめとして、ヤマルリソウや白花ショウジョウバカマ、芽吹きのうばゆり、岩タバコ,大文字草など、みれました、苔むした壁面に、シダ類とベニシュスラン、谷川のせせらぎ、カワセミの姿も、とても、リフレッシュしました。写真とお話、楽しみに、してます。ありがとうございます♪
hanasanpo (金曜日, 27 3月 2015 22:11)
ゆきさん、こんばんは。
たくさんの花を見ることができて、充実した自然観察だったようですね!
ベニシュスランの葉も見つかられたとは、羨ましいです。
これから益々楽しい季節になりますね!
このハルリンドウのページは、当ホームページでも最もご訪問者の多いページの一つですが、コメントを入れてくれたのは、ゆきさんが初めてです。
ありがとうございます。
sawako (水曜日, 04 9月 2019 11:47)
初めまして♪ 春りんどうを 先日初めて知って 美しい写真から このページと出会いました。 ブログで ご紹介させていただきましたが NGでしたら おっしゃってくださいね。https://blog.kanoche.com/archives/%e7%ab%9c%e8%83%86%e3%80%80%e3%81%93%e3%81%ae%e5%ad%97%e3%80%80%e8%aa%ad%e3%82%81%e3%81%be%e3%81%99%e3%81%8b%ef%bc%9f.html
HiroKen (水曜日, 04 9月 2019 19:29)
sawakoさん、初めまして。
ご連絡をありがとうございます。
ブログを拝見しましたが、まったく問題ございません。
ご紹介いただきまして、どうもありがとうございます。
せっかくメッセージをいただいたので...
欲を言えば、「HiroKen花さんぽ」と一言入れていただけると、更に嬉しいです。
現状:→野山に自然に咲く花のページ
希望:→野山に自然に咲く花のページ「HiroKen花さんぽ」
もしお時間がありましたら、よろしくお願いいたします。
今後とも「HiroKen花さんぽ」をよろしくお願いいたします。