2009年6月。群馬県の六合村(くにむら)にある
野反湖に、イチヨウランを見に行った折に、六合村
の友人、Nさんに案内されて見ることができました。
ショウキランを見るのは2度目でしたが、今回はとてもフレッシュで
花もたくさんつけていたので、大感激でした。 地面に這いつくばって、
写真を撮りまくりました。 Nさんはそのような状況になるだろうと予
測し、服が汚れないようにビニールシートを準備してくれていました。
さすが、Nさんです。
葉緑素を持たない、菌従属栄養植物です。 撮影していて、驚いたことがあります。 香りが良いのです。 ヤマユリほど強烈ではありませんが、花の周辺に強めの香りが漂っていました。 撮影のために腰を落とすと、ふんわり甘い香りが鼻孔をくすぐります。 ちょっと変わっていて、似た香りを持つ花を思いつきません。 表現が難しいですが、ただの甘い香りではなく、なにか妖しさを含むような... 魔性の魅力というか... 何かが隠されているような香りでした。 香りを言葉で伝えるのは難しいですね。
当サイトでは以前、菌従属栄養植物のランを「腐生ラン」や「腐生植物」と表現していたことがあります。 しかし「腐生」という用語は、植物自体に腐生能力(他の生物の死体や排泄物などを栄養源として生活すること)があるかのような誤解を招くものであり、また共生菌も腐生性とは限らないことが明らかになってきたため、より正確に栄養摂取様式を表す「菌従属栄養植物」という用語が使われることが多くなって来ました。 当サイトでも用語を「腐生植物」から「菌従属栄養植物」に変更します。 但し、入力済のコメントは変更できないので、そのままとします。(2014.11.08 追記、2017.06.27 追記の修正)
上から見ると、こんな感じ。かわいい蕾も見えます。
菌従属栄養植物のランは独特の色を持つものが
多いですが、その中でもショウキランはうっすら
ピンク色で、とても美しい花だと思います。
唇弁が変わった形をしています。袋状になって
いて、先端は距のようになって前方に突き出して
います。
側花弁と唇弁の先端の縁は、白色に近く濃紫色の斑点があり、アクセントになっています。 唇弁入り口には薄緑色の突起があります。この写真では見えませんが突起の奥の訪花昆虫の通り道には、黄色の毛が生えているそうです。次回どこかで出会えた時には、よく観察してみたいと思います。
最後の2枚の写真は、2004年の7月に日光の小田代ヶ原で初対面を果たしたショウキランです。当時はまだ超初心者で何もわかってなく、「何この花? 変なの。パチリ。」という感じで2枚しか撮影していませんでした。 同行者たちは花には興味がなくずんずん先に歩いて行ってしまい、慌てて追いかけたのが思い出されます。
ショウキラン
北海道西南部、本州、四国、九州から屋久島まで分布。 山地の林内や林縁の比較的日当たりの悪い場所に生える多年草。 葉緑素を持たず光合成を行わない、菌従属栄養植物。 菌根を形成し、菌類との共生により栄養を得ている。 茎はよく分岐、直立し多肉質で高さ10〜40cm。 葉は鱗片状に退化している。花は肉質で花柄が長く、直径約3cm。茎の上部にまばらに、またはやや密に総状花序につく。
名の由来は、疫病神を追い払い、魔を除くという神を鐘馗(しょうき)といい、花の形をこの神に見立てた。 学名のYoania は、江戸時代末期の蘭学者である宇田川榕菴(うだがわ ようあん)の名にちなむ。 Maxim.は命名者のロシアの植物学者カール・ヨハン・マキシモヴィッチ(1827-1891年)を表す。
2011.07.20 掲載
かのん (水曜日, 20 7月 2011 06:59)
ショウキランは枯れ草と一緒に写しても、葉がないのであまり映えませんが、こうやってバックに緑を入れると綺麗ですね。
地面に這いつくばって撮った甲斐がありましたね^^
私の写真もだいたい最後の写真と似ています^^
いつも証拠写真みたいで、3~4枚映して、全部ボケている事もあります。
同行者が花に興味がないと、いつまでも映しているのも申し訳ないし。
自分のいい加減な性格のせいもありますが(笑)
じっくりの花観察はhirokenさん達の成果を、ちゃっかり拝見して楽しませてもらっています^^
名前の由来も面白いですね~
付けた人達を尊敬してしまいます。
学名もかかわった人たちを一緒にしているんですね。
植物ひとつ取ってもこれだけ興味あることばかりで、昆虫や鳥、その他の生き物全て、また天文、地学・・・研究の対象は無限にある訳で、楽しみは(研究者にとっては苦しみも)尽きませんね。
hanasanpo (水曜日, 20 7月 2011 21:58)
かのんさん、いつも暖かいコメントをありがとうござます。
褒められると頑張るタイプなので、とても張り合いになります!
ショウキランは独特な雰囲気を持つ花で、もっと見たいのですが、なかなか出会えません。
鐘馗という神様が名の由来であったことは、恥ずかしながら今回初めて知りました。
植物の名の由来としては、かなり凝っている部類ですねよね?
ヘクソカズラとか、安直と思える名前を付けられてしまった植物もいますが!
植物を通じて昆虫や鳥などいろいろなものに興味を持つのですが、なかなか探求している時間がありません。
現役サラリーマンは、これくらいが限界ですかね。定年後は、もう朝から晩まで没頭できますね。
かのん (土曜日, 23 7月 2011 10:52)
2~3日涼しい日が続いて、楽ですね~
私も昆虫や鳥が好きで、色々覚えたいと思うのですが、根が努力家でないのでダメですね~
最近は庭に水を撒くと、カワトンボやシジミチョウなどが飛び出してきます。
春に遊びにきていた小鳥たち、最近はキジバトとスズメだけで、パンを撒いてもヒヨドリも来なくなってしまいました。
あの子たち、暑い夏は山にいるのかな~
渡り鳥もいるでしょうし。。。
そうそうこんな日でもないと草取りは出来ないので、昨日は頑張りました^^
特にヘクソカズラが元気で元気で、もう大変!!
生垣には絡みつくわ、立木に這いあがるわ、地面にもびっしり這って、元気すぎ!
あの名前を気の毒に思っていましたが、こんなに大変だと同情もなくなります^^
でも花は可愛らしいですよね。
どんな名前をつけられようと、元気に夏の太陽の下、茂り続けるこの花は、あっぱれです^^
草で元気過ぎるのは、タチカタバミとコニシキソウとマンネングサ!
抜いても抜いても、一雨降ると生えてきます。
引っ越してきた4年前はどんな草も皆可愛くて、なるべく残しておいたのが敗因でした^^
明日からちょっと留守にします。
hirokenさんも夏の花さんぽ楽しんで下さいね~
hanasanpo (土曜日, 23 7月 2011 21:56)
かのんさん、こんばんは!
本当に台風が去った後は涼しくなりましたね~
今山中湖にいますが、地元の方は昨日の朝はコタツを使うほど冷えたと言っていました。標高が千メートル近くあるせいもあるのでしょうが、7月にコタツとは!
お庭の草取り、お疲れ様でした!
庭がない家に住んでいるので「草取りをした」などと聞くと、ちょっと羨ましい気がします。(そんなこと言うなら、手伝いに来て!と言われちゃいそうですね(^^;)。
ヘクソカズラに、元気御三家、タチカタバミ・コニシキソウ・マンネングサですか。確かにみんな過酷な環境にも耐える、しぶとい植物ですよね。
きっとかのんさんのお庭は居心地がよくて、益々元気になってしまうのでしょうね。
明日からのお出かけ、お気をつけて行ってらっしゃい!
私たちは明日は富士山の中腹をウロウロする予定です。