#1 私たちは、群馬県の野反湖でしか、この花を見たことがありません。 高さ10〜15cmのひょろ〜んと細長い花茎の先に、直径7〜9mmほどの小さな花をつけます。 葉は地面近くに1枚だけつけます。 写真#1で葉がたくさん見えるのは、まだ花茎を伸ばしていない株が密生しているからです。
花が小さい上に葉と離れているので、全体をうまく撮ることが難しい花です。時期が合えば必ず見にいき撮影していますが、まだ満足する写真が撮れていません。 全体像を、もう1枚。
#2 う〜ん、イマイチですね。 花にピントを合わせるとどうし
ても葉がボケてしまいます。 絞り込むと背景がうるさくなるし。
なかなかうまく撮れません。 真横から撮ると葉の形がよくわか
らなくなるし... さらに、もう1枚。
#3 ほぼ真横から撮影したものです。 葉もいい具合にこちらを向いて、葉と花の大きさと、花茎の長さの対比がよくわかる写真だと思います。 でも花は正面を向いていないし... 根元の他の植物の枯葉をどければよかった...こんな後悔の連続です。
#4 野反湖には、萼片が薄黄緑色のタイプと、紅紫色が入ったタイプがいます。 紅紫色タイプは、花茎も紅紫色を帯びています。 ある登山道脇のおよそ200mほどの間に点在していますが、湖に近い側に紅紫タイプが多く、遠ざかるとある地点から薄黄緑タイプになります。 土壌の成分の違いに起因するのでしょうか? わかりません。 数は圧倒的に薄黄緑色タイプが多いです。
#5 今年(2011年)は特に紅紫色が濃い個体を見ることが
できました。 #4では「個体差の範囲では?」と思われた
方もいると思いますが、ここまで紅紫色が濃いと、別の品種
ではないか?と思ってしまいます。
図鑑やネットで探しまわりましたが、このような色の花は
見つかりませんでした。 もしかすると珍しいタイプはのか
も知れません。 このような色のコイチヨウランをご覧にな
ったことがある方は、ご一報いただけるとありがたいです。
ネットでは「ムラサキコイチヨウラン」というものが見つか
りました。 品種としては登録されていないようですが、いず
れにしても花ではなく、葉の色が暗紫色であることに寄るよう
です。
コイチヨウランは子房というよりは花柄をねじらせて
いるように見えます。 子房・花柄を180°ねじらせて唇
弁を下側に位置させる「標準タイプ」のランです。
#7 五円玉と花の大きさ比較です。
五円玉の直径は22mm、孔径は5mmです。
#8 野反湖のコイチヨウランの葉は、どれもこのような色をしています。暗褐色に微かに紫色が交じると表現したらよいのか。 雨で湿っていたりすると、ほとんど黒に見えるときもあります。 私たちは図鑑にあるような緑色の葉を持つコイチヨウランをまだ見たことがありません。
#9 葉の裏面は暗紫色で、葉脈は濃紫色です。
コイチヨウラン
針葉樹林内に生える多年草。葉は1個、広卵形で長さ2〜3cm。花茎は高さ10〜20cmで先端付近に数個の花をつける。萼片、花弁は長さ5〜6mm。唇弁には紅紫色の斑紋があり、距はない。
北海道、本州(北部、中部地方)、四国に分布。花期は7~8月。
和名の由来は、葉が1個だけつくことから「一葉」の蘭であり、小さいので「小」がついたと思われます。 花の形も属も違うことから「イチヨウランの小型版」の意でついた名前ではないと思います。
2011.08.23 掲載
2012.10.29 #6を追加
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Dairy-Hiroダス
2015年7月25-26日 猛暑を逃れ野反湖へ p.2/2 (蕾、葉)
花さんぽ
他のラン科コイチヨウラン属の植物
大塚 多美子 (木曜日, 16 8月 2012 12:26)
H24年8月11日に苗場山で見ました。和田小屋から1時間半位歩いた所の登山道の脇に咲いていました。また2―3メートル先にもありました。普通の薄い黄色でした。葉は、緑色でした。
hanasanpo (木曜日, 16 8月 2012 21:04)
コメントをありがとうございます。
苗場山のコイチヨウランは、花が淡黄で葉は緑色なのですね〜。
コイチヨウランの世界では、きっとそれが普通なのでしょうね!
早く普通のコイチヨウランを見てみたいです。
中山信子 (火曜日, 25 8月 2020 09:34)
2020.8.18 尾瀬三条の滝に向かう燧裏林道で、小さな花畑状態のコイチヨウランに会い感激しました。葉は緑です。