タマガワホトトギス

 

玉川杜鵑草 ユリ科 ホトトギス属

Tricyrtis latifolia

日本固有種

タマガワホトトギス (玉川杜鵑草) ユリ科 ホトトギス属  2007.08.08 群馬県 野反湖
タマガワホトトギス (玉川杜鵑草) ユリ科 ホトトギス属  2007.08.08 群馬県 野反湖

 

花被片と花柱に紫褐色の斑点が多数ある。ホトトギス

花糸や葯にも斑点があるが本種にはなく、その分少し

スッキリして見える。 花柱は花の上部で3裂して放射

状に広がり、先端でさらに2裂する。 その花柱に小さな

水滴のような腺毛状突起が多数見える。

 

トリミングして柱頭を拡大してみた
トリミングして柱頭を拡大してみた
2007.08.08 群馬県 野反湖
2007.08.08 群馬県 野反湖

 

初めて見た野生のホトトギス属が、この花だった。

6年前の2004年7月、群馬県の赤城山だった。

まだ花に興味を持って間もない頃で、ひょっこら

そこいらの山に出かけるだけで、未見の花のオン・

パレードだった。手当たり次第に写真を撮った。

その中でもタマガワホトトギスの姿ははかなり変

わり者だと思った。

 

2009.08.04 長野県 栂池
2009.08.04 長野県 栂池

 

一番上の写真では外花被片の先端がキュッと

つぼまっているが、この個体は先端が丸っこい。

この違いは成長過程の変化なのか、あるいは

地域による差なのか?


2008.07.27 群馬県 野反湖
2008.07.27 群馬県 野反湖

 

野反湖では大空堀沢や第一キャンプ場付近で見る

ことができるが、個体数はあまり多くない。

白馬大雪渓の手前では、多くの個体を観察できた。

日陰にいることが多いが、日当たりのよい開けた

場所で見かけることもある。 真夏の花である。


2009.08.04 長野県 栂池
2009.08.04 長野県 栂池

 

蕾もかわいい。花の根元のぷっくり

膨らんだ部分が距で、ここに蜜が

たまっている。

 

2006.09.17 群馬県 野反湖
2006.09.17 群馬県 野反湖

 

タマガワホトトギスの果実。このサヤの中に、直径

1mm以下の小さな種がギッシリ詰まっているらしい。

 

 

タマガワホトトギス

 

山地の谷沿いや湿った林内に生え、高さ40〜80cm。 葉は広楕円形で長さ8〜18cm、基部は茎を抱く。 茎頂や上部葉腋に散房花序を出し、黄色い花をつける。花被は斜上する。北海道から九州の冷温帯域に分布する。 花期は7〜9月。和名はヤマブキの名所、京都府出井の玉川に名を借りたもので、多摩川ではない。(参考:山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花 他)

 

花の各部の名称を調べて ホトトギスのページに掲載しました。

そちらもご参照下さい。

 

2010.10.28 掲載